[応用情報技術者試験]午後の選択問題はどれを選ぶ?簡単な問題はどれ?各問題の傾向と対策を徹底解説

応用情報技術者試験の午後問題はセキュリティを除いて10問の内4問を選ぶ選択式になっています。
そのため自分の得意分野をあらかじめ見つけておくことで効率よく勉強し、短期間で労力を少なくして合格までたどり着けるようになります。
しかし、






と言った方も多い事かと思います。
そこで今回は、各分野の問題の傾向や対策を紹介した上で、どの問題を選択すれば良いかといった戦略もお伝えして行こうと思います。
午後問題の傾向
最初に、午後問題の分野や配点を見てみましょう。
問 | 分野 | 選択方法 | 配点 |
1 | 情報セキュリティ | 必須 | 20点 |
2 | 経営戦略 | 問2~11の中から4問選択 | 20点 |
3 | プログラミング | 20点 | |
4 | システムアーキテクチャ | 20点 | |
5 | ネットワーク | 20点 | |
6 | データベース | 20点 | |
7 | 組み込みシステム開発 | 20点 | |
8 | 情報システム開発 | 20点 | |
9 | プロジェクトマネジメント | 20点 | |
10 | サービスマネジメント | 20点 | |
11 | システム監査 | 20点 |
いずれも20点満点で、セキュリティを含め5問選ぶ必要がある事が分かるかなと思います。



配点に関する記事は以下をご覧ください。
午後問題をあらかじめ選んでおく理由
午後問題は11分野あり、あらかじめ全部勉強しておいた方が本番でもどの問題にも対応出来て良いの?と思われるかもしれません。
もちろん、時間や気力が許されるなら網羅的に仕上げておくに越したことはありません。
しかし、いざ勉強してみるとお分かりになるかと思いますが、応用情報技術者試験の範囲は膨大で各分野の難易度も高く、軽い気持ちで取り掛かると必ず心が折れてしまいます。ましてや大学の授業や研究の合間だったり、社会人のスキマ時間だったりと言った限られた時間で勉強する場合、なおさら網羅的に学習するのは難しくなってしまいます。



そのため、以下の観点からも、午後問題は絞って勉強するべきです。
範囲を絞ることで効率よく勉強できる
先述の通り、忙しい方が勉強できる時間は限られています。
10分野すべてを網羅して勉強するのと、5分野に絞って勉強するのでは後者の方が勉強時間も記憶量も半分で良いことが分かります。
また、応用情報技術者試験の午後の分野はいずれもそこそこ深い知識が必要です。そのため、あらかじめ選択して勉強することで勉強時間をぐっと短縮することが出来るようになります。
もちろん食わず嫌いはダメなので、一通り全分野の問題を見るだけ見て、解けそうな分野、興味を持った分野を絞る作業は欠かしてはいけません。






スペシャリスト試験へつながる
応用情報技術者試験を目指す方は将来的に上位のスペシャリストを含む高度試験に挑戦する方が多いのではないでしょうか。
高度試験の内容は当然応用情報技術者試験の内容を含んでおり、応用情報技術者試験の知識が土台となってきます。
また、高度試験に限ってはほとんどが年1度しか実施されず、短い期間でいくつも取得していくのは不可能です。
従って、狙う高度試験のベースの知識は応用情報の段階で完璧に固めておく必要があるため、重点的に絞った勉強をしておかないと高度試験にも太刀打ちできなくなってしまいます。



選択肢が多いと本番で逆に焦る
筆者がこのパターンだったのですが、10分野すべてを勉強してどの分野でも過去問である程度問題が解けるようになると選択の幅が出てしまい、そこから油断→不合格のコンボが決まってしまいます。
特に午後試験本番で選択肢が多すぎるとある分野を途中まで解いてやっぱり違うな、と他の分野を解き始めてを繰り返し、気付いたら時間が無かった・・・なんてことにもなりかねません。
筆者の場合はセキュリティは除いて、本番でどれも不安になってしまし、ネットワークとアーキテクチャとストラテジストとマネジメント×2と監査を解くと言った荒業になってしまい、答えを見てからさらにシステム開発を選べばよかったと後悔するという目も当てられない状態になってしまいました。
策士策に溺れる、と言った諺もあるくらいですから、武器を増やし過ぎるより、一個一個の武器を強力に鍛えていくことをお勧めします。
選択問題一覧
まずは選択問題の一覧です。それぞれの特徴や傾向、対策方法、その分野が向いている方を書いていきます。
セキュリティ
難易度:★★☆☆☆
セキュリティは必須の科目です。外すことはできないので必ず対策しましょう。
セキュリティの特徴と傾向
セキュリティ分野の問題の特徴としては被害の状態からその攻撃名を答えたり、最近話題になったインシデントを元に事例問題を作って答えさせるパターンが多く見られます。
複雑な計算やプログラムを書かせることはまずありませんが、知識がないと答えられない問題、逆に文章さえ読めれば答えられてしまう問題がよく出題される傾向にあります。
セキュリティの対策
セキュリティ分野は問題の中で状況を詳しく説明しているため、文章の長さが長くなりがちです。状況をしっかり把握し、問題の都度立ち返れるように気になるところは問題文に下線を引いたり軽く図示するなど読みながら手を動かす癖をつけましょう。
また、時事問題に近い形式で真新しい攻撃手法や進入経路を聞かれることもあります。常にセキュリティのニュースはチェックするようにしましょう。



ストラテジ
難易度:★★☆☆☆~★★★★★
次に第2問のストラテジです。
ストラテジの特徴と傾向
ストラテジは出題範囲が非常に広く、ヤマを張るのが難しい分野です。各戦略(ストラテジ)や分析手法を問うものから分析名を答えるもの、財務諸表を見て当てはまる語句を選んだり、その会社の状況を分析したり、さらには法務も登場する・・・などと出題形式も実にさまざまです。
筆者も何問か解きましたが、簿記2級の知識を持っていても全く歯が立たなかった回や、逆にほとんど知識が無くても満点取れてしまうような回もあり、運の要素が絡む問題だといえます。
ストラテジの対策と向いてる方
対策としては一通り参考書を読み、各分析手法がどの様なものかを答えられるようにしておきましょう。また、可能であれば簿記2級程度を取得しておくと有利にはなりますが、それはそれで時間がかかってしまうので特別な目的が無い限り、0知識からの簿記の学習をし直すことはオススメしません。
向いている方は経営学や会計学を学んだことがある方、経理職を経験したことがある方などです。



一度ざっと問題文と解答用紙に目を通し、自分で解けそうかどうか瞬間的に把握する能力も養っておくと良いでしょう。
プログラミング
難易度:★★★☆☆
続いてはプログラミングになります。
プログラミングの特徴と傾向
応用情報技術者試験のプログラミングはマークでなく記述の分、下位の基本情報技術者試験の内容より簡単になっています。
問題文中に処理が丁寧に書いてあるので、その処理を忠実にコードに変換できれば難易度は低く感じるでしょう。
ただ、逆に言ってしまえばコーディングの経験がない場合全く手が動かないと言ったパターンも考えられます。
その為、普段からプログラミングを触っていなかったり、基本情報でプログラミング問題を見て拒絶反応を起こしてしまった人は避けるのが無難です。
プログラミングの対策と向いてる方
対策としては過去問を解いてとことん手を動かすこと、これに限ります。
実装を重ねるごとにすらすらと書けるようになり自分でも驚くくらいには成長できます。
こちらも強引な対処法として、プログラミングスクールに通う等と言った対策があります。将来的に資格を元にIT企業に就職したりプログラマ志望の場合はこのルートが意外と王道ではないでしょうか?



システムアーキテクチャ
難易度:★★☆☆☆
システムアーキテクチャはwebシステムやサーバの仮想化、さらには稼働率やMM1モデルと言った数学寄りの問題が多く取り扱われます。
システムアーキテクチャの特徴と傾向
問題の特徴として、MM1モデルや稼働率をはじめとする計算問題が多く出題される傾向にあります。計算問題と聞くと拒絶反応を起こされる方もいらっしゃいますが、基本的に四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)を使った簡単な問題しか出ず、出題範囲が狭いことから毎回同じような問題が出たりもします。
そのため対策は意外と容易ではないでしょうか。
システムアーキテクチャの対策と向いてる方
対策としては計算問題が良く出るので、その問題を数回分解くようにしましょう。大体パターンとして3~4パターンくらいしかないため、解いていくうちに「またこのパターンか」と思えるようになります。
向いている方と言うよりは、よっぽど計算が嫌いな方以外は選ぶようにしましょう。



ネットワーク
難易度:★★★☆☆
最近話題のIoTやクラウド技術も出題範囲になっているネットワークに関してです。
ネットワークの特徴と傾向
ネットワークはセキュリティ同様、新しい技術を盛り込んできたり、そうかと思えば逆にtelnetのように古いといわれている技術をなぜか盛り込んでくることもあります。
また、IPやサブネットマスクの変換と言った計算問題に加え、各プロトコルの名称を問うような問題も出題されます。
ネットワークの対策と向いてる方
ネットワークの問題は知らない(参考書でカバーしていない)プロトコルやの知識がある機器が出てくることがありますが、仕様については本文を読めば十分に回答できるようになっています。
IPアドレスの仕様や計算方法だけは気をつけて覚えて置いてください。
下記のページでIPアドレスの計算方法について触れています。
向いている方は文章を読んで状況を把握する事が得意な方、進数変換になれている方、ネットワークやポートを実際に触ったことがある方などです。



データベース
難易度:★★★☆☆~★★★★☆
得意不得意が分かれる分野でもあるデータベースです。
データベースの特徴と傾向
問題の特徴としては毎回E-R図とSQLが出題されます。
SQLは若干プログラミングのようにも見えますがそこまで複雑ではありません。慣れてしまえば手堅く点数が取れます。
また、SQLには複数の句がありますが、応用情報で出題されるものは限られています。
E-R図に関しては毎回矢印の向きを問う問題がアホみたいに出ます。
データベースの対策と向いてる方
E-R図に関しては実際に手を動かしながら特に対応関係に気を付けて図示することが大切です。書き方にも順番があるので、問題を解いてみて解説だけではわからない時は下記のサイトを参照にしてみましょう。
SQLに関しても実際に動かしてみることが理解に直結しますが、なかなか無料で練習できるサイトがありません。まずは下記のサイトで取り敢えず練習してみましょう。
それで物足りないようでしたら、時間と資金が許すなら専門書を使用するのもアリです。
こちらはクラウド上で実装できるデータベース、dokoQLを使用できるようになるので勉強が捗ります。
組み込みシステム開発
難易度:★★★☆☆
組込みシステム開発ではそれぞれの機器(ハード)がどのような動作をするかを問うような問題が出ます。
組込みシステム開発の特徴と傾向
組み込みシステムの特徴としてはある処理を行うシステムがあり、それがお互いにどのように作用していくかを考えながら解いていく問題が多く出題されます。
システムアーキテクチャと似通う部分もあり、特別な知識を要するわけでなく問題文をよく読めば解けることがほとんどです。
また、こちらもビット数計算やデータ転送速度の計算と言った計算問題があります。
組み込みシステム開発の対策と向いてる方
問題によっては境界条件等、プログラミングと絡めた問題が出ます。
したがって問3のプログラミングを選ぶ方は同時に此方を選ぶとすんなりと解けることもあります。
情報システム開発
難易度:★★★☆☆
情報システム開発は組込みシステム開発と名前は似ていますが内容は全く異なります。
情報システム開発の特徴と傾向
情報システム開発では主に開発手法を聞かれます。ホワイトボックステストやブラックボックステストの内容を問う問題、クラス図やシーケンス図と言った開発段階で利用する図に関する問題が頻出問題となっています。
情報システム開発の対策と向いてる方
図に関しては特に午前の知識で十分解けます。過去問を繰り返し解いて、図を見たらその図が何の図か、どのような用途で使うかを答えられるようにしておきましょう。
割と文章はしっかり読まないといけないので、長文を読んで理解したり図に落とし込めたり出来る方が向いています。



プロジェクトマネジメント
難易度:★★★☆☆
テクノロジとは打って変わってマネジメントの分野です。文系よりかと思いきや計算も意外と多いのが特徴です。
プロジェクトマネジメントの特徴と傾向
あるプロジェクトに関してリスク管理だったりスケジュール管理だったりを問われます。
文章量が多く、国語の問題かと思いきや意外と知識を問われ、文章中からそのまま抜き出せば解けることが少ないです。
プロジェクトマネジメントの対策と向いてる方
ある程度の前提知識が必要なので参考書を読みこみ頭に叩き込んでいきましょう。
プロジェクトマネージャの経験がある方や普段からスケジュール管理、リスク管理が得意な方だと意外と試験にも活かせます。



ITサービスマネジメント
難易度:★★☆☆☆
ITサービスマネジメントはサービス品質や顧客管理と言ったサービスに関する出題が多いです。
ITサービスマネジメントの特徴と傾向
出題元はITILから出題されており、問題の範囲も内容も深く広いです。ITILはIT提供者に要求すべきサービス機能を整理したもので、2011年に最新版に改訂されました。ITILについて詳しく知りたい方はwikipediaをご覧ください。
ITサービスマネジメントの対策と向いてる方
対策としてはITILが目指すもの(環境変化への対応力向上・利用者の満足度向上・ビジネスのレジリエンス強化・サービスの費用対効果向上)を終着点として、それを達成するためにどうすればよいかを頭において学習することで何故そうすべきかが見えてきます。
普段から品質保証や顧客対応に関わっている方だと簡単に解けてしまったりします。



システム監査
難易度:★★★★★
最後は監査に関する問題です。監査は客観的な視点から物事を見られるかどうかを問われます。
システム監査の特徴と傾向
問題の特徴としてはある会社を監査するシチュエーションで、たいていその会社に何らかの不備がありそこを突いたり、改定案をだしたりする問題が多いです。
問題文も長いのですが、特別な知識がない分解答が選択肢や単語で答えるのではなく文章での解答になることが多いです。
その為、国語力の知識もかなり問われ、非常に難しい分野の問題ともいえます。
システム監査の対策と向いてる方
対策としてはセキュリティと似通うところがあり、客観的に見て「それってどうなの」と思える視点(つまり懐疑心)を持ちながら分を読むことに注力することです。
言い方は少し悪いのですが、あら捜しが得意な方は意外とすんなり解けてしまいます。
また、自分の文章で解答するのが得意な方にも向いているのではないでしょうか。



午後問題の選び方・対策
各問題の特徴を踏まえたうえで、オススメの分野に加え、自分に合った問題の選び方や見つけ方と言った対策方法もご紹介します。
おすすめの問題はこの5つ!
特段大きな理由がない場合、特に解いておくべき問題は次の5問になります。
5問選んでいるのは、セキュリティは必須なので除いており、1問多めに保険の意味で選んでおくのが良いと言った点が大きな理由ですです。
- ストラテジ(ラッキー回があるため)
- ネットワーク
- システムアーキテクチャ
- 情報システム開発
- ITサービスマネジメント
特にこれらはプログラミングや言語の知識がそこまで必要なく、計算対策さえしておけばしっかりと得点できることは間違いありません。
ストラテジに関しては財務諸表や法務関係が出るとどうしようもないですが、全くでなくて満点を狙えるラッキー回になることもあります。こちらも併せて対策しておきましょう。
取り敢えず過去問を一通り解く
上記で触れたのはあくまでプログラミング未経験の方向けです。
この分野を鵜呑みにはせず、まずはご自身で過去問を解いてみない事には得意苦手が分からないかと思います。
一通り過去3回分ほど全部の分野の問題を解いてみて得点率が良かったもの、悪かったものを分けてその中で本番でもなんとか戦えそうなものに絞って行きましょう。



おすすめの参考書は午後の重点対策になります。
こちらの問題集は過去問を分野ごとに分けているので今自分がどの分野の問題を解いているかが簡単に把握できます。
自分は理系だから文系科目はとらない、逆に文系科目だからマネジメント×2と監査、ストラテジしかとらないと言った選び方はドツボにはまります。
どの問題もある程度長文なので国語力は必須ですし、計算問題があってもせいぜい中学生~高校生レベルの数学が出来れば解けて今います。
それよりは自分に合う分野、簡単な分野を選んでいって受けたほうが合格がグッと近くなります。



独学が難しいと感じたら通信講座を
筆者自身、応用情報は一度落ちた経験があります。
理由としては独学でも行けるやろ!と高を括っていた点もあり、結果として合格に達することが出来ませんでした。
一方で2回目の受験ではあらかじめ通信講座を受講しており、午後を特に対策していたので無事合格に到達することが出来ました。
教えて下さる講師の方はプロの方々であり、どこで躓きやすいか、間違いやすいかも熟知されているのでどうしてもと言う方はオススメです。
特にSTUDYingの場合、受講料が非常に安く講座や問題集アプリのクオリティも非常に高いです。



STUDYingの応用情報講座については以下の記事で深く解説しているので興味がある方は参考にしてみてください。
また、それ以外の講座が気になる!と言う方は以下の記事も併せてご覧ください!
まとめ
今回は午後問題の選択に関して各分野の問題の傾向と問題の選び方に関する情報をお届けしました。
午後問題選びがそのまま合否に直結すると言っても過言ではないので、得意な分野を見つけてください!
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