情報処理技術者試験の難易度は?ランキング形式で紹介!

2020年12月9日

情報処理技術者試験はIPAが主催するIT系国家資格で、難易度や分野に合わせていくつも試験が用意されています。

2020年12月段階で13も用意されており、特に高度試験に分類されている資格は9つにも及びます。

ラク
ラク
それぞれの分野で専門を目指す形だな

将来的にどの分野で活躍したいかを含め受験する資格を選んでいくのが良いかと思います。

難易度ごとに見た情報処理技術者試験

書く

情報処理技術者試験はスキルレベル1~4まであると先述しましたが、さっそく、それぞれのスキルレベル毎の資格を見ていきましょう。

スキルレベル1

スキルレベル1に該当する資格はITパスポートのみになります。

ITパスポート

難易度(偏差値) 45
実施時期 随時

ITパスポートはIT系登竜門とも呼ばれる国家資格で、実施日が定められておらず年間通して受験できることと、範囲は広いものの業務に必要な内容をまんべんなく学ぶことができるといった特性から、老若男女問わず人気のある試験で、毎年10万人をも超える方が受験している資格になります。

IT企業での昇進条件に選ばれることはあまりない資格ですが、活躍できるフィールドとしてエンジニアはもちろん、会計や総務、管理者等多岐にわたることから人気を博しています。

真数変換やビット・バイトに関する問題など、多少の計算問題が含まれていますが決して難解な問題はなく、+-×÷の四則演算ができれば基本的に問題ないレベルと言えます。

興味を持った方は是非以下の記事をご参照ください。

また、ITパスポートの難易度についてもっと知りたい!と言う方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

スキルレベル2

スキルレベル2に該当する試験は情報セキュリティマネジメント試験と、基本情報技術者試験の2つになります。

情報セキュリティマネジメント試験

難易度(偏差値) 48
実施時期 上期・下期

情報セキュリティマネジメント試験は2016年から開始された比較的新しい試験で、情報セキュリティの運用や管理(マネジメント)に関する知識を学習できる試験です。

同難易度とされるスキルレベル2の基本情報と比較しても簡単で、どちらかと言うとITパスポートよりかなと思われる当試験ですが、国家資格である事及び、情報セキュリティと言った今企業や組織で最も求められているスキルや知識を学べることから求人者・求職者双方から人気が高まっている注目の資格です。

現時点では合格率等の関係から簡単とされていますが、合格率が高いのは比較的新しい資格にはよく見られる傾向であり、今後合格率が下がっていく可能性も十分に考えられます。

その為、余裕があるなら早い段階で合格してしまうのも一つの手ですね!

基本情報技術者試験

難易度(偏差値) 49
実施時期 上期・下期

多くの方が耳にしたことがある資格がこの基本情報技術者試験ではないでしょうか。

情報処理技術者試験の中でも最も有名で受験者数も毎年10数万人にのぼります。

理由として、多くの会社で昇進条件になっていることが挙げられ、会社によってはこの資格を取らない限り新卒扱い(=給料が上がらない)と言ったところもあるそうですね。

ラク
ラク
そりゃみんな躍起になって受験するわけだ

具体的な試験概要については以下の通りです。

合格率としては毎年20%前後で決して簡単な試験と言うわけではなく、その背景としてプログラミングが必須と言う理由が挙げられます。

プログラミングは人によって得意不得意がはっきり分かれ、苦手な人はかなりの時間を費やしてもなかなか得点につながらない可能性があります。

更に、令和2年度より午後試験の形式が一部変わり、午後試験のうち50点数がプログラミング関連の出題になりました。

一般的には基本情報は以前より易化した、と聞きますが、筆者の様にプログラミングに苦手意識がある場合、むしろ難化したと言っても過言ではありません。そのあたりの事は以下で述べています。

スキルレベル3

スキルレベル3に該当する資格は応用情報技術者試験のみになります。

応用情報技術者試験

難易度(偏差値) 65
実施時期 春期・秋期

スキルレベル3に該当する応用情報技術者試験はその名の通り、基本情報技術者試験の上位に位置する国家資格で、レベルとしてもいきなり偏差値65跳ね上がり、主に熟練者クラスのエンジニア・管理者を対象とした試験になります。

難易度が高くなる理由としては午後試験に記述問題が加わることが挙げられ、基本情報までで通用したマークシート特有の、適当に選べば当たる運要素や、知識さえ押さえて置けば合格できるといった試験テクニックが使いづらくなったことが考えられます。

また、設問1つ1つも長文になり、実際の組織で起こりえるシチュエーションを踏まえた上での出題になるので場合によっては経験の有無が問われることもあります。

合格率は20%前後と基本情報技術者試験とあまり変わらないように思えますが、この20%はあくまで、基本情報に合格した方のさらに20%と考えると非常にシビアな難易度だと言えるのではないでしょうか。

ただ、応用情報の場合、基本情報で必須だったプログラミングを避けられるといった特性もあるため、人によっては逆に基本情報より苦労しなかった、応用情報の方が簡単だったというパターンもあります。(筆者自身もそうでした。詳しくは「基本情報技術者試験を飛ばしていきなり応用情報技術者試験に挑戦するのはアリ?経験者が語る」をご覧ください。)

スキルレベル4

スキルレベル4は高度区分とも呼ばれ、さらに9つの資格に分類されます。

スキルレベル3までと異なり、情報処理安全確保支援士を除くすべての資格が年に1回しか受験できないことも相まって難易度を上げていると言えるでしょう。

ITストラテジスト試験

難易度(偏差値) 71
実施時期 春期

ITストラテジストは情報処理技術者試験の中でも最も難易度が高いとされており、その理由はITに関する知識やスキルだけでなく、ITを導入した後の経営戦略やマーケティングと言ったビジネスの根幹にかかわる知識を問われる点にあります。

もちろん、戦略について詳しくないと解けませんし、会計や経理に関するような財務指標を読み解くスキルも求められます。

どちらかと言うと中小企業診断士ともに通うところがある資格になり、将来的に企業のTOPを目指す方は保有しておくと大きな武器になると言えます。

システムアーキテクト試験

難易度(偏差値) 68
実施時期 春期

システムアーキテクトは情報システムの開発や設計に携わる方が取るべき資格で、情報システム開発部のリーダー層、マネジメント層におすすめの資格となります。

情報システムにかかわる事なので、OSやプログラミング能力に加え、現場のリーダーとしてのマネジメントスキルも問われます

マネジメントスキルを問うということからも分かる通り、この試験には論文試験が設けられており応用情報や情報処理安全確保支援士の記述問題よりもさらに踏み込んだ記述・論述能力が問われます。そのことからもこの資格の難易度の高さが分かるかなと思います。

プロジェクトマネージャ試験

難易度(偏差値) 69
実施時期 秋期

プロジェクトマネージャはITに関わるプロジェクトの人員や費用、納期に関する管理能力や意思決定能力、システム開発や設計におけるメンバー全員をまとめる役割を担うためのスキルを培っていきます。

マネジメント系の資格のため論述問題が設けられており、論理的な能力も必要とされています。

偏差値は69、合格率は15%前後と、他の資格と比較しても難しい部類と言えますね。

ネットワークスペシャリスト試験

難易度(偏差値) 67
実施時期 春期

ネットワークスペシャリストはネットワーク環境の構築や運用を行うネットワークエンジニア向けの国家資格です。

特に5GやIoT、VPNと言ったはやりの技術を取り扱っており、近年注目を浴びている資格です。

偏差値は67で高度区分の資格の中では低く、応用情報技術者試験の次のステップに受ける方もいらっしゃいますが、正直なところネットワークエンジニアの経験がないと試験に全く歯が立たないと言えます。

筆者自身も昔受験したことがありますが、比較的初学者にやさしいと言われる参考書を読んでいても専門用語が多く、外国語のテキストを読んでいるような錯覚に陥りました。

未経験で受かるとは決して言い難い資格なので、合格したい方は本格的に時間を確保したりスクールを考えた方が良いかと思います。

データベーススペシャリスト試験

難易度(偏差値) 67
実施時期 秋期

データベーススペシャリストはデータベースの設計から開発・運用まであらゆる範囲を学ぶことが可能で、特にAIと絡んで出てくるビッグデータにもかかわる部分なので今後需要が高まる資格と言えます。

SQLやリレーショナルデータベースに関する知識が良く問われ、コードを書いたり読解したりと言った問題も多いため仕事でこれらを使っているかどうかも合格難易度に大きくかかわるところです。

余談ですが、特に合格したからと言ってガッキーと結婚できるわけではありません。

カズ
カズ
逃げ恥!

エンベデッドシステムスペシャリスト試験

難易度(偏差値) 67
実施時期 秋期

エンベデッドスペシャリストは組込みシステムやIoT等、製品の機能を実現させるための機能について学習します。

どのような順番で処理を行うことでしっかり動作するかと言ったアルゴリズム的な考えを良く問われ、今後IoTが進出していく社会ではよりいっそう需要が高まると言えます。

ITサービスマネージャ試験

難易度(偏差値) 68
実施時期 春期

ITサービスマネージャ試験は、顧客ニーズを踏まえ、安全性と信頼性の高いITサービスを提供し、IT投資効果を最大化できるマネージャを目指す方に最適な資格です。

システムの計画や運用評価、改善を行ったり、サービス運用チームのリーダとして、安全性と信頼性の高いサービスを顧客に提供するためのスキルを求められます。

午後2の試験に論述試験が用意されているのでこちらも論理的思考や文章能力が問われますね。

システム監査技術者試験

難易度(偏差値) 70
実施時期 秋期

システム監査技術者試験は、情報システムにまつわるリスクの分析や点検、評価を行うことで、組織全体の目標達成に寄与し、利害関係者全体に対する説明責任を果たす監査人や情報システム責任者を目指す方に最適な資格です。

リスクを適切に対処するために関係者に分かりやすく客観的に説明する能力が問われ、特に午後2の論述試験で問われるため難易度は非常に高度と言えます。

情報処理安全確保支援士試験

難易度(偏差値) 67
実施時期 春期・秋期

情報処理安全確保支援士は旧:情報セキュリティスペシャリストとも呼ばれ、その名の通りセキュリティに関する技術やスキルを深く学ぶことが可能です。

IT系初の士業資格であり、合格後は毎年定期的に講習を受ける必要があり常に知識をアップデートできる点も魅力です。

名称独占資格のため資格の信頼性も高く、企業や顧客からも一目置かれる資格です。

偏差値は67で高度区分の中ではまだ低い部類で、応用情報技術者試験からのステップアップとされることも多い試験です。

ただ、合格率は20%前後で、受験者のうちのほとんどが難関とされる応用情報技術者試験を所持していることを考えると決して簡単とは言えないことが分かります。

難易度については以下の記事で深堀して紹介しています。

スポンサーリンク

高難易度の情報処理技術者試験を取ることのメリット

メリット

特に高度区分の情報処理技術者試験は難易度こそ高い物の、資格を得ることで多くのメリットが得られます。

筆者自身も支援士試験のおかげで人生にとってプラスになったことがあったので少し紹介させて頂こうと思います。

常に最新の情報をインプットできる

特にIT業界では技術の流行り廃れも早く、場合によっては得た知識や技術が陳腐化してしまう可能性もあります。

特にさまざまな理由でブランクが空いている場合、以前のスキルや技術が通用せず仕事についていけない、そもそも採用されないといったリスクがありますが、直近で資格を取得していることにより仕事に対応できたりアピールの要素になったりします。

転職市場価値が上がる

資格が難しくて専門的であればその分転職市場は上がります。

例えば筆者も資格のおかげで一部上場企業のSE部門に採用されましたが、面接の際にも資格について細かく聞かれたことからプラスに働いたと確信しています。

また、資格をアピールして就活する場合はあわせて転職サイトにも登録していました。

無料で登録できるうえに、各資格を登録してくることで非公開オファーや資格以外にも必要とされているスキル等を知れるのであらかじめ登録しておくこともおすすめです!特に以下の3つのサイトは有名どころでおすすめです。

Doda

種類 転職サイト・転職エージェント
案件数 公開7万件
利用者層 20~40代
案件傾向 営業・エンジニア

公開されている取り扱い案件数は6~7万程とされていますが、非公開案件が非常に多く魅力的なのがDodaです。

取扱い職種も多く、求人の幅も非常に広いので必ずご自身の持つスキルや資格とマッチする求人が見つかると断言します!

筆者自身もお世話になったことがありますが、エージェントの方がスキルや経歴を加味してオススメの案件をいくつもメールで送ってくれるため、マッチングしやすく求職に割くリソースも最小限で済みます。

ミイダス

種類 転職サイト
案件数 5万件
利用者層 20~60代
案件傾向 営業・事務・エンジニア

ミイダスは自分の職歴や業務内容、勤めていた会社の規模などを入力していくことで条件に合う会社と年収を絞ってくれる転職サイトです。

資格はもちろんのこと、専門的な知識やニッチな経験も評価されるため思わぬ求人が見つかる可能性も高いです。

カズ
カズ
大まかな年収とかもその場でわかるからキャリアアップ・年収アップの求人探しにオススメ!

ネオキャリア

種類 転職エージェント
案件 5,000件
利用者層 20代
案件傾向 事務・営業

一人当たりのサポート時間が10時間越えと手厚く、ブラック企業を徹底排除の優良案件に絞った案件ばかりで安心できるのはこのネオキャリアになります。

万が一不採用だった場合はその原因もしっかり教えてもらえるのですぐに改善することが可能でさらに対象者としては大卒だけでなく大学中退や高卒、中卒の方にもポイントを当てているので学歴で今まではじかれてしまった経験があっても安心です。

一部他の試験の免除につながる事も

中には一部、上位資格や他の難関資格の免除につながることもあります。

例えば応用情報技術者試験であれば中小企業診断士の情シスや高度区分の午前1試験の免除が可能となり、ITストラテジストだったら弁理士の一部免除ができる、と言った恩恵があります。

一つの高難易度資格を勉強するには相当時間がかかりますが、免除によって勉強時間や受験科目が減り、ぐっと負担が減ります。

筆者も中小企業診断士を受験する際に科目免除を受けられたので非常に助かりました。

情報処理技術者試験まとめ

今回はIPA主催の国家資格、情報処理技術者試験について難易度別に紹介させていただきました。

将来的に役に立つ資格ばかりで、将来何になりたいかを念頭に置きつつ資格を選ぶことで、自身の自己実現に近づけるのではないでしょうか。

スポンサーリンク