[日商簿記3級]何に役立つ?3級に価値や意味はない?仕事を通して感じたメリットや必要性!

日商簿記3級は経理や会計の仕事に携わっている人なら誰でも知っている資格です。
もちろん、会計業務に携わることが少ない方でも耳にしたことは多いかと思います。
しかし中には以下のような意見もあります。


中には資格を全く評価しないと言う企業や、2級以上を条件とした求人もあるのでこの意見は100%否定できるものでもありません。
しかし日商簿記3級は、経理や会計の仕事以外でも役に立つ場面が多く、取得することによるメリットが大きいことも事実です。
この記事では、簿記3級のメリットや必要性を、経理や事業主をした経験からお伝えしていきます。
日商簿記3級を取得して得られるメリット
まずは、簿記3級を取得するメリットから紹介していきます。
お金の流れが分かる
簿記3級では主に、商業簿記と呼ばれる分野を学習します。
この商業簿記ですが、言ってしまえば物を仕入れて売る転売的な側面が多いです。
それらのやり取りを踏まえ、どのタイミングで収益や費用が発生しているのかを知ることができます。
そもそもビジネスというのは安く仕入れて高く売ることで成り立っているため、このようなものやお金の流れが分かる事は非常に大切です。
また、仕入れに対していくら上乗せすれば収益が発生するのかと言ったことや、日ごろ買っているものは原価はいくらくらいで、どれくらいの付加価値があるのかと言ったことがわかるようになります。
簿記の試験で出てくる数値や割合も実際の企業で扱われている数値に似通った値になっているので、この規模の企業だったらどれくらいのお金の動きがあるのかと言った感覚をつかめるようになります。

分析力が向上し、数字に強くなる
簿記は想像以上に数字がよく出てくるため、数字が好きな方とは非常に相性が良いです。
ただし、数字≠数学なので、その点は間違えてはいけません。
しっかりとした手順を踏んで計算された数値は何よりも説得力のある根拠となり、その根拠を元に分析・戦略計画を立てることでより正確な決定ができるようになります。
例えば個人で株や資産に投資をするとき、今までの数値から計算・分析し、どのような投資の方法をすればいいか、と言った考え方も簿記の知識があると有利になりそうです。
また、開発職や研究職の場合でも、会議の時や予算を組む際に経営者に向けて発言する場面で、損益計算書や貸借対照表を意識して話すことで分かりやすく、納得してもらいやすくなります。

3級で十分!転職に有利
資格は、その人が一定の実力がある事の証明であり、実力が無ければ取れません。
筆者はあまり好きな例えではありませんが、新卒の就活市場では未だに高学歴が好まれフィルターがあります。
転職の場ではこれに加え資格も加味されることが多く、実際に多くの企業で資格保有者に限定する求人があるのも事実です。
とはいえ「資格は有利って聞くけど本当?」と疑問に思う方も多いと思ったので、実際にどれくらいの求人数があるか筆者が登録しているエージェントを使って実際に調べてみました。
具体的な求人数や、どんな仕事に活かせるかを知りたい方は下記にまとめているのでご覧ください。

副業・独立に便利
例えば副業や独立している方でオークション売買をしたり、サイトから収益を得たりしている場合、簿記の知識があると多くの面で有利です。
というのも、会社以外での収益がある場合、確定申告と呼ばれる税金に関する手続きをする義務があります。
その際売上や費用に関して仕訳をしなければならず、簿記の知識が不可欠となってくるわけです。
また、何をどのように費用として計上できるかを知っているだけでも節税に繋がる(というより、無駄に払わなくて済む)ので、将来独立を考えている方、副業してみたい方は勉強しておくと有利です。
Career Hub様のサイトでも簿記の優位性についてまとめられているのであわせてご覧ください。
上位資格につながる
簿記3級には上位資格として2級や1級があり、さらに上には税理士や公認会計士と言った業務独占資格もあります。
これらの資格に挑戦するには、基礎となる簿記3級の知識は不可欠です。
さらに言えば基本情報技術者試験や応用情報技術者試験と言った情報系の資格のストラテジ分野、中小企業診断士やファイナンシャルプランナーと言った経営・金融の分野にも通ずる知識を得ることができます。
筆者は高度の情報処理技術者試験やFP3級も比較的短時間で取得できましたが、その理由として簿記3級で学んだ会計に関する礎があったからと言っても過言ではありません。
他の資格を取る際に簿記3級の知識はプラスに働くのは間違いないので、将来的に色んな資格を取って仕事に活かしたい場合はまず簿記3級から入るのも良いと思います。
日商簿記3級を取得するための対価
逆に簿記3級を取得するために犠牲にしなければいけないこともあると思います。筆者が思う犠牲(デメリット)は以下の3点だと思います。
お金がかかる
まずは資格取得の際にそれなりの費用が掛かります。
参考書と問題集を合わせると大体3,000円、試験費用が2,800円で最低でも約6,000円近くはかかります。
加えてスクールなどを受講した場合は1万円近くかかることもあるので、それなりにお財布に与えるダメージは大きいです。

時間がかかる
簿記3級の勉強時間は大体50時間と言われています。
その時間を資格勉強にあてるのか、友だちとのディナーにあてるのかはあなた次第です。
特に若い時間は特に貴重で、10代20代であれば遊びたい盛りだと思います。
今を大事にするのか、将来を大事にするのかをじっくり考えてから勉強を始めましょう。

絶対安泰ではない
資格を将来の保険代わりにと頑張って取得する方もいらっしゃいますが、簿記3級を取ったから必ず将来が約束されるかと言ったらそれは違います。
簿記も学歴もあくまで「有るなら無いより良いよね」といったもので、本人の頑張り次第でどうにでも覆せます。
逆に資格を取って「俺は資格保有者だから偉いんだぞ」とふんぞり返ってしまっては、逆効果です、
プライドだけ高くなってしまい、転職活動でもキャリアアップでも、独立においてさえもマイナスにしか働きません。
資格を取ったからと言って慢心せず、取ったからどう動くのか、何ができるようになったのか、どうアピールすればよいのかを常に考える必要があります。
日商簿記3級だけでは意味ない?価値がない?役に立たないのか
時折、日商簿記3級を取ったくらいでは意味がない、役に立たないといった声も聞きます。
そもそも資格自体、医師や弁護士といった独占業務でなければ意味もない、という声も聞きます。
確かに彼らの言う通り、考え方次第では意味を失くしてしまったり価値を見出せずに終わってしまうこともありますが、気の持ちよう+活かし方次第です。
せっかく取った資格を無意味なものにしないためにも、以下の点には注意し、心にとめて置いて欲しいと思います。
簿記3級だけでも十分に価値がある
先ほども少し触れましたが、簿記には上位に2級や1級、そして税理士や会計士といった難関資格もたくさん存在しています。
そんな中で基礎的な内容である簿記3級しか持っていなければ全然役に立たないのかと言われれば答えは「No」です。
簿記3級は基礎的と書きましたが、その基礎が非常に大事で基礎ができていない人も相当数見てきました。
具体的には個人事業をしているのに売上と収益の違いが分かっていない、経営者なのに財務諸表が読めない等です。
ビジネスにおいてこれらの言葉や知識は前提として知っていなければならず、誤った使い方をしてしまうと相手に誤解を与えたり混乱させてしまったりする危険性も孕んでいます。
基礎を馬鹿にするものは基礎に泣くことになるので、基礎固めや前提知識の補強といった意味でも決して無駄にはなりません。

仕事以外でも必要性を見出せる
簿記は言ってしまえばお金の流れを学ぶことができる資格です。
個人向けの資金関係の資格には別にファイナンシャルプランナーと呼ばれる資格もありますが、損益や資産の流れといった大まかな概要を把握できるのはどちらかというと簿記です。
簿記の知識があることで会社だけでなく個々の生活でもちょっとした知恵として人にアドバイスできる局面はある(例えば資産を購入したときの処理や株を買った時の処理など)ので、いくらでも必要性を見出そうとすれば見つけることができます。
最終的に資格を生かすのは保持者次第
結局、最終的に資格を活かすかどうかはその人次第という事になります。
例えば筆者の場合、簿記3級を取得してこのサイトを作り、月間10万人ほどの方に読んでもらえるくらいの規模まで成長させることができました。
同じように簿記3級を扱ったコンテンツを作っている方、簿記の知識を活かして仕事をしたり資産運用をしている方も大勢知っています。
このように、いくらでも活用することができてどのように活用するかは資格を取った人のアイディア次第です。
役に立たない、意味ないと諦めるのではなく、何に使えるかを試行錯誤してみるのが大事ですよ!

日商簿記3級のメリットまとめ
お金の動くところに簿記の考えは必須です。
たとえ理系でも文系でも、はたまたサラリーマンでも独立していても、お金と関与しない人生はないです。
今後何かしら仕事をする際、簿記は必須の知識となるので、3級くらい取っても損はありません。
勉強時間や参考書代などもそこまで必要ではなく、難易度も高くないのでかなりコスパのよい試験です!



簿記とFP、情報処理技術者試験を多数保有。現在は宅建士と診断士に挑戦中!
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません