固定資産の改良と修繕[日商簿記2級(商業)講座]
今回は日商簿記2級における固定資産の改良・修繕について学習します。
固定資産の改良と修繕
建物など長期的に使用するものの場合、使用している過程で他の機能が欲しくなったり破損してしまったりで改良・修繕が必要となるケースがあります。
この改良・修繕はそれぞれ似ていますが、
- 改良・・・固定資産の価値を高めるために不備な点を改めること
- 修繕・・・壊れたり悪くなったところを繕って直すこと
と、実は少し意味合いが異なります。
そして仕訳処理も変わるため、まずは例題を通して押さえていきましょう。
改良における仕訳処理
改良は建物で言えば構造を防火・防音加工にする、階層を増やすなど機能の追加に当たり、固定資産の価値を高めることです。
そして価値を高める支出の事を資本的支出と呼び、資本的支出は固定資産の取得原価に加算します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
建物 (資産の増加↑) |
10,000 | 当座預金 | 15,000 |
修繕における仕訳処理
修繕の破損した部分を直したり、汚れを落とすなど単に現状を維持・回復する支出を収益的支出と呼びます。
収益的支出は修繕費を用いて処理します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
建物 | 10,000 | 当座預金 | 15,000 |
修繕費 (費用の発生↑) |
5,000 |
固定資産の改良と修繕・例題
例題を解いて慣れていきましょう。
問題
金額は3桁ごとにカンマで桁区切りをして半角で入力すること(iOSの一部の環境以外は自動入力されます)。
(例:現金 500、商品 1,000,000)
また、仕訳が複数行に渡る場合、金額の多い物から順に書き、不要なところは空白のままにしておくこと。
使える勘定科目は以下のものとする。
勘定科目:[現金][当座預金][建物][修繕費]
問1
建物について定期修繕と改良を行い、代金500,000円を小切手を振り出して支払った。なお、そのうち350,000円は改良分(資本的支出)である。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
解答(クリックで展開)
固定資産の改良と修繕・まとめ
今回は固定資産の改良と修繕について学習しました。資本的支出か収益的支出かの判断は良く問われるので覚えておきましょう。
次回は固定資産の滅失について学んでいきます。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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