支配獲得日の連結・投資消去差額が発生する場合[日商簿記2級(商業)講座]
今回は日商簿記2級における支配獲得日の連結・投資消去差額が発生する場合について学習します。
支配獲得日の連結・投資消去差額
会社を子会社化するにあたって、株式と純資産に差額が生じる場合があります。
この差額を投資消去差額と呼び、のれんを用いて処理をしなければいけません。
例題を通して学習していきましょう。
この時の連結修正仕訳を示し、連結貸借対照表を作成しなさい。
投資消去差額の場合の処理
今回のケースでは、ひまわり商事㈱の所有するいちご商事㈱株式(I社株式)が3,900円なので、連結修正仕訳に貸借差額が生じます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
資本金 | 4,500 | I社株式 | 3,900 |
利益剰余金 | 1,500 | 非支配株主持分 | 2,400 |
この差額300円は親会社の投資(I社株式)の金額と子会社の資本(純資産)のうち親会社に帰属する部分の金額が異なるために生じています。
これが投資消去差額で、差額をのれんを用いて処理します。
したがって、今回の問題での連結修正仕訳と貸借対照表は以下のようになります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
資本金 | 4,500 | I社株式 | 3,900 |
利益剰余金 | 1,500 | 非支配株主持分 | 2,400 |
のれん | 300 |
支配獲得日の連結・投資消去差額・例題
例題を解いて慣れていきましょう。
問題
P社は当期末(×4年3月31日)にS社の発行済み株式の60%を21,000円で取得し、子会社とした。
次の[資料]にもとづき、支配獲得日の連結貸借対照表の作成に必要な連結修正仕訳をしなさい。
金額は3桁ごとにカンマで桁区切りをして半角で入力すること(iOSの一部の環境以外は自動入力されます)。
(例:現金 500、商品 1,000,000)
また、仕訳が複数行に渡る場合、金額の多い物から順に書き、不要なところは空白のままにしておくこと。
使える勘定科目は以下のものとする。
勘定科目:[S社株式][資本金][利益剰余金][非支配株主持分][のれん] [資料]P社とS社の貸借対照表
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
解答(クリックで展開)
支配獲得日の連結・投資消去差額・まとめ
今回は支配獲得日の連結・投資消去差額について学習しました。投資消去差額はのれんを用いることを押さえておきましょう。
次回は支配獲得後1年目の連結・開始仕訳について学習します。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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