マルウェア対策(入口対策・内部対策・出口対策)【情報処理安全確保支援士講座】

情報処理安全確保支援士 マルウェア対策

今回は、情報処理安全確保支援士の試験で問われるマルウェアの対策について解説します。

アカリ
アカリ
マルウェアってよく聞くけど、どうやって対策するの?
トモル
トモル
ウイルス対策ソフトだけだと足りなさそうだよね

この記事のまとめ

  1. マルウェアの概要
  2. マルウェアの種類
  3. マルウェアの対策

マルウェアの概要

情報処理安全確保支援士 マルウェア対策

マルウェア(malware)は、コンピュータウイルス・トロイの木馬・ワームなど、コンピュータ利用者の意図に反する不正なふるまいをするように作られたプログラムやスクリプトの総称です。

コンピュータウイルスはマルウェアの一つですが、トロイの木馬やワームとは別物です。

マルウェアの種類

マルウェアには、大きく分けて下記のような種類があります。

マルウェアの種類
  • コンピュータウイルス
  • ワーム
  • トロイの木馬
  • モバイルコード
  • スパイウェア
  • ボット
  • ランサムウェア
  • ドロッパ
キュー
キュー
マルウェアには該当しないものの、ユーザに好ましくないものをPUA(Potentially Unwanted Appkication)といって、アドウェアリモート管理ツール脆弱性検査ツールなどが挙げられるで

コンピュータウイルス

コンピュータウイルスは、自己伝染機能潜伏機能発病機能のうちいずれか一つ以上を持ち、意図的にデータの削除や改ざんなどを行うプログラムの総称です。

キュー
キュー
狭義には、WordやらExcelやらのプログラムに感染して動作するプログラムを指すで

ワーム

ワームもコンピュータウイルスの一種です。

ただし、何らかのプログラムを宿主とせず感染したコンピュータ上で自己増殖・破壊・改ざん・他コンピュータへの感染などを行うプログラムです。

マルウェアの対策

マルウェアの対策方法は大きく分けて3つあります。

マルウェアの対策
  • 入口対策
  • 内部対策
  • 出口対策

内部対策方法として、通信経路上で行うものと、PCなどのエンドポイントで対策するものがあります。

また、マルウェアの侵入や初期感染を防ぐ入口対策と、侵入したマルウェアが外部の指令サーバであるC&C(Command & Control)サーバに接続したり、情報を持ち出したりすることを防ぐ出口対策が必要です。

加えて、侵入したネットワーク内部で横展開し、感染拡大・情報収集を行うラテラルムーブメントへの対策も重要です。

キュー
キュー
入口・内部・出口と複数の領域に防御層を設けることを多層防御っていうで

入口対策の例

情報処理安全確保支援士 入口対策

入口対策の例
  • ファイアウォールにて許可されていない通信を遮断する
  • メール検査型アンチウイルスで不正なメールをブロックする
  • サンドボックス製品を用いてメールに添付された不正プログラムやマルウェアを検知する
キュー
キュー
最近のクラウド環境では、メール検査やサンドボックスが一緒になっているサービスも多いで

内部対策(経路)の例

情報処理安全確保支援士 内部対策(経路)

内部対策(経路)の例
  • 最小権限の原則を適用しアクセスを制限する
  • 認証機能を搭載したプロキシサーバで不正なアクセス遮断する
  • ログ監視・分析を行い不審な通信を早期発見する

内部対策(端末)の例

情報処理安全確保支援士 内部対策(端末)

内部対策(端末)の例
  • 端末のデータを暗号化しておく
  • EDR(Endpoint Detection & Response)を導入し対処する
  • 持ち出し制限やUSB制限などのデバイス管理を徹底する
トモル
トモル
EDRは午後(科目B)試験でも問われたことがあるよね~

出口対策の例

情報処理安全確保支援士 出口対策

出口対策の例
  • ファイアウォールやWAFで許可されていない外部への通信を遮断する
  • IPS(Intrusion Prevention System)/IDS(Intrusion Detection System)などで不審な通信を検知・遮断する
  • RBI(Remote Browser Isolation)でブラウザの実行環境をPCと分離し、情報流出を避ける
アカリ
アカリ
RBIは確か、ブラウザの機能をサーバで実行して結果だけをPCに送る技術だよね!
📝【出題履歴】平成27年度春期 午後Ⅱ問1 マルウェアの出口対策に関する出題

【問題文】

次は,E主任とFさんが,中継サーバを経由するアクセスを防止する対策について検討した際の会話である。

E主任:まず,当社のプロキシサーバと,マルウェアXの中継サーバを経由するアクセスについて検討しましょう。
Fさん:この中継サーバは,プロキシサーバのURLフィルタリング回避の手段として使われています。
E主任:そのとおりですね。他のマルウェアが利用する可能性も排除するために,この中継サーバを経由する全てのアクセスを遮断することはできますか。
Fさん:はい。③プロキシサーバのサーバ管理者登録ブラックリストに設定を追加することよって,遮断できます
E主任:今後,別の中継サーバを経由することも考えられます。プロキシサーバに設定を追加する業務手順を作成する必要がありますね。
Fさん:はい,分かりました。

【設問】

設問4
(2) 本文中の下線③について,追加する設定の内容を30字以内で具体的に述べよ。

出題:平成27年度春期 午後Ⅱ問1

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マルウェアの対策・例題

実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。

問1

ワームの侵入に関する記述のうち,適切なものはどれか。(H.22春/問9)

ア:公開サーバへのワームの侵入は,IDSでは検知できない。
イ:未知のワームの侵入は,パターンマッチング方式で検知できる。
ウ:ワームは,アプリケーションソフトの脆弱性を突いて侵入できる。
エ:ワームは,仮想OS環境内のゲストOSに侵入できない。

(ログイン後回答すると、ここに前回の正誤情報が表示されます)

問1の正解を表示

問1の解説を表示

ア:公開サーバへのワームの侵入は,IDSでは検知できない。
→IDSで検知できます。したがって誤りです。

イ:未知のワームの侵入は,パターンマッチング方式で検知できる。
→パターンマッチング方式は既知のウイルスのシグネチャと一致するものを検出します。未知のウイルスには対応できないので誤りです。

ウ:ワームは,アプリケーションソフトの脆弱性を突いて侵入できる。
→ワームはOS・電子メール・アプリケーションなどの脆弱性を突いて侵入します。したがって正解です。

エ:ワームは,仮想OS環境内のゲストOSに侵入できない。
→ワームは仮想環境でも侵入できます。したがって誤りです。

これより、「ウ」が正解です。

問2

マルウェア感染による情報漏えいリスクを低減するために,多層防御(入口対策・内部対策・出口対策)の考え方を適用する。
出口対策として最も適切なものはどれか。(オリジナル)

ア:電子メールに添付されたファイルをサンドボックス環境で動的解析し、マルウェアを検知する。
イ:端末上で不正なプロセスの振る舞いを監視し、マルウェアを検知・隔離する。
ウ:内部ネットワークから外部への通信を監視し、C2サーバなど不審な宛先への通信を遮断する。
エ:外部からの通信をファイアウォールで制御し、不要なポートへの接続を遮断する。

(ログイン後回答すると、ここに前回の正誤情報が表示されます)

問2の正解を表示

問2の解説を表示

多層防御の区分や代表的な対策は以下の通りです。

区分 目的 代表的な対策
入口対策 侵入させない FW・WAF・メールスパム対策・URLフィルタなど
内部対策 被害拡大を防ぐ EDR・IPS/IDS・振る舞い検知・権限管理など
出口対策 情報漏えい・外部通信を防ぐ 通信監視・C2遮断・DNS監視など

ア:電子メールに添付されたファイルをサンドボックス環境で動的解析し、マルウェアを検知する。
→入口対策の説明です。したがって誤りです。

イ:端末上で不正なプロセスの振る舞いを監視し、マルウェアを検知・隔離する。
→内部対策の説明です。したがって誤りです。

ウ:内部ネットワークから外部への通信を監視し、C2サーバなど不審な宛先への通信を遮断する。
→出口対策の説明です。したがって正解です。

エ:外部からの通信をファイアウォールで制御し、不要なポートへの接続を遮断する。
→入口対策の説明です。したがって誤りです。

これより「ウ」が正解です。

マルウェアの対策・まとめ

この記事のまとめ

  1. マルウェアの概要
  2. マルウェアの種類
  3. マルウェアの対策

今回はマルウェアの対策について学習しました。多層防御については午後(科目B)でも出題実績があるので、区分と具体例を合わせて覚えておきましょう。

次回はトロイの木馬について学習します。


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