基本情報技術者を文系が取る理由は?計算が苦手でも受かる勉強方法!

基本情報技術者はIT系国家資格のなかでもメジャーで、文理問わずおすすめします。

文系の方だと、上記のように考える方も多いです。確かにプログラミングやアルゴリズムなど、一見理系っぽい内容が多く出題されます。
しかし実際には、文系出身でも毎年多くの合格者が誕生しており、むしろストラテジ(経営)やマネジメント分野では文系が有利な場面も多いです。
この記事では、文系・IT未経験でも合格できる勉強法・戦略・おすすめ教材などを具体的に解説します。
本記事のまとめ!
- 基本情報は文系の方も安心して狙える資格!
- ストラテジやマネジメントでは文系が有利
- プログラミングの対策は徹底的に必要!
文系でも基本情報技術者を目指すべき3つの理由

基本情報技術者試験を受けるにあたって、「理系じゃないから難しい」と感じている方は多いかもしれません。しかし、基本情報技術者試験は文系でも十分に合格可能な国家資格です。
ここでは、文系出身者がこの資格を目指すべき3つの理由を紹介します。

就活・転職で「ITリテラシー証明」になる
文系の大学生にとって、基本情報技術者は就職の武器になる資格です。
IT業界志望はもちろん、一般企業でも「DX」「データ活用」などIT知識を求める傾向が強まっており、「ITの基礎を理解している学生」という印象を与えられます。
たとえば、営業職でも顧客管理システム(CRM)やデータ分析ツールを使う機会が増えてきました。基本情報を取得しておくことで、「IT用語が理解できる」「デジタルに強い」という評価を得やすくなります。

社会人にとっても、基本情報技術者はキャリアチェンジや異動のきっかけになります。「IT部門に異動したい」「社内SEやDX推進チームで活躍したい」という場合、基本情報技術者を持っているだけで、周囲から最低限の技術理解があると判断してもらえます。
ストラテジ・マネジメント分野は文系が得意
基本情報技術者試験は「テクノロジ」「マネジメント」「ストラテジ」の3分野で構成されています。
このうち後者2つに含まれる経営戦略・会計・法務(ストラテジ)や、プロジェクト管理(マネジメント)は、むしろ文系の得意分野です。
たとえば、大学で経営学や商学を学んだ方なら「SWOT分析」「ROI(投資利益率)」などの用語には馴染みがあるはずです。


これらは実際に基本情報試験でも頻出するテーマです。
また、法学部出身なら著作権法・個人情報保護法など法務問題も理解しやすく、経済学部なら財務指標・会計処理などの問題でアドバンテージがあります。
つまり、理系だから有利というわけではなく、文系にも得点源があるのです。「自分の得意領域を活かして合格を目指せる」点が、基本情報技術者試験の大きな魅力です。
理系知識ゼロでも学べる教材が豊富
昔は基本情報技術者に受かるなら「理系でないと勉強が大変」と言われていましたが、今は文系向け教材や学習環境が整っています。
たとえば、スマホで過去問を解ける「過去問道場」などの無料サイト、通信講座であればアプリで学習進捗を可視化できるツールも多数登場しています。
さらに、近年はCBT(Computer Based Testing)方式に移行したことで、試験日を自分で選べるようになり、短期集中で挑戦できる柔軟な試験制度になりました。
独学が不安な方には、文系未経験者向けに設計された通信講座も人気です。動画+テキスト+模擬試験が一体化しており、解説も平易で分かりやすいものが増えています。
つまり、今の時代は「理系だから取れる資格」ではなく、「誰でも学べる環境が整った国家資格」に進化しているのです。
文系がつまずきやすいポイントと対策
基本情報技術者試験は内容が幅広く、初学者にとってはとっつきにくく感じる部分もあります。
特に文系出身者が苦戦しやすいのは、プログラミング・アルゴリズム・専門用語の3分野です。ここでは、それぞれの壁を乗り越えるための具体的な対策を紹介します。
プログラミング問題の壁をどう乗り越えるか
文系の多くが最初に苦手意識を持つのがプログラミング問題です。
ただし、基本情報技術者試験では、C言語やPythonなどの擬似言語を読み解く問題が出題されるものの、「ソースコードを書ける必要はない」点を覚えておきましょう。
出題の多くは、「プログラムを読む力」=処理の流れを理解する力について問うものです。たとえば、for文やif文などの制御構文の意味を押さえるだけで、多くの問題は日本語の読解力で解けるようになります。
また、プログラミングの学習を始めるなら、まずはPythonの入門書や動画教材で「構文の読み方」をざっくり理解するのが効果的です。
ドットインストールやProgateなどの無料教材を活用すれば、数時間で基本文法をつかめます。
アルゴリズム・計算問題は出題パターンを覚える
2つ目の壁は、アルゴリズムや計算問題です。理系の領域だから無理と思いがちですが、実は出題傾向がはっきりしているため、パターン暗記で十分に対応可能です。
たとえば、並び替え(ソート)や探索(サーチ)、繰り返し計算などは毎年似たような形式で出題されます。
過去問を3〜5回分繰り返すだけでも、同じロジックに慣れ、出題意図が読めるようになります。
計算問題も、実際には四則演算と基本的な割合計算が中心です。難しそうに見えるだけで、解き方は単純なケースが大半なので、最初からあきらめずまずは着手してみましょう。
専門用語は関連づけ学習で克服
最後の壁は「専門用語の多さ」です。IT分野はカタカナ語や略語が多く、最初は暗号のように感じます。

しかし、専門用語は経営や実務と結びつけて覚えると、一気に理解が進みます。たとえばROI(投資利益率)やSWOT分析などは経営学でも頻出の概念です。
「IT業界の言葉」と思わず、「ビジネスを効率化するための道具」として捉えると頭に入りやすくなります。
また、情報セキュリティやネットワークの用語も、「ニュースや自分の仕事と関連づける」と定着率が大幅にアップします。
- ファイアウォール=会社の入館ゲートのようなもの
- データベース=Excelの自動整理版
- クラウド=システムのレンタルサービス

こうした比喩を活用することで、文系の方も専門用語を自分の言葉として理解できるようになります。
文系でIT未経験者におすすめの基本情報学習ステップ

基本情報技術者は文系の方にもおすすめとお伝えしたものの、「何から始めたらいいのか分からない」という文系出身者は多いと思います。
基本情報技術者試験は出題範囲が広く、いきなり独学で挑むと文理関係なく挫折しがちです。ここでは、未経験の文系でも最短で合格を目指せる3ステップの学習法を紹介します。
- STEP1まずはITパスポートで基礎をつかむ文系の方がいきなり基本情報を受けるより、まずITパスポート試験から始めるのが圧倒的に効率的です。
なぜなら、ITパスポートの出題範囲は基本情報と7〜8割が共通しており、「ITとは何か」「情報セキュリティ」「企業活動とITの関係」といった根本的な基礎知識を固められるからです。
また、ITパスポートは選択肢形式のみで計算問題がほとんどなく、文系の方もスムーズに取り組めます。合格後に基本情報技術者を学び始めると、「あの用語、iパスでやったな」と関連づけて理解でき、学習効率がアップします。
- STEP2科目Aは「過去問道場+参考書」で基礎固め基本情報の午前試験は、過去問対策がすべてです。
まずは「過去問道場」などの無料サイトで過去5年分を解いてみましょう。出題傾向をつかむことで、自分の得意・不得意が明確になります。
特に、マネジメント・ストラテジ分野で得点を稼ぎ、テクノロジ分野を徐々に補う形がおすすめです。
社会人で時間が限られている方は、「過去問 → 間違えた問題だけ参考書で補強」する時短学習法が効果的です。参考書は「キタミ式」「うかる!シリーズ」など、図解中心で直感的に理解できるものを選びましょう。
- STEP3科目B(旧・午後試験)は読解力重視で乗り切る
2023年度から、基本情報技術者試験の午後試験は「科目B」に一本化され、これまでのように「表計算」や「ソフトウェア設計」などの選択式問題は廃止されました。
その代わり、全受験者が共通でプログラミング読解問題(Pythonベース)に取り組む形式になっています。
一見「文系には厳しくなった」と感じるかもしれませんが、実際にはコードを書かせる問題ではなく、コードを読んで理解する問題です。
つまり、理系のようなプログラミング実装力よりも、国語的な読解力や論理的思考力が問われます。
たとえば、与えられた擬似コードを見て「この変数は何を表しているか」「最終的な出力はどうなるか」などを読み取る力が求められます。
読解力に注意して問題に取り組んでみましょう。
文系社会人・大学生それぞれの勉強スケジュール例

「文系だとどれくらい勉強すれば合格できるの?」といった疑問は非常に多いです。基本情報技術者試験は、文系の方でも3か月〜6か月の計画的な学習で十分に合格が狙える資格です。
ここでは、大学生と社会人、それぞれの生活スタイルに合ったスケジュールモデルを紹介します。
大学生
大学生は比較的まとまった時間を確保しやすい一方で、授業・アルバイトとの両立、そしてモチベーション維持が課題になりがちです。
おすすめは、「1日2時間×3か月」モデルです。このペースで進めれば、無理なく科目A・科目Bのどちらにも対応できます。
| 期間 | 内容 | 目安時間 |
| 1か月目 | ITパスポート範囲の基礎固め(ストラテジ・マネジメント中心) | 40〜50時間 |
| 2か月目 | 科目Aの過去問演習(過去問道場+参考書) | 50〜60時間 |
| 3か月目 | 科目BのPython読解+模擬問題反復 | 40〜50時間 |
教材は「キタミ式」「うかる!基本情報」「過去問道場」+YouTube講座などを組み合わせるのがおすすめです。

社会人
社会人は学習時間の確保が最大の壁です。しかし、1日1時間+週末3時間を確保できれば、3か月で十分合格ラインに到達可能です。
| 曜日 | 学習内容 | 時間 |
| 平日(月~金) | 通勤・昼休みに午前問題の過去問を解く | 各1時間 |
| 土曜 | 科目B(プログラミング読解)の演習・動画学習 | 2〜3時間 |
| 日曜 | 苦手分野の復習+模擬試験 | 2〜3時間 |
「過去問道場」をスマホで解く、ながら学習が特に有効です。
また、通信講座やアプリを併用すれば、通勤中やスキマ時間に学べるため、モチベーション維持にもつながります。
おすすめの教材は下記の通りです。
- スタディング:短時間学習に特化、動画+確認テスト構成
- Udemy:Python読解やアルゴリズムの基礎が動画で学べる
短期間で受かる方の共通点
短期間で合格する人には、いくつかの共通点があります。それは、インプット過多にならず、アウトプット中心の学習を徹底していることです。
テキストを読んで満足するのではなく、過去問や模擬問題を解き、「なぜ間違えたのか」の分析を繰り返します。
この反復練習と理解確認のサイクルが、最短合格の鍵です。また、短期合格者に共通するもう一つの特徴が、毎日必ず試験に触れていることです。
それでも不安な人は「応用情報」から始めるのもアリ?
「基本情報は難しそう」「プログラミングが苦手」と感じる文系の方は、あえて応用情報技術者試験(AP)から挑戦するのも一つの選択肢です。

応用情報は確かに難易度が高いです。しかし、出題内容の多くが理論・設計・マネジメント・ストラテジ寄りで、文系が得意とする思考型問題が中心です。
さらに、基本情報で求められる細かな計算やプログラミング構文よりも、文章理解力・論理構成力が問われます。
「ITの全体像を理解したい」「将来的に上位資格を目指したい」という方にとって、応用情報からのスタートは十分現実的。通信講座や過去問を活用すれば、文系でも十分に合格可能です。

文系の方も着実に合格をつかめる
本記事のまとめ!
- 基本情報は文系の方も安心して狙える資格!
- ストラテジやマネジメントでは文系が有利
- プログラミングの対策は徹底的に必要!
基本情報技術者試験は、理系だけの資格試験ではありません。
文系の方も、読解力・論理的思考・継続力を活かせば十分に合格が狙えます。
得意分野を伸ばし、苦手を最小限に抑える戦略的学習で、ITの基礎力を獲得しましょう。








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