AI(機械学習・生成AI)【ITパスポート講座】

2025年7月28日

ITパスポート AI

この記事で学ぶこと

  1. AIの概要
  2. 機械学習とは
  3. AI活用時の注意点

今回はITパスポートで問われるAIについて学習します。

くろん
くろん
ひとりじゃ~な~い~から~♪
モナ
モナ
とんだAI違いニャ!

今話題のAIも、ITパスポートで出題される可能性は高まっています。今回はAIについて学習しましょう。

AI(Artificial Intelligence)

ITパスポート AI


AI(Artificial Intelligence)は人工知能とも訳されます。AIは近年生成AIなどでブームですが、実は1950年代から研究がすすめられ、何度も冬の時代を経験しました。

近年AIが発達した理由として、ToTにより大量のデータが利用可能になったことや、コンピュータの進化によりそのデータを高速に処理できるようになったことが挙げられます。

機械学習とディープラーニング

機械学習は、AIが自身で特徴を見つけ出して学習する仕組みです。大量のデータを処理しながら特徴を抽出し、「分け方」を学習します。

分け方は人間の脳の仕組み(ニューロン間の相互接続)から着想を得ており、脳機能の特徴をコンピュータ上で実現しています。

キュー
キュー
脳機能をコンピュータ上に表したモデルをニューラルネットワークと呼ぶで!

機械学習は以下の3つに分類できます。

ITパスポート 機械学習

機械学習の種類 内容
教師あり学習 「りんご」「みかん」などのラベル付きのデータセットを用いて学習させる。スパムメールの分類・画像認識・需要予測などに用いる。
教師なし学習 ラベルのないデータセットを用いて学習させる。顧客のグループ化(クラスタリング)・次元削減・異常検知などに用いる。
強化学習 エージェントが環境と相互作用し、報酬を最大化するように学習させる。ゲームのプレイング・ロボットの制御・最適化問題などに用いる。

ディープラーニングは、十分なデータ量があればコンピュータが自動でデータから特徴を抽出してくれます。大量のデータを一括で処理できるコンピュータならではの技術です。

機械学習の関連用語
  • 事前学習:非常に大規模なデータセットを用いて、ディープラーニングのモデルを学習させること。
  • ファインチューニング:事前学習によって学習したモデルとを特定領域に特化するよう調整する手段。
  • 転移学習:ある領域の事前学習済みのモデルを、別の領域に転用すること。例えば、「りんごを分類する事前学習済みモデル」を「みかんを分類する事前学習済みモデル」に移行する。

AIの活用事例

AIの活用事例として、以下のようなものが挙げられます。

金融:フィンテック

金融業界では、IT技術を活用した金融サービスが多数提供されています。

モナ
モナ
金融を意味するFinanceと、技術を意味するTechnologyをあわせてファインテック(FinTech)と呼ぶニャ!

例えば、株式や社債への投資をAIにより分析し、株価の変動を予測したりどのように分散投資すれば利益を最大化できるか判断する方法が挙げられます。

他にも、本人の年齢や病歴から将来を予測し、保険の加入タイミングやおすすめの商品を提案する方法もあります。

モナ
モナ
フィンテックの応用事例として、仮想通貨も挙げられるニャ!
仮想通貨とは
仮想通貨は暗号資産とも呼ばれ、インターネット上で流通する電子通貨です。ブロックチェーンと呼ばれるセキュリティ技術で支えられ、改ざんや不正取引の防止も可能です。

医療

医療業界では画像データから異常を探り、病気の早期発見に利用されています。

人間だからこそ起こる見落としのリスクも、コンピュータの活用で排除可能です。

マーケティング

マーケティングでは、カメラ映像から来場客の年齢や性別を推定し、傾向分析が可能となります。

また、Web集客においても顧客の行動分析をし、適切なアプローチにつなげる取り組みが行われています。

クリエイティブ

クリエイティブ業界においても、AIが利用されています。例えば小説や記事もAIで生成可能となりました。

画像に関しても、プロンプト(命令文)を入力すれば命令文に基づいた出力が可能です。

くろん
くろん
AIを使えば生産性が高まりそうにゃ!

顧客対応・コミュニケーション

Webサイトや携帯端末にも、AIが活用されるケースが増えています。

ITパスポート チャットボット

例えばWebサイトでは、適宜ユーザの問い合わせ忍耐して答えを返すチャットボットが導入されています。チャットボットの導入により、カスタマーサポートやヘルプデスクの負担が軽減可能です。

スマートフォンでも、AIアシスタントの導入により、検索・各製品のON/OFFなどの手間を省いています。

生成AIとは

生成AIは、今特に注目されている人工知能です。プロンプトに応じて文章・画像・音楽・動画などを生成してくれます。

モナ
モナ
特にChatGPTは有名ニャ!

生成AIは、大規模言語モデル(Large Language Models:LLM)と呼ばれる、大量のデータセットとディープラーニング技術を用いた機械学習の自然言語処理モデルで構築されています。

AIの注意点

生成AIをはじめとする人工知能は非常に有用です。しかし、AIの過信には危険もあります。

具体的に注意すべき点も確認しておきましょう。

ディープフェイク

ディープフェイクは、ディープラーニングとフェイクを生み合わせた造語です。AIを悪用し、人物の動画や音声を人工的に合成する処理技術が該当します。

元々は映画をはじめとするエンターテインメントでの活用を目的に開発されました。

しかし、あまりにもリアルなことから著名人のなりすましによる政治的活動や、有名人を詐称した悪徳サービスへの勧誘広告動画などに悪用されるケースが散見されます。

ハルシネーション

ハルシネーション(幻覚)は、誤った情報をあたかも正しいかのように回答する事象です。

生成AIは膨大なデータから出現頻度を基に、もっともらしい文章を作っています。したがって、その情報が正しいかどうか、善悪かどうかを判断しているわけではありません。

生成された文章は非常に自然なため、生成された内容に詳しくなければ誤った情報の判断が難しくなります。

キュー
キュー
生成AIは使う側も専門的な知識を持っていたり、ファクトチェックしたりする必要があるで!

デジタルタトゥー

生成AIを利用するタイミングで、秘匿性の高い情報を入力してしまうと、入力内容が生成AIサービスを提供する会社や他のユーザに共有されるリスクがあります。

結果的に会社の機密情報が流出する可能性が考えられます。そして、インターネット上に流出した情報は、半永久的に残ります。

くろん
くろん
確か、デジタルタトゥーってやつにゃ!

著作権の侵害

生成AIは、既存のデータを参照するため、著作物と同一だったり類似したりするリスクがあります。

生成物により著作権侵害を起こしてしまうと、罪に問われるのは生成した本人です。

著作権侵害を避けるためにも、出力内容をそのまま転用しないように注意しましょう。

AIをうまく活用するために

AIはまだ新しい技術なので、整備されていない点も多いです。しかし、AIに関する研究開発や利活用は、今後さらに発展すると期待されています。

内閣府は2019年に「人間中心のAI社会原則」を発表しました。その中では以下のように定義されています。

7つのAI社会原則
  1. 人間中心の原則
  2. 教育・リテラシーの原則
  3. プライバシー確保の原則
  4. セキュリティ確保の原則
  5. 公正競争確保の原則
  6. 公平性、説明責任及び透明性の原則
  7. イノベーションの原則
関連用語 内容
エコーチェンバー SNS利用時に自分と似た興味・関心を持つユーザと交流することで、自分と似た意見が返ってくる状況。
フィルターバブル ユーザの好みを学習したアルゴリズムが、その人の好む情報ばかりを提供すること。

ITパスポート フィルターバブル

モナ
モナ
エコーチェンバーやフィルターバブルもAIの発展によるものだけど、結果的に自分と異なる意見に気づかなくなったり、意見が傾いたりするから注意が必要ニャ!
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AIの例題

実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。

問1

AIにおける機械学習の学習方法に関する次の記述中のa~cに入れる字句の適切な組合せはどれか。

教師あり学習は,正解を付けた学習データを入力することによって,[a]と呼ばれる手法で未知のデータを複数のクラスに分けたり,[b]と呼ばれる手法でデータの関係性を見つけたりすることができるようになる学習方法である。教師なし学習は,正解を付けない学習データを入力することによって,[c]と呼ばれる手法などで次第にデータを正しくグループ分けできるようになる学習方法である。(R.6/問65)

a b c
回帰 分類 クラスタリング
クラスタリング 分類 回帰
分類 回帰 クラスタリング
分類 クラスタリング 回帰




(ログイン後回答すると、ここに前回の正誤情報が表示されます)

問1の正解を表示
問1の解説を表示

機械学習は、教師あり学習・教師なし学習・強化学習の3つに分けられます。

教師あり学習

教師あり学習は訓練データとして、ラベル(正解)付きデータを使用する学習方法です。入力に対する正しい出力の例を与えることで、入力と出力の関係を学習させます。

教師なし学習

教師なし学習は訓練データとして、ラベルなしデータを使用する学習方法です。クラスタリングなどのためにデータ構造を学習させます。

強化学習

強化学習は、ラベルに代わり与えられた環境で個々の行動に対して得点や報酬を与える学習方法です。

一連の行動に対して評価値を与えることで高い得点を取る、最良の行動を自律的に学習させる目的で使用します。

aについて、未知のデータを複数のクラスに分ける手法は「分類」です。bについて、データの関係性を見つける手法は「回帰」です。文中のとおり、「分類」と「回帰」は教師あり学習に該当します。

cについて、正解を付けない学習データを入力し似ているデータ同士にグループ化する「クラスタリング」は教師なし学習に該当します。

したがって、ウが正解です。

問2

生成AIにおいて,もっともらしいが事実とは異なる内容が出力されることを表す用語として,最も適切なものはどれか。(R.7/問10)

ア:エコーチェンバー
イ:シンギュラリティ
ウ:ディープフェイク
エ:ハルシネーション

(ログイン後回答すると、ここに前回の正誤情報が表示されます)

問2の正解を表示
問2の解説を表示

ウェアラブルデバイスは、衣類のように身体に装着して持ち歩けるモバイルデバイスのことです。

ア:エコーチェンバー
⇒趣味・思考が近い者同士で集まることで、同意見のやり取りが繰り返され、特定の意見や思想が増幅していく様子です。

イ:シンギュラリティ
⇒人工知能(AI)が人間の能力を超える転換点のことで、技術的特異点とも呼ばれます。シンギュラリティに達したAIは、AI自身が自己学習により優れたAIに改善することを繰り返すとされ、極めて短時間で大きな技術変革がもたらすとされています。しかし、人間の予測や制御が及ばなくなるため危険性も指摘されています。

ウ:ディープフェイク
⇒ディープフェイクは、ディープラーニングによって学習した生成AIによって作られた、本物と区別のつかない偽の画像・動画・音声などのことです。適切に使用すれば、映画製作やAIによるテレビニュース読み上げなど大きな利便性をもたらす技術です。しかし、偽の画像・音声の生成によって情報操作・権利侵害・セキュリティ侵害のリスクなどの問題も起こり得ます。

エ:ハルシネーション
⇒生成AIがユーザーの問いかけに対し、あたかも真実であるかのように的外れな情報や事実とは異なる情報を回答する現象のことです。正解です。

AIのまとめ

今回はAIについて学習しました。

AIと聞くと難しそうですが、ITパスポートで技術的な内容を深堀して聞かれることはまずありません。

どのようなことができるか、何に気を付けるべきかを具体的に覚えておきましょう。

モナ
モナ
AIは便利だけど、過信は禁物ニャ!

次回はハードウェアの五大装置について学習します。


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