稼働率(バスタブ曲線・直列・並列)【ITパスポート講座】

2020年2月24日

ITパスポート 稼働率

今回はITパスポートにおけるシステムの稼働率に関する内容です。

くろん
くろん
PCが壊れてシステムが使えないにゃ!!
キュー
キュー
システムが使える確率は稼働率って言うんやけど、今回はそれを見て行こか

稼働率

ITパスポート 稼働率

機器が稼働している確率を稼働率で表せます。稼働率は接続形態によっても計算方法が異なるので、確認しておきましょう。

キュー
キュー
中学高校の理科で習った電気の直列つなぎ、並列つなぎみたいな感じやで

システムの故障とバスタブ曲線

私たちが使っているスマートフォンやPCをはじめ、サーバや各機器などのハードウェアは必ずいつか壊れます。工業製品における故障率は、時系列に沿って下記のようなグラフで表現できます。

ITパスポート バスタブ曲線

キュー
キュー
この図は見た目からバスタブ曲線って言われてるで

時間軸における故障の概要を確認しておきましょう。

故障 内容
初期故障 製造不良や設計ミス、部品のばらつきなどにより、使用開始直後に発生する故障。
偶発故障 外的要因や予測不能な突発的原因によって、一定確率でランダムに発生する故障。
摩耗故障 部品の劣化や疲労、消耗などにより、寿命末期に増加する故障。

直列

直列の場合、複数の機器がすべて稼働している必要があります。

例えば以下の例を見てみましょう。

ラクはこれからPCでFPS(ゲーム)を遊ぶ予定です。FPSで遊ぶには、PCが動作するだけでなく、ルータも動作し、インターネットにつなげることが前提です。

PCが故障せずに動く確率が99%、ルータが問題なく接続できる確率が90%の時、ラクが無事ゲームをできる可能性はどれくらいでしょうか。

ラク
ラク
最近特にルータの調子悪いからな~

例のように、複数の機器が全て稼働していることで全体が稼働するシステムを直列システムと呼びます。

ITパスポート 直列システム

この時の、システム全体の稼働率はPCが稼働している割合のうちで、さらにルータも稼働している割合になるためそれぞれの稼働率の積で表され、今回の場合以下のようになります。

\[パソコンの稼働率×ルータの稼働率\]

ここに実際に数字を入れると、\(0.99×0.9=0.891\)です。

並列

並列では一部の機器が稼働していればよく、全ての機器が動かないときだけoutとなります。

こちらも例を見ながら解説します。

カズは今からフライパンを使った料理をしようとしており、コンロが二つあります。

それぞれをコンロA、コンロBとし、料理をするにはこれらのうちどちらかが利用できることが前提となります。

コンロAが使用できる確率が90%、コンロBが使用できる確率が80%の時、カズが無事料理をできる確率はどれくらいでしょう。

このように、2つ以上の機器があって、少なくとも1つが稼働していれば全体が稼働するシステムを並列システムと言います。

カズ
カズ
頑張って作るよ!
キュー
キュー
料理道具がしっかりしていても腕がイマイチやかr(殴

ITパスポート 並列システム

この場合はコンロAとコンロBが両方同時に故障しない限り無事に料理ができます。

したがって、100%から、コンロAとコンロBが同時に故障する確率を引くことによって求められます。

\[稼働率\\=1-コンロAが故障する確率\\×コンロBが故障する確率\]

今回の場合、\(1-(1-0.9)×(1-0.8)=0.98\)となります。

MTBFとMTTR

システムには、稼働している時間と、故障したり修理に充てている時間(稼働していない時間)があります。

稼働している時間の平均をMTBF(Mean Time Between Failures)と呼び、1度修理してから次の故障までの平均時間を表します。

一方で1回の修理に要する時間(稼働していない時間)の平均をMTTR(Mean Time To Repair)と呼びます。

モナ
モナ
前者はFailures(故障)のBetween(間)、後者は修理時間(Time To Repair)のところに注目して覚えるニャ

稼働率は全ての時間(MTBF+MTTR)のうち、稼働している時間(MTBF)の割合なので以下の式で求められます。

\[\frac{MTBF}{MTBF+MTTR}\]

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稼働率の例題

実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。

問1

三つの装置A,B,Cの稼働率はそれぞれ0.90,0.95,0.95である。これらを組み合わた図のシステムのうち,最も稼働率が高いものはどれか。ここで,並列に接続されている部分はどちらかの装置が稼働していればよく,直列に接続されている部分はすべての装置が稼働していなければならない。(H.22秋/問64)




(ログイン後回答すると、ここに前回の正誤情報が表示されます)

問1の正解を表示
問1の解説を表示

それぞれの稼働率(A=0.90、B=0.95、C=0.95)を公式に当てはめて全体の稼働率を見てみましょう。

ア:\(0.90×0.95=0.855\)

イ:\(0.90×0.95×0.95≒0.812\)

ウ:\(0.90×エ≒0.898\)

エ:\(1-(1-0.95)(1-0.95)=0.9975\)

これより、「エ」が正解となります。

問2

あるシステムは5,000時間の運用において,故障回数は20回,合計故障時間は2,000時間であった。おおよそのMTBF,MTTR,稼働率の組合せのうち,適切なものはどれか。(H.21春/問61)

MTBF MTTR 稼働率
100 150 40
100 150 60
150 100 40
150 100 60




(ログイン後回答すると、ここに前回の正誤情報が表示されます)

問2の正解を表示

問2の解説を表示
MTBF MTTR 稼働率
100 150 40
100 150 60
150 100 40
150 100 60

システム稼働率の問題で、MTBFがシステムが修理され正常に稼働してから次回故障するまでの平均時間、MTTRがシステムの修理に要した平均時間でした。

先にMTTRから求めると、故障時間の合計が2,000時間、20回故障しているので、1回の故障にかかる時間は\(2,000÷20=100\)より、100時間となります。

次にMTBFは5,000時間から故障時間の2,000時間を差し引いた3,000時間の為、\(3,000÷20=150\)より、150時間となります。

稼働率は\(\frac{MTBF}{MTBF+MTTR}\)で表せたので、ここに数値を代入し、\(\frac{150}{150+100}=60\)より、60%となります。

したがって「エ」が正解です。

問3

信頼性工学において用いられるバスタブ曲線のY軸の指標はどれか。(H.20秋/問16)

ア:故障率
イ:信頼度
ウ:平均故障時間
エ:平均修理時間

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問3の正解を表示

問3の解説を表示

バスタブ曲線は、故障率曲線とも呼ばれる曲線で、機械や装置の時間経過に伴う故障率の変化を表しています。

初期故障期間は設計ミスや初期不良により故障率が高くなり、その後は偶発故障期間として故障率が低くなります。

摩耗故障期間は経年劣化による製品の寿命を表しており故障率は高くなります。

縦軸(Y軸)は故障率、横軸(X軸)は時間をとってグラフにすると、曲線がバスタブ(浴槽)のように見えるためバスタブ曲線と呼ばれています。

したがって「ア」が正解です。

稼働率のまとめ

今回は稼働率について学習しました。

計算問題も多く頻繁に問われるところなので人によっては難しいと感じるポイントかと思います。しかし、しっかりと何問か解けばパターンも掴めてくるので、くじけずに頑張りましょう。

カズ
カズ
計算問題は出題範囲が限られているから、しっかりと対策して得点源にしよう!

次回は冗長化やトラブル発生時の対応に関して学習します。


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