IoT(エッジコンピューティング・ビッグデータ)【ITパスポート講座】

この記事で学ぶこと
- IoTの概要
- IoTデバイスの一例
- ビッグデータとは
今回はITパスポートで問われるIoTについて学習します。


IoTは近年、試験でも急増している分野です。試験の得点に直結するので、しっかりと確認しておきましょう。
IoT
IoTはモノのインターネットと訳されますが、ここでのモノが何かを確認しましょう。例えば家電であれば照明や掃除機、農業であれば土壌に設置するセンサなどありとあらゆるモノが該当します。
インターネットと家電がつながることで、住人が変えるタイミングで照明をつけたり、留守中に自動で掃除が可能です。農業においては土壌の乾燥具合や温度を感じ取って、自動で水巻を実施している農家もいます。
IoT関連技術
IoTにおいては、以下の3要素で構成されています。
IoTの構成要素 | 内容 |
IoTデバイス | 情報を測定し送信するデバイス。光・紫外線・熱・角度・圧力など外部からの刺激を検出するセンサを持っている。 |
IoTゲートウェイ | デバイスとサーバ間のデータを中継する。 |
サーバ | データを保有し、処理・分析を行う。結果はIoTデバイスにフィードバックする。 |
IoTの構成要素は、内容次第で多くの通信が発生します。なるべく消費電力を抑えて遠距離通信を実現する方法として、LPWA(Low Power Wide Area)があります。

また、エッジコンピューティングはネットワーク上で利用者に近い場所に多数のサーバを配置し、負荷分散と通信の低遅延化を図る技術です。
IoTとビッグデータの関連性
IoTでは各IoTデバイスからサーバにデータが送られ蓄積します。この大量に蓄積されたデータをビッグデータと呼び、多くのデータから有意義な価値を引き出す研究をデータサイエンスと呼びます。
例えばテキストマイニングと呼ばれる技術を用いると、WebやSNS上に存在する大量のデータを拾い上げ商品需要や価格変動など、将来の予測に役立てることが可能です。
IoTの活用事例
IoTは既に私生活で利用されています。具体的な活用事例を確認しておきましょう。
家庭内
一般家庭でのIoT使用例として、HEMS(Home Energy Management System)が挙げられます。
HEMSは家庭でエネルギー管理に用いるシステムで、家電や電気設備とつないで電気・ガスなどの使用量を「見える化」したり、自動制御したりします。

交通網
交通網では、MaaS(Mobility as a Service)が注目を集めています。
MaaSは、バス・電車などの公共交通機関とタクシーなどの交通網を組み合わせた最適な移動手段を提案し、予約や運賃の支払いも一括化しようといった取り組みです。
自家用車を減らすことで、二酸化炭素の排出を削減しつつ交通渋滞を緩和する効果も期待されています。
関連用語 | 内容 |
コネクテッドカー | 常時インターネットに接続している車で、自動運転や運行管理を通じて交通事故低減や交通緩和を目指すもの |
自動運転レベル | 運転の主体や自動運転の技術到達度・走行可能エリアなどでレベル0~6まで分けられたもの |
生産現場
生産現場では、スマートファクトリーと呼ばれる製造管理システムと産業用ロボットや機器同士を、ネットワークで連携し、利益を最大化する取組が実施されています。
また、製造業をはじめとする産業においてはマシンビジョンと呼ばれる、自動検査・プロセス制御・ロボットガイドなどにIoTを用いる事例も見られます。
関連用語 | 内容 |
ロボティクス | 制御工学を中心に、センサ技術・機械機構学などを統合したロボットの設計・制作・運転に関する研究。 |
スマートグリッド | 電力の流れを供給側・需要側の両方から制御し、電子通信技術を利用して最適化できる送電網。 |
IoTデバイスの例
IoTに用いられる機器も確認しましょう。
ウェアラブルデバイス
最近では、スマートウォッチやスマートグラスなど、ウェアラブルデバイスが普及しています。
ウェアラブルデバイスを用いて運動時間や睡眠時間を計測しヘルスケアに役立てたり、AR(仮想現実)・VR(拡張現実)などの空間で没入感を味わったりが可能です。
関連用語 | 内容 |
AR(仮想現実) | ディスプレイの中に現実と異なる仮想空間を作り出す技術 |
VR(拡張現実) | 現実世界にリアルな情報を付け加える技術 |
MR(複合現実) | ARをさらに拡張し、現実にはないものでもその場と仮想の世界に重ね合わせて表現する技術 |
メタバース | インターネット上の3次元仮想空間 |
ドローン
ドローンは空飛ぶIoTとも呼ばれ、被災場所や高所など人の立ち入りが困難な場所に行けます。
さらにドローンはカメラや通信機器を搭載できるため、さまざまな現場の情報を収集して通信できます。

IoTのセキュリティ
IoTデバイスには情報が詰まっています。したがって、IoTの利活用はセキュリティリスクとの隣りあわせでもあります。
IoTデバイスは数が多く、ネットワーク通信も多発するため、情報の盗聴や不正操作のリスクも考えられます。
したがって、IoTを導入する前には経済産業省と総務省が示す、IoTセキュリティガイドラインの事前確認が必須です。
IoTの例題
実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。
問1
IoTに関する事例として,最も適切なものはどれか。(R.2秋/問10)
ア:インターネット上に自分のプロファイルを公開し,コミュニケーションの輸を広げる。
イ:インターネット上の店舗や通信販売のWebサイトにおいて,ある商品を検索すると,類似商品の広告が表示される。
ウ:学校などにおける授業や講義をあらかじめ録画し,インターネットで配信する。
エ:発電設備の運転状況をインターネット経由で遠隔監視し,発電設備の性能管理,不具合の予兆検知及び補修対応に役立てる。
(ログイン後回答すると、ここに前回の正誤情報が表示されます)
問2
ウェアラブルデバイスを用いている事例として,最も適切なものはどれか。(R.2秋/問14)
ア:PCやタブレット端末を利用して,ネットワーク経由で医師の診療を受ける。
イ:スマートウォッチで血圧や体温などの測定データを取得し,異常を早期に検知する。
ウ:複数の病院のカルテを電子化したデータをクラウドサーバで管理し,データの共有を行う。
エ:ベッドに人感センサーを設置し,一定期間センサーに反応がない場合に通知を行う。
(ログイン後回答すると、ここに前回の正誤情報が表示されます)
問3
仮想環境を用いた技術であるAR又はVRの活用事例のうち,VRの活用事例として,最も適切なものはどれか。(R.7春/問19)
ア:顔を覆うように頭部にゴーグルを装着し,そのゴーグル内に投影された仮想空間に広がる火災や地震の映像を見ながら避難方法をイメージすることによって,防災訓練が行える。
イ:家具をオンラインで購入するときに,スマートフォンのカメラを通して画面に映っている現実の自分の部屋に,購入したい家具をリアルタイムに重ねて試し置きできる。
ウ:史跡などにスマートフォンを向けることによって,昔あった建物の画像や説明情報が現実の風景と重なって画面に表示される。
エ:図鑑にスマートフォンをかざすことによって,図鑑の絵や写真に重なって生物の動画が見られる。
(ログイン後回答すると、ここに前回の正誤情報が表示されます)
IoTのまとめ
今回はIoTについて学習しました。
IoTに関する問題は令和以降頻出のため押さえておきましょう。

次回はAIについて学習します。

福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
職歴:経理4年/インフラ・アプリエンジニア9年(内4年は兼務)/ライター7年
保有資格:簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断士 など
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