[日商簿記3級]合格率は低い??158回はなぜ炎上した?過去50回の統計から見る今後の対策

日商簿記3級は年間30万人超が受験する人気資格で、合格率も高く、少なく見積もっても年間10万人以上は合格者が出ているとされていました。
しかし回によっては合格率が結構変動しており、

なんてこともあります。
今回の記事では合格率の変動を追いつつ、なぜここまで合格率が大きく変わるかに触れながら、たとえ合格率が低い回でも安定して点を取って合格できる対策法を紹介していこうと思います。

日商簿記3級の過去の合格率
まずは過去の合格率の変動を見て行きましょう。(参考)
回 | 受験者数 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
158 | 58,070名 | 49,313名 | 14,252名 | 28.9% |
157 | 70,748名 | 59,747名 | 40,129名 | 67.2% |
156 | 77,064名 | 64,655名 | 30,654名 | 47.4% |
155 | 中止 | |||
154 | 100,690名 | 76,896名 | 37,744名 | 49.1% |
153 | 99,820名 | 80,130名 | 34,519名 | 43.1% |
152 | 91,662名 | 72,435名 | 40,624名 | 56.1% |
151 | 104,357名 | 80,360名 | 44,302名 | 55.1% |
150 | 111,657名 | 88,774名 | 38,884名 | 43.8% |
149 | 101,173名 | 79,421名 | 35,189名 | 44.3% |
148 | 102,212名 | 78,243名 | 38,246名 | 48.9% |
147 | 113,559名 | 88,970名 | 35,868名 | 40.3% |
146 | 102,077名 | 80,227名 | 40,880名 | 50.9% |
145 | 105,356名 | 80,832名 | 38,289名 | 47.4% |
144 | 120,096名 | 94,411名 | 42,558名 | 45.1% |
143 | 106,558名 | 83,915名 | 28,705名 | 34.2% |
142 | 114,940名 | 89,012名 | 23,701名 | 26.6% |
141 | 107,928名 | 84,708名 | 22,094名 | 26.1% |
140 | 102,252名 | 79,467名 | 41,910名 | 52.7% |
139 | 102,450名 | 79,460名 | 42,990名 | 54.1% |
138 | 110,602名 | 86,659名 | 33,363名 | 38.5% |
137 | 101,574名 | 78,726名 | 37,824名 | 48.0% |
136 | 99,368名 | 75,049名 | 30,690名 | 40.9% |
135 | 119,736名 | 93,781名 | 45,045名 | 48.0% |
134 | 110,190名 | 85,585名 | 29,025名 | 33.9% |
133 | 109,473名 | 84,846名 | 33,513名 | 39.5% |
132 | 122,458名 | 95,847名 | 30,622名 | 31.9% |
131 | 107,370名 | 83,409名 | 34,294名 | 41.1% |
130 | 107,326名 | 80,887名 | 39,693名 | 49.1% |
129 | 135,400名 | 105,106名 | 52,326名 | 49.8% |
128 | 118,775名 | 93,091名 | 34,075名 | 36.6% |
127 | 119,975名 | 91,077名 | 27,970名 | 30.7% |
126 | 148,942名 | 117,180名 | 52,133名 | 44.5% |
125 | 144,480名 | 113,269名 | 31,592名 | 27.9% |
124 | 126,236名 | 95,092名 | 17,906名 | 18.8% |
123 | 140,245名 | 108,429名 | 53,728名 | 49.6% |
122 | 136,981名 | 107,000名 | 44,086名 | 41.2% |
121 | 122,283名 | 93,453名 | 52,779名 | 56.5% |
120 | 135,515名 | 103,333名 | 41,509名 | 40.2% |
119 | 118,477名 | 91,522名 | 26,985名 | 29.5% |
118 | 109,806名 | 83,112名 | 31,749名 | 38.2% |
117 | 123,253名 | 95,925名 | 29,940名 | 31.2% |
116 | 110,289名 | 85,872名 | 36,501名 | 42.5% |
115 | 98,237名 | 74,059名 | 26,083名 | 35.2% |
114 | 121,465名 | 93,890名 | 42,428名 | 45.2% |
113 | 102,086名 | 78,640名 | 27,529名 | 35.0% |
112 | 105,635名 | 80,570名 | 37,407名 | 46.4% |
111 | 115,391名 | 89,482名 | 19,574名 | 21.9% |
110 | 101,274名 | 79,825名 | 46,520名 | 58.3% |
109 | 92,676名 | 70,262名 | 22,355名 | 31.8% |
108 | 118,961名 | 94,581名 | 40,361名 | 42.7% |
107 | 99,529名 | 79,163名 | 10,820名 | 13.7% |
106 | 90,407名 | 72,277名 | 35,765名 | 49.5% |
105 | 111,952名 | 90,469名 | 37,025名 | 40.9% |
104 | 102,865名 | 84,309名 | 25,299名 | 30.0% |
103 | 90,269名 | 72,508名 | 20,183名 | 27.8% |
102 | 106,413名 | 85,612名 | 27,787名 | 32.5% |
101 | 95,522名 | 77,664名 | 41,916名 | 54.0% |
高いときは約50%、平均でも3~40%。しかし過去には10%台もあることも見て取れますね。
日商簿記3級の合格率の推移

このデータだけ見てみると近年でも4~50%を推移しており、特に合格率が低いといった事はあまり考えられません。
なぜ合格率にばらつきがあるのか
近年は安定しているようにも見えますが、低い時には107回の時の様に10%台の時もあり、なぜこのように合格率のばらつきが大きいのでしょうか。その理由としては主に以下の3つが考えられます。
絶対評価の為
第一に、簿記3級は各問題のどの箇所が何点と事前に決まっており、他の人のでき不できにかかわらず基準の70点を合格すれば良いとされる絶対評価により採点されています。
そのため問題が難しければ周りがどんなにできていなくても下駄をはかせる、なんてことはまず起きえません。
問題自体が簡単で全体の半分くらいが70点を取れるような場合にはおのずと合格率も50%近くなりますし、ほとんどの方が70点に到達できないような難易度の問題が出てきた場合の合格率は10%台まで下がってしまいます。

出題範囲が頻繁に変わるため
日商簿記3級の範囲は頻繁に変わることが有名で、2級や1級から論点が降りてくることや、クレジットや電子記録債権と言った近年新しく追加された論点が加わることもあります。
内容が増えれば単純に難易度も上がるため、それに伴って合格率が下がることも容易に想像がつきますね。
逆に最近では有価証券といった結構面倒な処理をする論点が2級の方に繰り上げになったので、そのおかげで難易度的に容易になったとの声もあります。
簿記3級の難易度に関する記事も別途挙げているので、興味がある方はそちらもあわせてご覧ください。
難易度自体に幅がある
出題範囲の改定云々にかかわらず、問1~5の問題で、特に問1は捻ってある問題が出されると解けず、配点も大きいので結果に響きやすいです。
過去問を解いていただければわかると思うのですが、この問1の時点で回によっては5問すべて落としてしまうような意地悪問題が出ることもあれば、逆にこんなんで良いの?と拍子抜けになるほどひねりの無い問題が出されることもあり、同じ試験とは思えないような局面もありました。
どれだけ対策をしていても取れないこともあり、この20点が取りやすいかどうかでも合格率はかなり変わってくることでしょう。
日商簿記3級の合格率が下がった原因
上記は簿記試験自体の特性(試験側)でしたが、受験者を見ているとなかなか合格できないといった方にもそれなりに理由があるように感じました。
筆者の周りでも何人か不合格になってしまった方がいらっしゃったので、そのあたりの要因も分析して書いていこうと思います。
簡単だと思って高を括っている
ネットで簿記3級の難易度をググってみると「1週間で合格できた」「20時間の勉強で余裕だった」といった声も結構見られ、それだけ見ているといかにも簡単な試験という印象を受けてしまいます。
特に勉強に得意意識がある方がこの罠に陥ってしまう傾向が高く、筆者の友人で学歴が高い方も自分が勉強できると油断した結果、試験1週間前に参考書を開いて理解できず真っ青になっていました。
大抵この「1週間で合格できた」「20時間の勉強で余裕だった」といった評価は自分が勉強できるアピールをして誇張している人か、もしくはもともと経理職をしていた、経済学出身だったなどのバックグラウンドがある人である場合がほとんどです。
因みに筆者の場合簿記3級を受けた段階で経理の経験が半年以上ありましたが、勉強期間は1ヵ月、時間にして50時間強ほど勉強しそれでも最後の週で過去問を回してなかなか合格点に達せず本番で奇跡的に合格できた具合なので油断できる試験ではありません。

勉強時間に関する記事も書いているのであわせてどうぞ♪
試験までに対策が間に合わなかった
先ほどの受験者、実受験者のデータを見ていただきたいのですが、この二つの違いとして、受験者はお金を支払って申し込んだ人の人数、一方で実受験者は受験会場まで来て実際に受験した人数を表しています。
この二つのデータ間に結構乖離があり、毎回1~2万人の方は申込だけで試験会場に来ていないことが分かります。
この理由として仕事の関係上無理だった、体調を崩してしまったといった理由も少しはありますが、大抵が試験範囲を勉強しきれず間に合わなかったといったもので、「受けてもどうせ受からないから諦めよう」といった理由で受験しない方が大半です。
その一方で、「試験範囲は網羅できていないけどもしかしたらワンチャンあるかも?」「せっかくお金払ったし記念受験するかな」といった方も意外と多く、そのようなパターンの場合なかなか合格できず結果的に合格率を引き下げることにつながります。

158回は合格率が半分に、なぜ炎上したのか
簿記3級の158回は一気に合格率が下がり、炎上しました。
具体的な意見をまとめてみると以下の通りです。
- 1円単位の仕訳が出て処理が煩雑だった
- 大問2が難しすぎて得点がほぼ0だった
- 時間が足りなくて解ききれなかった
- 計算用紙が使えない
と言ったものでした。
特にひどかったのが計算用紙で、せっかく用意されていたものの綴じこまれており、実質使えなかったとか。

さらには試験時間を2時間から1時間にしたことで問題を解ききれず、脱落した受験生も多かったようです。
日商簿記3級の合格率が低くても合格できる方法!
こういった合格率の変動が大きい場合、どういった対策を考えればいいのでしょうか。
まわりの合格率が低くても、しっかりと対策をすることで、合格できる人はしかるべくして合格していきます。
具体的には以下の五つに気を付けると良いです。
出題範囲が変わる前後は危ない
最近でも範囲は変わり続けている日商簿記3級ですが、直近で最も範囲が大きく変わったのが2016年の改定で
- 売買目的有価証券の評価替(時価法)が2級の範囲へ変更
- 伝票の集計(伝票から仕訳日計表の作成、伝票から試算表の作成)が新しく範囲になった
- 5伝票制が試験範囲外へ変更
- 為替手形が1級の範囲へ変更
- 未収金が未収入金へ変更
と級を跨いで改変されています。
その前後の試験の合格率をグラフで見てみましょう。
実際に141回や142回等、範囲改訂が行われたときはグラフでも目に見えて下がっているのが分かります。
急ぎでは無い場合、このように範囲改訂が行われる前後ではなく、告知された時点で受けてしまうか様子を見て落ち着いてから受けるようにした方が無難です。


継続して受験する
1回で合格できなかったとしても次受験してはいけないと言った制約はありません。
しっかりと実力はあったのにたまたま落ちてしまった、相性の悪い問題ばかり出てダメだった・・・という方はあきらめずに挑戦し続ければ必ず合格できます。
筆者の友人も3度目の挑戦でようやく合格できたので、折角勉強したなら無駄にならないように粘って行きましょう!

常に最新の教材を用意
これは当たり前の事ですが、教材に関しては常に最新のものを用意できるように心がけましょう。
数年前の物はまず使い物になりませんし、新しい論点やもう学ばなくて良い事まで学んでしまいロスが生じます。
テキスト情報や選び方は以下にまとめました。
正しい勉強法を理解する
特に資格の勉強に慣れていない場合、どのように勉強して良いかわからず延々とテキストを読んで100%理解しようとしたりただ問題をこなすことに目的が行ってしまい復習が疎かになってしまったりします。
簿記の場合解く問題の量を増やすことは非常に大切ですが、しっかりと理解しなぜそのような処理をすべきかを考えることが最も重要です。
また、それだけではなく試験日までにスケジュールを立てて自分なりのペースを作ることやモチベーションを維持させる試みも大事になってきます。
それらの手法は以下にまとめているので、勉強方法に自信がない、どのようにすればよいかわからない、といった方は是非読んでみてください。

無料サイトも活用しよう!
簿記3級はしっかりと対策すれば独学でも十分に合格できる資格です。
そのため、中にはテキストや通信講座をほとんど利用せず、最小限の費用で合格する方も良くいらっしゃいます。
筆者自身テキストベースで取得にかかった費用はテキスト費用+受験料だったのでかなり抑えられたと思っています。
中には更に費用を押さえたい!という方も多い事かなと思います。そんな方の希望にこたえ、当サイトでも無料で資格を取得できるコンテンツを作成しました。
市販のテキストの内容を網羅しているのはもちろんの事、各章の文末に確認問題を用意しており、正誤を記憶させることもできるので非常に便利な仕様となっています。
利用にはお金がかからないので、是非一度試していただければと思います。
最終手段としてスクールもアリ
何回受験しても合格できない、モチベーションが上がらない、短期間で合格しないといけない理由がある・・・そんな方にはスクールをおすすめします。
スクールというとお金がかかるイメージですが、最近では費用も抑えられており学校側としても受講者を囲い込むことに全力をかけているので分かりやすさやサポート、機能といった面にゼンリョクを注いでいて私たち受講者としても敷居が低くなりつつあります。
スクールのメリット
あらためてスクールのメリットです。
大きく分けて3つありますが、1つ目は学習までのスケジュールを調整してもらえる点で、大抵のスクールの場合、毎週毎に講義が行われそれに出席して知識をインプットしていけば試験日までにはある程度問題もこなせており、知識が定着しているので準備不足になってしまったという事態を避けられます。
先ほども述べた通り、合格率を下げる要因として対策が十分にできていなかったことが挙げられるのでそのような事態を回避する点でもおすすめです。
2つ目はモチベーションの維持が容易なことで、通学スタイルの学校であれば周りにも同じ試験を目指すライバルがいるのでおのずと勉強しないといけないといった気持ちにさせられます。通信講座の場合は困難ですが、最近の物では他の学習者の学習時間が表示されるなどして学習欲を惹起させようとする試みも増えてきています。
3つ目は客観的な理解ができる点で、例えば独学の場合だと独自の解釈をしてしまいそれが正しいかどうかわからないときがあります。
一方でスクールの場合、受験者の理解が曖昧になりやすい論点に関しては深堀して分かりやすく解説するため曖昧になることが少なく、万が一分からない場合は直接質問することでその場で問題を解決することができます。
おすすめはフォーサイト一択
いくつかスクールはありますが、その中でもおすすめのスクールはフォーサイト一択になります。
理由としてはクオリティの高いテキストに加え、いつでも手軽に利用できるe-learningアプリを備えていて効率的に勉強ができるためです。
それでいて受講料は1万円以下なのでコスパの面で最強と言えます。
講座の詳しい内容は以下の記事をご覧ください。
その他のスクール情報
もちろん、簿記3級を扱うスクールはこれだけにとどまらず他にもたくさんあります。
筆者の中でそれぞれの特徴をまとめた記事を用意したので、他も見てみたい!という方は是非ご覧ください。
日商簿記3級の合格率まとめ
今回は簿記3級の合格率に着眼点を当てて解説させていただきました。
舐めていると痛い目に合うのは確かですが、しっかり対策をすればまず落ちることは無いので油断せずに挑んで合格を手にしてください。


その他の有益情報も下にまとめます!

福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません