従業員立替金の処理[日商簿記3級講座]

2019年8月20日

日商簿記3級 従業員立替金の処理

今回は日商簿記3級従業員立替金について学習します。

チョロ
チョロ
従業員の支払いを立て替えることもあるんでチュか?
キュー
キュー
そりゃあれやな、保険料とか給与天引きのものが該当するな

従業員立替金

今回も立替金になりますが、従業員がらみの立替金フォーカスを当ててみていきます。

本来ならば従業員が支払うべきお金を会社が立て替えた場合、従業員立替金と呼ばれる勘定科目を記載します。

会社員の方で、「今まで出費を会社に立て替えて貰ったことないよ?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、給与明細表などを見ると色々と控除されており額面と手取りが同じことはまずないと思います。

その控除の中には本来自分たちで支払わなければいけない費用も含まれており、それを先に会社が払ってくれているのでそのあたりが従業員立替金に該当します。

また、従業員立替金も立替金同様、資産の勘定科目に分類されます。

従業員が支払うべきお金を会社が立て替えた場合

大抵の会社員が加入している生命保険を会社が立て替えた場合の処理を見てみます。

ひまわり商事は、従業員が負担すべき生命保険料5,000円を現金で立て替えた。

これまでの知識を用いると・・・

現金を支払ったので手元からは現金がなくなります。

借方 金額 貸方 金額
現金
(資産の減少↓)
5,000

従業員の支払いを立て替えた場合

本来従業員が支払うべきお金を会社が立て替えた場合は、後から従業員からそのお金を返してもらう権利が発生します。

そのため、従業員立替金と呼ばれる資産の科目で処理します。

モナ
モナ
単純に立替金で処理する場合もあるから、問題をしっかり読むニャ!
借方 金額 貸方 金額
従業員立替金
(資産の増加↑)
5,000 現金 5,000

従業員に立替金分を引いて給料を支払った場合

従業員に対して給料を支払う給料日が到来したとき、立替金があった場合はその額を引いて渡します。

従業員に支払う給料30,000円のうち、先に立て替えた5,000円を差し引いた残額を現金で支払った。

給料を支払った場合

従業員に給料を支払った場合は、費用の科目として給料を用いて処理します。

費用の発生なので借方に来ますね。

借方 金額 貸方 金額
給料
(費用の発生↑)
30,000

立替金分を差し引く場合

給料を支払う際、立替金がある場合はその分を減額し、差し引いた額を支払います。

今回のケースだと、給料30,000円から立替金5,000円を差し引くので残額25,000円を現金で支払います。

借方 金額 貸方 金額
給料 30,000 従業員立替金
(資産の減少↓)
5,000
現金
(資産の減少↓)
25,000
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従業員立替金・例題

実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。

問題

次の仕訳をせよ。

金額は3桁ごとにカンマで桁区切りをして半角で入力すること(iOSの一部の環境以外は自動入力されます)。

(例:現金 500、商品 1,000,000)

使える勘定科目は以下のものとする。

勘定科目:[現金][当座預金][従業員立替金][給料]

問1

従業員が負担すべき当月分の生命保険料10,000円を小切手を振り出して支払った。

借方 金額 貸方 金額

問2

当月末に生命保険料10,000円を従業員の給料(300,000円)から差し引き、残りを現金で支給した。

借方 金額 貸方 金額
現金

解説(クリックで展開)

従業員立替金・まとめ

今回は従業員に関する立替金の処理を見てきました。

経理や総務等、給料に直接携わる職に就かないとピンと来ないかもしれませんが、給与明細を見てみるとある程度概要はつかめるかなと思います。

カズ
カズ
給与明細とか見ると思った以上に引かれててびっくりするよね!

次回は預り金と呼ばれる科目について見ていきます。


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