[FP3級]法人契約の保険(ハーフタックスプラン)[無料講座・例題付き!]

2020年7月27日

今回はFP3級法人契約の保険について学習します。

チョロ
チョロ
うちの社員も万が一に備えて保険に加入させたいでチュけど、企業単位でもできるでチュ?
キュー
キュー
もちろんできるで

法人契約の保険

法人が契約者、従業員や役員が被保険者となる保険を法人契約の保険と呼びます。

特にきんざいの実技試験ではよく問われる分野になるのでしっかりと押さえておきましょう。

事業に必要な資金の準備

中小企業の場合は特に、経営者の個人的な信用で会社が成り立っていることも多く、経営者が死亡することで会社の信用が低下し経営悪化、倒産と言ったリスクが生じる可能性があります。

そのため、経営者の死亡によって経営が傾くことを防ぐためにも当面必要となる資金を準備する必要があります。

必要な資金は以下のような計算式で求めることができます。

事業必要資金=短期債務(短期借入金+買掛金+支払手形)+全従業員の1年分の給料

キュー
キュー
これくらい用意しておけばその間に立て直しができるやろって指標やな

法人が支払う保険料の経理処理

法人が支払った生命保険料は、保険の種類及び契約形態によって経理処理が変わってきます。

保険の種類 保険金の受取人
法人 被保険者またはその遺族
定期保険等
(貯蓄性のない商品)
原則として
損金算入
損金算入
養老保険・終身保険・年金保険等
(貯蓄性のある商品)
資産計上 損金算入
特約 特約の内容による
キュー
キュー
貯蓄性が無かったら損金、あったとしても自分たち法人が受け取れんなら損金やな

※経理処理は主に簿記3級辺りを勉強しておくことによって理解がスムーズになりますが、簿記3級だけでも学習範囲は広く1から理解するのは非効率です。そのためとりあえずは暗記で対応しておくのが良いでしょう。

チョロ
チョロ
簿記の勉強をしたかったら以下のページで無料でできるでチュ!

更にいくつかのパターンを見てみましょう

1/2養老保険(ハーフタックスプラン)

契約者が法人で被保険者が役員や従業員とする養老保険のうち、一定の要件を満たしたものについては支払い保険の2分の1を損金とすることができます。

これを1/2養老保険(ハーフタックスプラン)と言います。

例えば1/2養老保険の支払保険料が100万円の場合、以下のような仕訳になります。

借方 金額 貸方 金額
保険料積立金
(資産の増加↑)
50万円 現金・預金
(資産の減少↓)
100万円
福利厚生費
(損金)
50万円
キュー
キュー
役員や従業員が死亡しなかった場合、満期保険料が法人に入るから資産性があるけど、死亡した場合は法人には入らないから資産性が無いんや。だからどっちかわからんから半々で資産と損金に入れるんやな

保険料に多額の前払い保険料が含まれている場合

2019年7月8日以降の契約で、法人が、被保険者を役員や従業員とする保険期間が3年以上の定期保険で、かつ、最高解約返戻率が50%を超える保険料を支払った場合、当期分の支払保険料の額については以下の表の区分に応じて処理する必要があります。

資産計上期間の処理
最高解約返戻率 資産計上期間 資産計上期間の処理
50%超70%以下 保険期間の当初の4割相当期間 ・支払保険料の40%を資産計上
60%を損金算入
70%超85%以下 ・支払保険料の60%を資産計上
40%を損金算入
85%超 原則として保険期間開始日から最高解約返戻率となる期間の終了日まで 【保険期間開始日から10年間】
・支払保険料×最高解約返戻率×90%を資産計上
・残りは損金算入
【保管期間開始日から10年以降】
・支払保険料×最高解約返戻率×70%を資産計上
・残りは損金算入
取崩期間の処理
最高解約返戻率 取崩期間 取崩期間の処理
50%超70%以下 保険期間の7.5割相当期間経過後から保険期間終了日まで ・資産計上期間で資産計上した金額を取崩期間で均等に取り崩して損金算入
・取崩期間に支払った保険料は全額損金算入
70%超85%以下
85%超 解約返戻金相当額が最も高い金額となる期間経過後から保険期間終了日まで

また、資産計上期間及び取崩期間以外の期間は、支払保険料の全額を損金算入とします。

2019年7月7日以前の契約における長期標準定期保険の保険料なども引き続き従来の処理が適用されます。

法人が受け取った保険金などの経理処理

法人が保険金を受け取った場合は全額を雑収入として益金算入します。

また、法人税の課税対象となることも覚えておきましょう。

ただしその保険料が資産計上されている場合については、保険金から資産計上されている保険料を差し引くことも可能です。

例えば終身保険500万円を解約し、解約返戻金550万円を受け取った場合、以下のような処理を行います。

借方 金額 貸方 金額
現金・預金
(資産の増加↑)
550万円 保険料積立金
(資産の減少↓)
500万円
雑収入
(益金)
50万円
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法人契約の保険・例題

実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。

問題

問1

契約者(=保険料負担者)を法人、被保険者を役員および従業員全員、死亡保険金受取人を従業員の遺族、満期保険金受取人を法人とする養老保険に加入することにより、法人は、その支払った保険料の全額を福利厚生費として損金の額に算入することができる。(2018年/9月)


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解説(クリックで展開)

法人契約の保険・まとめ

今回は法人契約の保険について学習しました。

経理処理は簿記を知っていないとなかなか解けませんが出るポイントは限られています。もし仕訳処理を学習する余裕がない場合暗記してしまいましょう。

カズ
カズ
貸方(右)は資産が減ったときや益金算入するとき、借方(左)は資産が増えたときや損金算入するときに記入するよ!

次回からは損害保険について学習します。


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