ランサムウェア【情報処理安全確保支援士講座】

情報処理安全確保支援士 ランサムウェア

今回は、情報処理安全確保支援士の試験で問われるランサムウェアについて解説します。

アカリ
アカリ
ランサムウェアって会社のセキュリティ研修でもよく聞くよね!
トモル
トモル
IPAが発表する情報セキュリティ10大脅威でも毎年ほぼTOPだからね~

この記事のまとめ

  1. ランサムウェアの概要
  2. ランサムウェアの影響
  3. ランサムウェアの対策

ランサムウェア

情報処理安全確保支援士 ランサムウェア

ランサムウェアは、身代金(Ransom)+マルウェア(Malware)の造語で、感染したコンピュータのファイルやハードディスクを暗号化するプログラムです。

暗号化を解除するために身代金を要求し、支払わない場合暗号を解除しないだけでなく盗んだ情報をダークWebで公開するケースも増えています。

キュー
キュー
ダークWebは一般的な検索エンジンでは検索できない匿名性の高いサイトのことやで

また、ダークWeb上に公開した情報を削除するためにより高額な支払いを要求する二重脅迫型のランサムウェアも存在します。

身代金の支払いには秘匿性が高い電子通貨のビットコインを要求されるケースも目立ちます。

ランサムウェア攻撃の流れ

ランサムウェアによる感染から攻撃までの流れを確認しておきましょう。

ランサムウェア攻撃の流れ
  • STEP1
    脆弱性を利用して侵入
    まずは対象となるコンピュータやネットワークに所属する機器の脆弱性を攻撃して侵入します。ネットワーク機器としてはVPN機器、ソフトウェアとしてはリモートデスクトップサービスなどが挙げられます。標的型メール攻撃によってURLや添付ファイルを開かせて感染させるケースも目立ちます。
  • STEP2
    攻撃の準備
    感染後は攻撃に移ります。最近では攻撃前に情報を収集したり、ラテラルムーブメントによりAD(Active Directory)を操作し、自身をAD配下のコンピュータやサーバに拡散したりするケースもあります。
  • STEP3
    ファイルの暗号化
    感染したコンピュータやサーバのファイルを暗号化します。暗号化されたファイルは拡張子が”WNCRY”などに変更されるケースもあります。
  • STEP4
    暗号化の完了
    暗号化を完了するとデスクトップの背景やポップアップに脅迫文を表示させます。

ランサムウェアの影響

ランサムウェアに感染することで、下記のような影響が起こり得ます。

ランサムウェアの影響
  • 感染PCおよび感染PCが所属する共有ファイルサーバのファイルが暗号化され業務が停止する
  • バックアップファイルも感染PCからアクセス可能なら暗号化されてしまう
  • 組織の機密情報が流出する

ランサムウェアに感染すると、身代金を支払ってしまう企業も多いです。

また、ダークWeb上などでランサムウェアツールが商品として販売されており、誰でも簡単に攻撃できてしまうことから、ビジネスとして確立しており、攻撃が活発化しています。

キュー
キュー
ランサムウェアは身代金を支払っても必ずデータが戻ってくるとは限らんで

ランサムウェアの種類によってはセキュリティベンダーやセキュリティ関連機関から復元ツールや情報が提供されているケースもあります。

焦って支払うのではなく、まずは情報収集することも重要です。

ランサムウェアの対策

ランサムウェアもマルウェアの一種なので、基本的な対策はアンチウイルスソフトの導入などが挙げられます。加えて、下記の対策も有効です。

ランサムウェアの対策
  • PC本体に必要なファイルを残さない
  • 感染を確認したらすぐにネットワークから切り離し警察などに連絡する
  • PCやサーバのデータは定期的にバックアップする
キュー
キュー
バックアップは、3つとって2つ以上の媒体に分けて保存したうえで、1つはネットワークから切り離す3-2-1ルールを適応するとええで!
📝【出題履歴】平成29年度秋期 午後Ⅰ問1 ランサムウェアに関する出題

【問題文】

J氏:ランサムウェアXによって,③Dサーバ上のファイルが暗号化されたと考えられますが,Dサーバ自体が感染した形跡はありません。

【設問】

設問2
(3) 本文中の下線③について,感染していないDサーバもランサムウェアXによってファイルが暗号化された。その原因となる,営業用PCの設定とランサムウェアXの特徴を,それぞれ35字以内で述べよ。

(4) ランサムウェアXが起動した直後に感染を検知し,営業用PC05をネットワークから切り離していれば,今回の被害を一部防ぐことができたと考えられる。どのような被害を防ぐことができたか。25字以内で述べよ。

出題:平成29年度秋期 午後Ⅰ問1

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ランサムウェア・例題

実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。

ランサムウェアによる被害及びその対策に関する記述として,最も適切なものはどれか。(オリジナル)

ア:感染した端末のOSを再起動することで,暗号化されたファイルは自動的に復元される。
イ:ランサムウェアは自己増殖機能を持たないため,ネットワーク内で被害が拡大することはない。
ウ:定期的にオフライン環境へバックアップを取得しておくことで,身代金を支払わずに復旧できる可能性が高まる。
エ:感染を防止するためには,WebサーバにWAFを導入することが最も有効である。

(ログイン後回答すると、ここに前回の正誤情報が表示されます)

問の正解を表示

問の解説を表示

ランサムウェアは端末やサーバ内のファイルを暗号化し、復号と引き換えに身代金を要求するマルウェアです。感染後にOSを再起動しても暗号化は解除されず、被害は継続します。

また、ランサムウェアはメール添付ファイル・不正なWeb・脆弱なリモートアクセス機能などを起点として侵入し、内部ネットワークへ横展開することもあります。そのため、自己増殖しないからといって被害が限定されるわけではありません。

有効な対策の一つは、オフライン又は世代管理されたバックアップの取得です。これにより、暗号化されても身代金を支払わずにデータを復旧できる可能性が高まります。

ア:感染した端末のOSを再起動することで,暗号化されたファイルは自動的に復元される。
→暗号化されたファイルは再起動では復元されません。したがって誤りです。

イ:ランサムウェアは自己増殖機能を持たないため,ネットワーク内で被害が拡大することはない。
→横展開により被害が拡大する事例は多数あります。したがって誤りです。

ウ:定期的にオフライン環境へバックアップを取得しておくことで,身代金を支払わずに復旧できる可能性が高まる。
→説明のとおりで正解です。

エ:感染を防止するためには,WebサーバにWAFを導入することが最も有効である。
→WAFはWebアプリケーション保護が目的であり、メール経由や端末侵入型のランサムウェア対策としては不十分です。したがって誤りです。

これより、「ウ」が正解です。

ランサムウェア・まとめ

この記事のまとめ

  1. ランサムウェアの概要
  2. ランサムウェアの影響
  3. ランサムウェアの対策

今回はランサムウェアについて学習しました。ランサムウェアは年々被害が拡大しており、脅威ランキングでも毎年ほぼトップです。

ランサムウェアは特に午後(科目B)試験でもよく問われるので対策しておきましょう。

次回は標的型攻撃について学習します。


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