有期雇用労働者|中小企業診断士 令和7年第1次試験 企業経営理論 問24
出典:令和7年度 第1次試験問題 企業経営理論 第24問
分野:企業経営理論 / 人的資源管理
使用者と期間の定めのある労働契約を締結する労働者(有期雇用労働者)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
なお、一定の事業の完了に必要な期間を定める労働契約については考慮しないものとする。
なお、一定の事業の完了に必要な期間を定める労働契約については考慮しないものとする。
- ア:使用者が、専門的な知識、技術または経験であって高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者(当該高度の専門的知識等を必要とする業務に就く者に限る。)との間で有期労働契約を締結する場合、その労働契約は5年を超える期間について締結してはならない。
- イ:使用者は、就業規則において「退職手当は3年以上勤務した者に支給する」と定めている場合、契約期間を1年とする有期雇用労働者を雇い入れたときの労働条件の通知に際して、退職手当の有無を明示する必要はない。
- ウ:使用者は、有期雇用労働者を、有期労働契約期間が満了するまでの間は雇用し続けなければならず、やむを得ない事由がある場合であっても、当該契約期間の途中で解雇することができない。
- エ:有期雇用労働者が、有期労働契約期間が満了する日までの間に更新の申し込みをした場合、当該労働者において、当該契約期間満了時に更新されるものと期待することについて合理的な理由があると認められるときは、使用者は、いかなる場合も当該契約の更新の申し込みを拒絶することができない。
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まず押さえたいこと
有期労働契約では、契約期間の上限、労働条件の明示、中途解雇、雇止めのルールを分けて整理することが重要です。原則として有期労働契約の期間には上限があり、高度の専門的知識等を有する労働者など一定の場合は、契約期間の上限が5年とされています。
迷ったときの判断軸
「有期だから自由に辞めさせられる」「有期だから更新拒絶は絶対にできない」という両極端な理解は避けましょう。契約期間中の解雇は、やむを得ない事由がある場合でなければできませんが、逆にいえば、やむを得ない事由がある場合まで一切禁止されるわけではありません。また、雇止めも、客観的に合理的な理由や社会通念上の相当性が問題になります。
2次試験につなげるために
この論点は労務管理・法務寄りであり、2次試験に無理につなげるより、1次試験対策として制度の違いを正確に整理することが重要です。特に、有期契約、無期転換、雇止め、労働条件明示は混同しやすいため、「契約を結ぶとき」「契約期間中」「契約更新時」「通算期間が長くなったとき」に分けて覚えると判断しやすくなります。
この問題では、有期労働契約の契約期間の上限、労働条件の明示、契約期間途中の解雇、雇止め法理を区別して判断することが問われています。
有期労働契約の期間は、一定の事業の完了に必要な期間を定める場合などを除き、原則として上限は3年です。ただし、高度の専門的知識等を有する労働者などについては、契約期間の上限が5年とされています。
アは、高度の専門的知識等を有し、その高度な専門的知識等を必要とする業務に就く労働者との有期労働契約について、5年を超える期間で締結してはならないという内容であり、適切です。
したがって、アが適切です。
❌他選択肢が誤りの理由イ 使用者は、就業規則において「退職手当は3年以上勤務した者に支給する」と定めている場合、契約期間を1年とする有期雇用労働者を雇い入れたときの労働条件の通知に際して、退職手当の有無を明示する必要はない。
⇒労働契約の締結時には、労働条件を明示する必要があります。退職手当の定めがある場合には、その適用の有無や内容が労働条件として問題になるため、契約期間が1年であることだけを理由に明示不要とはいえません。
ウ 使用者は、有期雇用労働者を、有期労働契約期間が満了するまでの間は雇用し続けなければならず、やむを得ない事由がある場合であっても、当該契約期間の途中で解雇することができない。
⇒有期労働契約では、期間途中の解雇は厳しく制限されますが、やむを得ない事由がある場合まで一切解雇できないわけではありません。「やむを得ない事由がある場合であっても」とする点が誤りです。
エ 有期雇用労働者が、有期労働契約期間が満了する日までの間に更新の申し込みをした場合、当該労働者において、当該契約期間満了時に更新されるものと期待することについて合理的な理由があると認められるときは、使用者は、いかなる場合も当該契約の更新の申し込みを拒絶することができない。
⇒更新への合理的期待がある場合でも、使用者による雇止めが常に無効になるわけではありません。客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と認められる場合には、更新を拒絶できる余地があります。「いかなる場合も」と断定している点が誤りです。