限界費用曲線|中小企業診断士 令和7年第1次試験 経済学・経済政策 問19

出典:令和7年度 第1次試験問題 経済学・経済政策 第15問(設問2) 分野:経済学・経済政策 / 経済指標の見方や読み方
企業の短期費用曲線に関連して、下記の設問に答えよ。

下図は、ある財を生産する企業の限界費用曲線MCと当該財の価格Pを表している。
この図に関する記述の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

a 生産量がQ2のときの総収入は、⑵と⑷を合わせたものである。
b 生産量がQ2のときの固定費用と利潤の合計は、⑴と⑶を合わせたものである。
c 生産量をQ2からQ1に減らすと、固定費用は⑷の分だけ減少する。
d 生産量をQ2からQ3に増やすと、⑸の分だけ追加的な損失が発生する。
  • ア:aとb
  • イ:aとc
  • ウ:bとc
  • エ:bとd
  • オ:cとd
解説
🧠解説(読点+ですます調)

この問題では、限界費用曲線の下側の面積が可変費用を表し、価格Pの下側の長方形が総収入を表すことを理解しているかが問われています。

aについて、生産量がQ2のときの総収入は、価格P×生産量Q2で表されます。図では、Q2までの価格P以下の長方形全体なので、⑴、⑵、⑶、⑷を合わせた部分です。⑵と⑷だけではありません。したがって、aは誤りです。

bについて、Q2までの総収入から可変費用を差し引いた部分は、固定費用と利潤の合計に当たります。可変費用は限界費用曲線の下側の面積である⑵と⑷なので、総収入からこれを除いた⑴と⑶が、固定費用と利潤の合計になります。したがって、bは正しい記述です。

cについて、固定費用は生産量にかかわらず一定で発生する費用です。生産量をQ2からQ1に減らしても、固定費用は減少しません。したがって、cは誤りです。

dについて、生産量をQ2からQ3に増やすと、限界費用が価格Pを上回る部分で生産することになります。この追加生産分では、1単位当たりの追加費用が追加収入を上回るため、⑸の分だけ追加的な損失が発生します。したがって、dは正しい記述です。

したがって、が適切です。

--- ❌他選択肢が誤りの理由
ア aとb
⇒bは正しいですが、aが誤りです。Q2の総収入は⑵と⑷だけでなく、価格P以下の長方形全体である⑴、⑵、⑶、⑷です。
イ aとc
⇒aとcのいずれも誤りです。総収入は⑴、⑵、⑶、⑷の合計であり、固定費用は生産量を減らしても減少しません。
ウ bとc
⇒bは正しいですが、cが誤りです。固定費用は生産量にかかわらず発生するため、Q2からQ1に減産しても⑷の分だけ減少するわけではありません。
オ cとd
⇒dは正しいですが、cが誤りです。固定費用は生産量の変化によって減少する費用ではありません。
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まず押さえたいこと

完全競争企業では、価格Pと限界費用MCが一致する生産量が利潤最大化の目安になります。この図ではQ2がその点です。面積問題では、収入・可変費用・利潤を混同しないことが重要で、総収入は価格×生産量可変費用は限界費用曲線の下の面積として読みます。

迷ったときの判断軸

Q2まで生産したとき、価格Pより下の長方形全体が総収入です。一方、MC曲線の下側が可変費用なので、価格PとMCの間の面積は固定費用と利潤に回る部分と考えられます。また、固定費用は生産量を変えても短期には変わりません。Q2を超えてQ3まで生産すると、MCが価格Pを上回るため、追加生産分では費用が収入を上回り、追加的な損失が発生します。

2次試験につなげるために

この論点は経済学・経済政策の費用曲線の知識であり、2次試験に無理につなげるより、1次試験対策として整理することが重要です。図形問題では、「価格線の下は収入」「MCの下は可変費用」「価格線とMCの差は追加的なもうけまたは損失」と対応づけると、面積の意味を判断しやすくなります。