独占市場|中小企業診断士 令和7年第1次試験 経済学・経済政策 問20
出典:令和7年度 第1次試験問題 経済学・経済政策 第16問
分野:経済学・経済政策 / 経済指標の見方や読み方
独占市場を示した下図において、この財の需要曲線がDで与えられ、MCが企業の限界費用、MRが同じく限界収入である。
この独占企業が利潤の最大化を図る場合の価格と、総収入の最大化を図る場合の価格の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
この独占企業が利潤の最大化を図る場合の価格と、総収入の最大化を図る場合の価格の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
- ア:利潤最大化:P1 総収入最大化:P2
- イ:利潤最大化:P1 総収入最大化:P3
- ウ:利潤最大化:P2 総収入最大化:P1
- エ:利潤最大化:P2 総収入最大化:P3
- オ:利潤最大化:P3 総収入最大化:P2
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まず押さえたいこと
独占企業では、利潤最大化と総収入最大化で見る点が異なります。利潤最大化はMR=MCとなる数量を選び、その数量に対応する需要曲線上の価格を設定します。一方、総収入最大化は、追加販売による収入増がゼロになるMR=0の数量で考えます。
迷ったときの判断軸
まず、利潤最大化はMR曲線とMC曲線の交点を探し、その数量から需要曲線Dまで上がって価格を読みます。図では、この価格がP1です。次に、総収入最大化はMRが横軸と交わる数量を見て、その数量から需要曲線Dまで上がって価格を読みます。図では、この価格がP3です。MRと需要曲線を混同しないことがひっかけ回避のポイントです。
2次試験につなげるために
この論点は経済学・経済政策の市場理論であり、2次試験に無理につなげるより、1次試験対策として整理することが重要です。独占市場では、「数量はMRで決め、価格は需要曲線で読む」と覚えると、利潤最大化・総収入最大化・価格設定の問題を一貫して判断しやすくなります。
この問題では、独占企業における利潤最大化条件と、総収入最大化条件を区別できるかが問われています。
独占企業が利潤を最大化する生産量は、限界収入MRと限界費用MCが一致するところで決まります。図では、MRとMCの交点に対応する生産量から需要曲線Dを見上げた価格がP1です。したがって、利潤最大化価格はP1です。
一方、総収入を最大化する生産量は、限界収入MRがゼロになるところで決まります。総収入は追加的に1単位販売したときの収入増加分であるMRがゼロになる点で最大になります。図では、MRが横軸と交わる生産量から需要曲線Dを見上げた価格がP3です。したがって、総収入最大化価格はP3です。
したがって、イが適切です。
--- ❌他選択肢が誤りの理由ア 利潤最大化:P1 総収入最大化:P2
⇒利潤最大化価格はP1で正しいですが、総収入最大化価格はMR=0となる生産量に対応するP3です。P2ではありません。
ウ 利潤最大化:P2 総収入最大化:P1
⇒利潤最大化はMR=MCで決まり、対応する価格はP1です。また、総収入最大化はMR=0で決まり、対応する価格はP3です。
エ 利潤最大化:P2 総収入最大化:P3
⇒総収入最大化価格はP3で正しいですが、利潤最大化価格はMR=MCに対応するP1です。P2ではありません。
オ 利潤最大化:P3 総収入最大化:P2
⇒利潤最大化価格はP1、総収入最大化価格はP3です。P3は利潤最大化価格ではなく、P2は総収入最大化価格でもありません。