定額契約と実費償還契約|科目A-1(応用情報技術者) 令和7年 秋期午前試験 問66
出典:令和7年秋期 午前 問66
分野:システム企画 / 調達計画・実施
IoTを活用した工場管理システムの開発を行う。システムを構築し,サービスを運営するA社は,B社にボード開発を定額契約で委託した。B社はボードの納入前のネットワーク試験のため,工場の設備を管理するC社と実費償還契約を締結し,工場の一部区画とネットワークを借用した。C社のネットワーク設備に故障はなく,B社の人的リソース不足が原因でネットワーク試験の作業が遅延し,追加の費用が発生したとき,その費用を負担すべき会社はどれか。ここで,各社は契約を正当に履行するものとする。また,定額契約を交わした時点では,開発のスコープは十分明確で,契約以降の変更はないものとする。
- ア:A社
- イ:A社及びB社
- ウ:B社
- エ:B社及びC社
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まず押さえたいこと
定額契約では、契約で定めた成果物を完成させるために必要となる費用超過のリスクは、原則として受注側が負います。今回は、B社の人的リソース不足によって作業が遅れ、追加費用が発生しているため、原因を生じさせたB社が負担すると考えます。
迷ったときの判断軸
A社とB社の契約は定額契約で、スコープ変更もありません。また、C社の設備に故障はなく、C社との実費償還契約そのものが遅延原因でもありません。契約形態だけでなく、追加費用が「誰の責任で発生したか」を確認すると判断しやすくなります。
科目Bにつなげるために
特にプロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)試験合格を目指す方は、定額契約では売手側、実費償還契約では買手側が費用変動リスクを負いやすいという基本を押さえましょう。そのうえで、遅延原因・契約範囲・変更管理を整理して責任分担を判断する視点が重要です。

B社とC社の契約は実費償還契約です。実費償還契約では、業務の遂行に実際に掛かった費用を発注者側が負担します。
この場合、C社の設備に故障はなく、遅延の原因はB社の人的リソース不足です。しかし、B社とC社の間では実費償還契約が締結されているため、追加で発生した借用費用などは、発注者であるB社がC社に支払います。
一方、A社とB社の契約は定額契約です。開発スコープは明確で、契約後の変更もないため、B社の都合で発生した追加費用をA社へ転嫁することはできません。
したがって、ウが適切です。
❌他選択肢が誤りの理由ア:A社
⇒A社とB社は定額契約を締結しているため、契約で定めた金額を超える費用は、原則として受注者であるB社が負担します。
イ:A社及びB社
⇒追加費用の原因はB社の人的リソース不足であり、A社に負担させる契約上の根拠はありません。費用を共同で負担するものではありません。
エ:B社及びC社
⇒C社のネットワーク設備には故障がなく、C社は契約を正当に履行しています。追加費用をC社が負担する理由はありません。