SPI の重複組み合わせ問題 について例題を踏まえつつ解説していきます。
公式を使えば一瞬で答えを求められますが、どうしてそのような公式になるのかを、この問題を通して理解していきましょう。
例題1
問題1
空欄に当てはまる数値を答えなさい。
去年は旅行でアメリカに\(3\)回、イギリスに\(2\)回、中国に\(1\)回訪れた。
訪れた順番は[]通り考えられる。
回答する
解説(クリックで展開)
このような問題の場合は、訪れた順番を視覚的に分かりやすくするためにボックス を書きましょう。
左のボックスから順に\(1\)番目、\(2\)番目・・・と見ていきます。
ここでまずはアメリカに焦点を当ててみましょう。
この\(6\)つのボックスの中から\(3\)箇所アメリカを決めればよいのです。
その決め方は、例えば\(2\)回目、\(5\)回目、\(6\)回目のようにして選んでも、\(5\)回目、\(6\)回目、\(2\)回目のようにして選んでも下図のように同様になることが分かります。
よって、この選び方は選ぶ順番を気にしない組み合わせであり、二項定理 の公式が使える ことが分かります。その組み合わせの数は、\(6\)箇所から\(3\)箇所選ぶので、\(_6 C _3\) 通りですね。
次にイギリスを見てみましょう。
アメリカが既に\(3\)箇所決まっているので、残りは\(6 – 3\)で\(3\)箇所です。
その\(3\)箇所から\(2\)箇所選ぶので、\(_3 C _2\) 通りとなります。
最後に中国ですが、残り\(1\)箇所から\(1\)つ選ぶので\(_1 C _1\) 通りです。
最後にこれらを積の法則 で組み合わせ ればよく、
\[ \begin{eqnarray} _6 C _3 \verb|(通り)| \times _3 C _2 \verb|(通り)| \times _1 C _1 \verb|(通り)| &=& \frac{(6 \times 5 \times 4) \times (3 \times 2) \times (1)}{(3 \times 2 \times 1) \times (2 \times 1) \times (1)} \verb|(通り)| \\ &=& 60 \verb|(通り)| \end{eqnarray}\]
これより、\(60\)通りとなります。
解説(クリックで展開)
ADVICE
重複による公式はaが\(p\)個、bが\(q\)個、cが\(r\)個あり、その合計が\(n\)個ある場合、\(\frac{r!}{a!b!c!}\) で表すことができます。この公式は先程の問題の解説において、計算過程が\(_n C _a \times _{(n-a)} C _b \times _{(n-a-b)} C _c\)となり、それを展開することから得られます 。
スポンサーリンク
例題2
問題1
空欄に当てはまる数値を答えなさい。
下図のような市外路において、AからBへ行く方法を考える。
最短のルートは[]通り考えられる。
回答する
解説(クリックで展開)
SPIだけでなく、入試でも良く見られる最短経路問題と呼ばれる問題ですが、これも重複組み合わせ の考え方を用いることで計算することができます。
最短ルートなので、Aから出発してBへ行く際に右か上へしか行かず、左や下といった回り道は一切考慮しません。
したがって、右へ何回、上へ何回行けばBへ到達できるかを考えます。
その回数は単に図から数えればよいだけで、右に\(6\)回、上へ\(4\)回行く必要があることが分かります。
なので、右を→矢印、上を↑矢印であらわすと
→、→、→、→、→、→、↑、↑、↑、↑
を並べるパターンがいくつあるかを問われているだけ に過ぎないことに気がつけるのではないでしょうか。
→矢印は\(6\)個、↑矢印は\(4\)個、その合計は\(10\)個なので、先程の問で学んだ公式を使うと以下のようになります。
\[\frac{10!}{6!4!} \verb|(通り)| = 210 \verb|(通り)|\]
このことより、答えは210通りと、一瞬で解けてしまいます。
解説(クリックで展開)
ADVICE
この他にも重複組み合わせの問題はいくつかパターンがあります。しかし、どのような場合でも先程の公式\(\frac{r!}{a!b!c!}\)を用いれば解けるので、問題を解いてしっかり抑えていきましょう。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません