今回はSPIの中でも難易度の高めな二つの表を扱う問題です。
それらの表がどのように関連しているか見抜く力が求められます。
例題1
問題1
とある大学A、B、C、Dでそれぞれの大学に通う学生の出身国を調査した。表\(1\)は出身国(日本・アメリカ・中国・ロシアのいずれか)に基づいて大学ごとの割合を示したものである。また、表\(2\)は大学ごとの学生数が全体の学生数に占める割合を表している。
<表\(1\)>
|
A |
B |
C |
D |
四つの合計 |
日本 |
20% |
35% |
25% |
40% |
|
アメリカ |
60% |
20% |
|
15% |
30.25% |
中国 |
5% |
15% |
35% |
20% |
17.75% |
ロシア |
15% |
30% |
|
25% |
|
計 |
100% |
100% |
100% |
100% |
100% |
<表\(2\)>
大学 |
A |
B |
C |
D |
計 |
学生数の割合 |
30% |
15% |
20% |
35% |
100% |
大学Aに通う学生の内、中国出身の学生は四つの大学での学生数全体の何%か。
%
解説(クリックで展開)
最初に二つの表がどのように関連しているかを確認する必要があります。この問題の場合、まず表\(2\)を使って全体のうち何%がA大学の学生かを見ます。
<表\(2\)>
大学 |
A |
B |
C |
D |
計 |
学生数の割合 |
30% |
15% |
20% |
35% |
100% |
すると全体の\(30\)%がA大学の学生だと分かります。
次に表\(1\)から、Aの中国出身の割合を見ます。
<表\(1\)>
|
A |
B |
C |
D |
四つの合計 |
日本 |
20% |
35% |
25% |
40% |
|
アメリカ |
60% |
20% |
|
15% |
30.25% |
中国 |
5% |
15% |
35% |
20% |
17.75% |
ロシア |
15% |
30% |
|
25% |
|
計 |
100% |
100% |
100% |
100% |
100% |

この値を掛け算すればよいので、
\[30\% \times 5\% = 1.5\%\]
より\(1.5\%\)が答えとなります。
解答(クリックで展開)
\(1.5\%\)
問題2
とある大学A、B、C、Dでそれぞれの大学に通う学生の出身国を調査した。表\(1\)は出身国(日本・アメリカ・中国・ロシアのいずれか)に基づいて大学ごとの割合を示したものである。また、表\(2\)は大学ごとの学生数が全体の学生数に占める割合を表している。
<表\(1\)>
|
A |
B |
C |
D |
四つの合計 |
日本 |
20% |
35% |
25% |
40% |
|
アメリカ |
60% |
20% |
|
15% |
30.25% |
中国 |
5% |
15% |
35% |
20% |
17.75% |
ロシア |
15% |
30% |
|
25% |
|
計 |
100% |
100% |
100% |
100% |
100% |
<表\(2\)>
大学 |
A |
B |
C |
D |
計 |
学生数の割合 |
30% |
15% |
20% |
35% |
100% |
D大学の日本出身の学生の人数はB大学の日本出身の学生の人数の何倍か。小数が出る場合は小数第二位を四捨五入して求めよ。
倍
解説(クリックで展開)
二つの大学の日本出身の学生の人数をそれぞれ求め、そこから何倍であるかを求めます。
したがって、まずはD大学、B大学の日本出身の学生の人数の割合を求めます。
それぞれの大学の人数の求め方は問1同様、全体に占める大学生の割合\(\times\)大学に占める各国の割合で求められるので、以下のようになります。
D大学の日本出身の学生の人数の割合:
\[35\% \times 40\% = 14\%\]
<表\(2\)>
大学 |
A |
B |
C |
D |
計 |
学生数の割合 |
30% |
15% |
20% |
35% |
100% |
<表\(1\)>
|
A |
B |
C |
D |
四つの合計 |
日本 |
20% |
35% |
25% |
40% |
|
アメリカ |
60% |
20% |
|
15% |
30.25% |
中国 |
5% |
15% |
35% |
20% |
17.75% |
ロシア |
15% |
30% |
|
25% |
|
計 |
100% |
100% |
100% |
100% |
100% |
B大学の日本出身の学生の人数の割合:
\[15\% \times 35\% = 5.25\% \]
<表\(2\)>
大学 |
A |
B |
C |
D |
計 |
学生数の割合 |
30% |
15% |
20% |
35% |
100% |
<表\(1\)>
|
A |
B |
C |
D |
四つの合計 |
日本 |
20% |
35% |
25% |
40% |
|
アメリカ |
60% |
20% |
|
15% |
30.25% |
中国 |
5% |
15% |
35% |
20% |
17.75% |
ロシア |
15% |
30% |
|
25% |
|
計 |
100% |
100% |
100% |
100% |
100% |
最後に、倍率を求めるためには「D大学の日本出身の学生の人数の割合」を「B大学の日本出身の学生の人数の割合」で割ればよいので、
\[14\% ÷ 5.25\% = 2.666・・・\% \]
となります。
問題文より、小数第二位を四捨五入するため、答えは\(2.7\)倍となります。
解答(クリックで展開)
\(2.7\)倍
問題3
とある大学A、B、C、Dでそれぞれの大学に通う学生の出身国を調査した。表\(1\)は出身国(日本・アメリカ・中国・ロシアのいずれか)に基づいて大学ごとの割合を示したものである。また、表\(2\)は大学ごとの学生数が全体の学生数に占める割合を表している。
<表\(1\)>
|
A |
B |
C |
D |
四つの合計 |
日本 |
20% |
35% |
25% |
40% |
|
アメリカ |
60% |
20% |
|
15% |
30.25% |
中国 |
5% |
15% |
35% |
20% |
17.75% |
ロシア |
15% |
30% |
|
25% |
|
計 |
100% |
100% |
100% |
100% |
100% |
<表\(2\)>
大学 |
A |
B |
C |
D |
計 |
学生数の割合 |
30% |
15% |
20% |
35% |
100% |
D大学のロシア出身の学生の人数は\(280\)人だった。このとき四つの大学の全体の人数は何人か。
人
解説(クリックで展開)
一つの数値から全体の値を求める問題です。
今までは表\(2\)を使ってから表\(1\)を使うことで、全体から個々の割合を求めてきました。
今回はその逆で、表\(1\)から表\(2\)を使うことで個々の数値から全体の数値を求めます。
まず表\(1\)より、D大学の学生全員の数を求めます。
<表\(1\)>
|
A |
B |
C |
D |
四つの合計 |
日本 |
20% |
35% |
25% |
40% |
|
アメリカ |
60% |
20% |
|
15% |
30.25% |
中国 |
5% |
15% |
35% |
20% |
17.75% |
ロシア |
15% |
30% |
|
25% |
|
計 |
100% |
100% |
100% |
100% |
100% |
D大学全体の人数は「D大学のロシア出身の学生の人数」を「D大学のロシア出身の学生の割合」で割ることで算出できるので、
\[280\verb|(人)| ÷ 25\% = 1120\verb|(人)|\]
より、\(1120\)人となります。
次に、表\(2\)より、四つの大学の学生全員の数を求めます。
<表\(2\)>
大学 |
A |
B |
C |
D |
計 |
学生数の割合 |
30% |
15% |
20% |
35% |
100% |
四つの大学全体の人数は「D大学全体の人数」を「四つの大学の人数の内、D大学の占める人数の割合」で割ることで算出できるので、
\[1120\verb|(人)| ÷ 35\% = 3200\verb|(人)|\]
となります。



よって答えは\(3200\)人となります。
解答(クリックで展開)
\(3200\)人
問題4
とある大学A、B、C、Dでそれぞれの大学に通う学生の出身国を調査した。表\(1\)は出身国(日本・アメリカ・中国・ロシアのいずれか)に基づいて大学ごとの割合を示したものである。また、表\(2\)は大学ごとの学生数が全体の学生数に占める割合を表している。
<表\(1\)>
|
A |
B |
C |
D |
四つの合計 |
日本 |
20% |
35% |
25% |
40% |
|
アメリカ |
60% |
20% |
|
15% |
30.25% |
中国 |
5% |
15% |
35% |
20% |
17.75% |
ロシア |
15% |
30% |
|
25% |
|
計 |
100% |
100% |
100% |
100% |
100% |
<表\(2\)>
大学 |
A |
B |
C |
D |
計 |
学生数の割合 |
30% |
15% |
20% |
35% |
100% |
C大学におけるアメリカ出身の学生の割合は何%か。
%
解説(クリックで展開)
穴埋め問題です。C大学のアメリカ出身の学生の人数を求める際、ロシア出身の学生の人数も分からないため、全体からアメリカ出身の学生の人数以外を引くといった計算方法ができません。
ここで注目すべきは、表\(1\)の四つの合計が何を示しているか、といった点です。
全部の数値が分かっている中国出身の表を見て見ましょう。
<表\(1\)>
|
A |
B |
C |
D |
四つの合計 |
日本 |
20% |
35% |
25% |
40% |
|
アメリカ |
60% |
20% |
|
15% |
30.25% |
中国 |
5% |
15% |
35% |
20% |
17.75% |
ロシア |
15% |
30% |
|
25% |
|
計 |
100% |
100% |
100% |
100% |
100% |
<表\(2\)>
大学 |
A |
B |
C |
D |
計 |
学生数の割合 |
30% |
15% |
20% |
35% |
100% |
すると、四つの合計は
\[17.75\% =5\% \times 30\% + 15\% \times 15\% + 35\% \times 20\% + 20\% \times 35\% \]
となっており、「各大学における該当出身国の割合」と「四つの大学におけるその大学の占める人数の割合」の積の総和となっていることが分かります。
したがって、同じようにアメリカでの四つの合計を求める式を立てて見ます。ここで求めたい未知数は「C大学におけるアメリカ出身の学生の割合」なので、それを\(x\)と置くと、
\[30.25\% =60\% \times 30\% + 20\% \times 15\% + x\% \times 20\% + 15\% \times 35\% \]
となります。
<表\(1\)>
|
A |
B |
C |
D |
四つの合計 |
日本 |
20% |
35% |
25% |
40% |
|
アメリカ |
60% |
20% |
|
15% |
30.25% |
中国 |
5% |
15% |
35% |
20% |
17.75% |
ロシア |
15% |
30% |
|
25% |
|
計 |
100% |
100% |
100% |
100% |
100% |
これを解くと
\[\begin{eqnarray} 30.25\% &=& 18\% + 3\% + x\% \times 20\% + 5.25\% \\ 4\% &=& x\% \times 20\% \\ x\% &=& 20\% \end{eqnarray}\]
となるので、答えは\(20\%\)となります。
解答(クリックで展開)
\(20\%\)
ADVICE
百分率だけでの計算が慣れない場合、仮に人数を当てはめてみると分かりやすいかもしれません。
例えば問1で、全体を\(1000\)人とします。
するとA大学の生徒数は\(30\%\)なので\(300\)人、そのうち中国出身の学生は\(5\%\)なので\(15\)人となります。
\(1000\)人中\(15\)人なので、\(15 ÷ 1000 = 0.015 =1.5\%\)といった具合に算出することも可能です。
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