SPIの条件に関する問題は問いに対して、どの条件を加えれば答えられるようになるかを問われるパターンと、条件から数値を求めるパターンがあります。
それぞれを例題を通して見てみましょう。
例題1
問題1
解説(クリックで展開)
二つの商品の和や差からAの価格を求める問題です。
まず、アかイの片方だけでAの価格が求められるかを考えて見ましょう。
- ア:PとAの価格を足すと\(88,000\)円である。
これと[問い]の二つの商品の差額が\(24,000\)円を加えると次のような式が立てられます。
\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x + y = 88000 \verb|(円)| \\ x – y = 24000 \verb|(円)|\end{array} \right. \end{eqnarray}
この連立方程式を解くと、片方が\(32,000\)円、他方が\(56,000\)円と分かります。
しかし、この\(x\)と\(y\)は形式的に価格の高いほうを\(x\)、安いほうを\(y\)と置いただけなので、どちらがどの値段なのかまだ分かりません。

- イ:Aの価格のほうが安い。
この条件だとAのほうが安いこと、差額が\(24,000\)円であることしか分かりません。
Aが\(2,000\)円、Pが\(26,000\)円でも成り立ちますし、Aが\(10,000\)円、Pが\(34,000\)円でも成り立ってしまいます。
- アとイの両方
アより、どちらかが\(32,000\)円、他方が\(56,000\)円という情報は分かっていました。
ここにイのAの価格のほうが安いという情報を加えることで、高いほうがP、安いほうがAと分かるため、連立方程式で\(x=\)Pの価格、\(y=\)Aの価格と置けばよいことが分かります。
これでAが\(32,000\)円であることが分かりますね。
したがってアとイ両方が答えとなります。
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問題2
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まずは[問い]の条件を見てみましょう。
\(1\)から\(6\)までの目のあるサイコロを\(2\)回振って和が\(7\)になる組み合わせは以下の\(3\)パターンになります
\([1,6]、[2,5]、[3,4]\)
では、それぞれの選択肢を見てみます。
- ア:「\(2\)つのサイコロの積」の約数の数は\(4\)つであった。
それぞれの候補の積を求め、約数の個数を求めます。
\([1,6]\)・・・積は\(6\)となり、約数は\(\{1,2,3,6\}\)となるため、\(4\)つあることが分かります。
\([2,5]\)・・・積は\(10\)となり、約数は\(\{1,2,5,10\}\)となるため、\(4\)つあることが分かります。
\([3,4]\)・・・積は\(12\)となり、約数は\(\{1,2,3,4,6,12\}\)となるため、\(6\)つあることが分かります。
したがって積の約数の数が\(4\)つとなるのは\([1,6]\)と\([2,5]\)の\(2\)パターンあるため、アだけでは分かりません。
- イ:「\(2\)つのサイコロの差」の約数の数は\(2\)つであった。
それぞれの候補の差を求め、約数の個数を求めます。
\([1,6]\)・・・差は\(5\)となり、約数は\(\{1,5\}\)となるため、\(2\)つあることが分かります。
\([2,5]\)・・・差は\(3\)となり、約数は\(\{1,3\}\)となるため、\(2\)つあることが分かります。
\([3,4]\)・・・差は\(1\)となり、約数は\(\{1\}\)となるため、\(1\)つあることが分かります。
したがって差の約数の数が\(2\)つとなるのは\([1,6]\)と\([2,5]\)の\(2\)パターンあるため、イだけでは分かりません。
- アとイの両方
アでもイでも\([1,6]\)と\([2,5]\)の二パターンには絞り込めていますが、それ以上絞り込めないためどちらがあっても分かりません。
したがって「両方あっても分からない」が答えとなります。
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ADVICE
条件問題では片方だけの条件ではなく、両方必要だったり、両方あってもわからなかったりすることが多いです。
それぞれの条件でどこまで絞り込めるかを意識して問題を解いていきましょう。

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例題2
問題1
空欄に当てはまる数値を答えなさい。
X、Y、Zの\(3\)人のテストの平均点数は\(60\)点で、X、Y、Zの順に点数が高い。また、\(3\)人の点数について以下のことが分かっている。
ア:XとZの点数差はYの点数と等しい。
イ:YとZの点数差は\(20\)点である。
このとき、Xは[]点であった。
解説(クリックで展開)
与えられた条件をどのような式にすればよいかといった方程式の問題です。
問題文と、それぞれの条件を全て式に表してみましょう。
ここでXの点数を\(x\)、Yの点数を\(y\)、Zの点数を\(z\)とします。
X、Y、Zの\(3\)人のテストの平均点数は\(60\)と言ったところから、合計点は
\[x + y + z = 60\verb|(点/人)| \times 3\verb|(人)| = 180\verb|(点)| \tag{a}\]
となります。これは文字が\(3\)つ、式が\(3\)つの連立\(3\)元\(1\)次方程式なので解けます。
求めたい値は\(x\)なので、どのようにすれば求めやすいかを考えます。
\(x=\)の形にしたいので、(b)の式を変形してみましょう。
\(z\)を右辺に移項すると
\[x = y + z \tag{b’}\]
となります。
この\(y + z\)は(a)式に代入できそうですね。
\[x + x = 180 \verb|(点)| \tag{a’}\]
これを解くと
\[x=90 \verb|(点)|\]
となります。
今回の問題ではXの点数のみ求めればよかったので、答えの\(90\)だけ求めて、他の人の点数は求める必要がありません。
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問題2
空欄に当てはまる数値を答えなさい。
A、B、C、D、E、Fの\(6\)人でマラソンを行った、その結果について次のことが分かっている。
ア:AはBより順位が\(2\)位上である。
イ:CはDより順位が\(3\)位上である。
ウ:EはFより順位が\(2\)位上である。
このときCは[]位である。
解説(クリックで展開)
どのようなパターンがあるかを当てはめてみてDの順位を絞り込んでいきましょう。
順位差が大きいほど候補を少なく絞れるので、イの条件に着目します。
- イ:CはDより順位が\(3\)位上である。
これより以下の\(3\)パターンに絞れます。

ここにアの条件を加えます。
- ア:AはBより順位が\(2\)位上である。
\(2\)位差で開いている場所に入れると以下の\(4\)パターンになることが分かります。

最後にウの条件を加えます。
- ウ:EはFより順位が\(2\)位上である。
\(2\)位差で開いている場所はCが\(2\)位の時の\(2\)パターンしかありません。

ここで\(2\)パターンにしか絞れていませんが、どちらにおいてもCが\(2\)位であることに変わりは無いので答えは\(2\)位となります。
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問題3
空欄に当てはまる数値を答えなさい。
[問い]X、Y、Zの\(3\)人で\(5\)科目のテストの合計点数を競った(満点\(500\)点)。結果はX、Y、Zの順に高く、以下のことが分かった。
ア:\(3\)人の平均点は\(350\)点だった。
イ:Zの点数は\(300\)点だった。
このとき、Yの点数は最も高くて[]点である。
解説(クリックで展開)
最も高くなる場合を聞いているので、Yの点数は必ずしも定まらないということに注意します。
確実に決まることをまず見ていきましょう。
ここで、(b)を(a)に代入して両辺から\(300\)引きます。
\[x + y = 750\verb|(点)|\]
これより、XとYの合計が\(750\)点ということが分かります。
XとYの得点の関係は[問い]より、
\(x > y \)と分かっています。
この条件より\(y\)が取りうる最大の範囲は\(2\)人の平均から\(1\)引いた値となるため、
\[750\verb|(点)| ÷ 2\verb|(人)| – 1\verb|(点/人)| = 374\verb|(点/人)|\]
となり、\(374\)点が答えとなります。
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ADVICE
数値を求める問題では、候補をどのように絞り込み、短い時間で求められるかが重要になってきます。
表に書き出す方法や式にして範囲を狭める方法など手法はさまざまなので、より多くの問題を解いてパターンに慣れていきましょう。
簿記とFP、情報処理技術者試験を多数保有。現在は宅建士と診断士に挑戦中!
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