SPIにおける組み合わせの公式を用いて確率を求める問題です。
求める場合の数と、すべての場合の数をそれぞれ求め、分数の分子に前者を、分母に後者を当てはめることで確率が求められます。
例題1
問題1
解説(クリックで展開)
「\(9\)本中\(2\)本当たり」は言い換えると、「\(9\)本中\(7\)本ははずれ」になります。
また、「\(4\)人とも当たりを引かない確率」を言い換えると「\(4\)人ともはずれを引く確率」となります。
したがって、求める場合の数は\(7\)本から\(4\)本選ぶ組み合わせなります。
その選び方は組み合わせの公式に当てはめて
\[_7 C _4 \verb|(通り)| = \frac{7 \times 6 \times 5 \times 4}{4 \times 3 \times 2 \times 1} \verb|(通り)| = 35 \verb|(通り)|\]
より\(35\)通りとなります。
次にすべての場合の数ですが、くじの数は\(9\)本あり、そこから\(4\)本選ぶので、
\[_9 C _4 \verb|(通り)| = \frac{9 \times 8 \times 7 \times 6}{4 \times 3 \times 2 \times 1} \verb|(通り)| = 126 \verb|(通り)|\]
より\(126\)通りとなります。
したがって答えは\(\frac{35}{126}\)としたいところです。しかし、\(35\)と\(126\)がともに\(7\)の倍数なので、分子分母それぞれを\(7\)で割って約分します。
これより答えは\(\frac{5}{18}\)となります。
解答(クリックで展開)
ADVICE
組み合わせの問題では正しく組み合わせの公式を使える事が前提となります。今まで何度も出てきた公式で、重要度も高いのでしっかりと覚えてしまいましょう。

スポンサーリンク
例題2
問題1
A、Bそれぞれに当てはまる数値を求めよ。
袋の中に赤い玉が\(4\)個、青い玉が\(3\)個入っており、赤い玉にはそれぞれ\(1\)、\(2\)、\(3\)、\(4\)と、青い玉にはそれぞれ\(2\)、\(4\)、\(6\)と書かれている。
ここから無作為に\(3\)個の玉を取り出し、[赤の玉に書かれた数の合計]-[青の玉に書かれた数の合計]を得点とする。
一度取り出した玉は戻さないこととしたときに、得点がマイナスになる確率は[A]/[B]である。約分した分数で答えなさい。
A=
B=
解説(クリックで展開)
得点がマイナスになる場合の数が分子になります。したがって、まずはそのマイナスになるパターンが何通りあるのかを考えます。
今回のように玉の数が多く、色が多い場合はそれぞれ何個ずつ出したかで場合分けし、和の法則で足し合わせる解法が望ましいです。
- 青の玉が\(3\)個の場合・・・
出した玉が全てマイナス得点となる青い玉なので、その合計得点も全てマイナスとなります。
青の玉が全部で\(3\)つ、選ぶ玉も\(3\)つなので、その組み合わせは
\[_3 C _3 \verb|(通り)|= 1 \verb|(通り)|\]
となり、\(1\)通りです。
- 青の玉が\(2\)個、赤の玉が\(1\)個の場合・・・
この場合、合計得点の最大値がいくつになるか考えてみましょう。
合計得点が最大になる条件は、赤い玉に書かれている数が最大で、青い玉に書かれている数が最小の場合となります。
青の玉が\(2\)個、赤の玉が\(1\)個の場合、
赤のとりうる最大の数字の合計は、\(4\)と書かれたボールを\(1\)個取ることで、\(4\)点。
青のとりうる最小の数字の合計は、\(2\)と書かれたボールと\(4\)と書かれたボールをそれぞれ取ることで、\(-6\)点。
したがって、合計得点は最大でも\(4 – 6 = -2\)よりマイナスなので、全ての場合で合計点がマイナスとなります。
青の玉が\(3\)つのうち\(2\)つ、赤の玉が\(4\)つのうち\(1\)つなので、
\[_3 C _2 \verb|(通り)|\times _4 C _1 \verb|(通り)|= 12 \verb|(通り)|\]
となり、\(12\)通りです。
- 青の玉が\(1\)個、赤の玉が\(2\)個の場合・・・
この場合も合計得点の最大値がいくつになるか考えます。
同様に考えると、
赤のとりうる最大の数字の合計は、\(4\)と書かれたボールと\(3\)と書かれたボールをそれぞれ取ることで、\(7\)点。
青のとりうる最小の数字の合計は、\(2\)と書かれたボールを\(1\)個取ることで、\(-2\)点。
したがって、合計得点は最大で\(7 – 2 = 5\)よりプラスなので、全ての場合で合計点がマイナスとは言えません。
では逆に、最小値がいくつになるか考えます。
合計得点が最大になる条件は、赤い玉に書かれている数が最小で、青い玉に書かれている数が最大の場合となります。
赤のとりうる最小の数字の合計は、\(1\)と書かれたボールと\(2\)と書かれたボールをそれぞれ取ることで、\(3\)点。
青のとりうる最小の数字の合計は、\(4\)と書かれたボールを\(1\)個取ることで、\(-4\)点。
したがって、合計得点は最小で\(3 – 4 = -1\)よりマイナスなので、全ての場合で合計点がプラスとも言えません。
このような場合ではさらに場合わけする必要が出てきます。
青の玉が\(1\)個なので、青の玉を基準に場合分けしていきましょう。
また、このときの赤の玉のとりうる得点と場合の数もあらかじめ求めてしまいます。
赤の玉は\(1\)、\(2\)、\(3\)、\(4\)で、そこから\(2\)つ選ぶので、
\[_4 C _2 \verb|(通り)| = 6 \verb|(通り)|\]
その内訳は、
- \(1 + 2 = 3\)
- \(1 + 3 = 4\)
- \(1 + 4 = 5\)
- \(2 + 3 = 5\)
- \(2 + 4 = 6\)
- \(3 + 4 = 7\)
となります。
- 青の玉の得点が\(-2\)の場合・・・
あらかじめ求めた赤の玉のとりうる得点の中で、赤の玉の合計が\(2\)点より少ない組み合わせはありません。
したがって合計得点はどの組み合わせでもプラスとなるので\(0\)通りです。
- 青の玉の得点が\(-4\)の場合・・・
あらかじめ求めた赤の玉のとりうる得点の中で、赤の玉の合計が\(4\)点より少ない組み合わせは\(1\)通りのみでした。
したがって合計得点がマイナスになる組み合わせは\(1\)通りです。
- 青の玉の得点が\(-6\)の場合・・・
あらかじめ求めた赤の玉のとりうる得点の中で、赤の玉の合計が\(6\)点より少ない組み合わせは\(4\)通りありました。
したがって合計得点がマイナスになる組み合わせは\(4\)通りです。
これより、青の玉が\(1\)個、赤の玉が\(2\)個の場合、合計得点がマイナスになるのは\(1 + 4\)で\(5\)通りとなります。
- 赤の玉が\(3\)個の場合・・・
出した玉が全てプラスの得点となる赤い玉なので、その合計得点も全てプラスとなります。
したがって、合計がマイナスとなる組み合わせは\(0\)通りです。
これより、合計の得点がマイナスとなる組み合わせは、\(1 + 12 + 5 + 0 = 18\)通りと分かりました。
次に全ての数ですが、合計\(7\)つの玉の中から\(3\)つ選ぶので、
\[_7 C _3 \verb|(通り)|= 35 \verb|(通り)|\]
より\(35\)通りです。
したがって、求める確率は\(\frac{18}{35}\)となります。
解答(クリックで展開)
ADVICE
今回は細かな事象に分けて場合分けを行いました。
このように何度も場合分けを必要とする問題も出題されるので、問題ごとにどの程度まで細かく事象を分けるべきか判断できるように練習しましょう。
簿記とFP、情報処理技術者試験を多数保有。現在は宅建士と診断士に挑戦中!
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません