SPIの円順列に関する問題です。円順列は別名・数珠(じゅず)順列とも呼ばれ、問題文の条件により計算方法が変わってくるので、問題をよく読んで回答してください。
例題1
問題1
A、B、C、D、E、Fの\(6\)人がテーブルに座るとする。
テーブルに番号が振られているとき、その座り方は何通りあるか。
通り
解説(クリックで展開)
テーブルに番号が振られている場合は\(1\)番から順に見ていくと、A~Fの\(6\)人のうち\(1\)人選び、次に\(2\)番の席に\(6\)人から\(1\)番に座った\(1\)人を除いた\(5\)人から選び・・・を繰り返していきます。
要するに普通の順列の求め方と変わらず、
\[6! \verb|(通り)| = 6 \verb|(通り)| \times 5 \verb|(通り)| \times 4 \verb|(通り)| \times 3 \verb|(通り)| \times 2 \verb|(通り)| \times 1 \verb|(通り)| = 720 \verb|(通り)|\]
となり、\(720\)通りある事になります。
解答(クリックで展開)
\(720\)通り
問題2
A、B、C、D、E、Fの\(6\)人がテーブルに座るとする。
テーブルに番号が振られていないとき、その座り方は何通りあるか。
通り
解説(クリックで展開)
こちらの問題は席の場所に番号が振られておらず、以下の図のような場合重複して数えては行けません。

何故かと言うと番号を振っていないことで基準となる場所が無く、見る角度によって右も左も同じに見えてしまうからです。
例えば、左の画像を首を\(60°\)ほど(ちょっと痛いですが・・・。)傾けて見てみると、右の図をまっすぐ見たときと同じ並びに見えると思います。そういった同じ並びのものを数えてはいけません。
このような順列を求める場合は、基準となる場所がないので、自分で作ってしまいましょう。



図ではAを一番上に固定していますが、このように\(1\)人固定することで他の角度から見て重複してしまう現象を避けることができます。
では残りの\(5\)箇所はどのように求めるかですが、これは今までの順列と同じでAの右隣を\(1\)番、その隣を\(2\)番・・・Aの左隣を\(5\)番として考えると、最初の候補は\(5\)通り、次は\(4\)通り・・・となるので
\[5!\verb|(通り)| = 5 \verb|(通り)| \times 4 \verb|(通り)| \times 3 \verb|(通り)| \times 2 \verb|(通り)| \times 1 \verb|(通り)| = 120 \verb|(通り)|\]
より\(120\)通りと求められます。
解答(クリックで展開)
\(120\)通り
問題3
A、B、C、D、E、Fの\(6\)人がテーブルに座るとする。
テーブルに番号が振られておらず、BとCは必ず隣り合わせに座るとする。その座り方は何通りあるか。
通り
解説(クリックで展開)
次は順番を振らない円順列と、隣り合わせの順列の融合問題です。
基本的には両方の気をつけるべきポイントを抑えれば難なく解けます。
まず順番を振らない円順列の場合、一人を固定すれば良いのでしたね。先程同様にAを固定します。
次に、隣り合わせの順列の場合、\(2\)人を\(1\)人として見て、一人少ない人数での順列を求めた後に、その二人のどちらが先に来るかで\(2\)パターン考えられるので、最後に\(2\)を掛ければよかったのでした。
従ってAが固定で抜け、BとCがセットで\(1\)人で、残りD、E、Fの\(3\)人での順列なので、
\[4! \verb|(通り)|= 4 \verb|(通り)| \times 3 \verb|(通り)| \times 2 \verb|(通り)| \times 1 \verb|(通り)| = 24 \verb|(通り)|\]
ここにB、Cのどちらが先に来るかの\(2\)パターンを掛け
\[24 \verb|(通り)| \times 2 \verb|(パターン)| = 48 \verb|(通り)|\]
より、答えは\(48\)通りとなります。
解答(クリックで展開)
\(48\)通り
問題4
A、B、C、D、E、Fの\(6\)人がテーブルに座るとする。
テーブルに番号が振られておらず、AとDは向かい合って座るものとする。また、EとFは隣り合わせにならない場合、その座り方は何通りあるか。
通り
解説(クリックで展開)
次は条件が増えて少し複雑になりました。
この場合もまずはAの位置を固定しましょう。ここで条件に「AとDは向かい合って座る」とあります。
従ってDの位置も図に書き込むことができます。



残りの空席をB、C、E、Fで埋めていきます。このときの埋め方ですが、条件のないBやCを先に埋めてしまうと、条件のあるEやFを入れられない場合に数えられないといった事象が起きてしまいます。
条件がある方から埋めて行き、範囲を絞っていきましょう。
正面から見て、Aの右隣をEで埋めたとします。
するとFはその隣には埋められないため、A、Dより左側の\(2\)つの席のどちらかに限られます。



ではここで、仮にAの左隣にFを埋めたとしましょう。



この場合、残り\(2\)箇所にBとCを入れるため、
\[2! \verb|(通り)| = 2 \verb|(通り)| \times 1 \verb|(通り)| = 2 \verb|(通り)|\]
より、\(2\)通りとなります。
ではAの隣ではなく正面から見てDの左隣の場合はどうなるでしょうか。



この場合も残り\(2\)箇所にBとCを入れるため、
\[2! \verb|(通り)| = 2 \verb|(通り)| \times 1 \verb|(通り)| = 2 \verb|(通り)|\]
より、\(2\)通りとなります。
これより、EをAの右隣においた場合のパターンは
\[2 \verb|(通り)| + 2 \verb|(通り)| = 4 \verb|(通り)|\]
より、\(4\)通りとなります。
同様にして、EをDの右隣、左隣、Aの左隣に置いた場合もそれぞれ\(4\)パターンとなります。
これは円順列による対称性から得られる結果です。
これにより
\[4 \verb|(通り)| \times 4 \verb|(パターン)| = 16 \verb|(通り)|\]
となって、\(16\)通りの答えが得られます。
解答(クリックで展開)
\(16\)通り
ADVICE
円順列ではどこかを固定するといった考え方が重要になってきます。
また、条件が増えれば増えるほど、計算の複雑さは増しますが、条件があるものを先に決めていくことで、かなり候補を少なく絞ることができ、計算が楽になります。
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