人的脅威(不正のトライアングル)【情報処理安全確保支援士講座】

2024年4月3日

情報処理安全確保支援士 人的脅威

今回は情報処理安全確保支援士で問われる人的脅威について解説します。

ラク
ラク
ついうっかり取引先を間違えて機密情報を送っちまったぜ・・・
アカリ
アカリ
事故だったり意図的だったりで情報流出するケースは多いよね

人的脅威

情報処理安全確保支援士 人的脅威

人的脅威には、大きく分けて「偶然起こってしまうもの」と「意図的に引き起こされるもの」があります。

それぞれの例と対策方法を確認しておきましょう。

偶発的な人的脅威

偶発的な人的脅威の例
  • 操作ミスやプログラミングのミス
  • メールの送信ミス
  • 社員や業者の持ち込みUSBや機器からの漏洩・データ破壊
  • FWの設定ミス

偶発的な人的脅威は、システムの使用方法やセキュリティに関する規定の整備、教育・訓練の実施が考えられます。

意図的な人的脅威

意図的な人的脅威の例
  • 金銭目的での情報持ち出し
  • 退職した社員の不正侵入
  • 組織に恨みがある者の怨恨

意図的な不正行為は、動機機会正当化の3つが揃ったときに発生すると言われています。

キュー
キュー
この動機・機会・正当化が揃ったときに不正が発生することを、不正のトライアングルとも呼ぶで

情報処理安全確保支援士 不正のトライアングル

要因 具体例
動機 過剰なノルマ・金銭トラブル・怨恨 など不正行為のきっかけとなるもの
機会 設定の不備・運用の不手際・ など不正行為を可能とする環境
正当化 「良心の呵責」を超え、不正行為を納得させる解釈や責任転嫁

意図的な脅威への対策は、入退室管理の徹底・アクセス制御・通信データの暗号化・監視システムの導入・アカウントやパスワードの管理徹底・教育の実施・罰則の適用などが挙げられます。

人的脅威が情報資産に及ぼす影響

人的脅威には種類が多く、影響も軽微なものから企業の存続に関わる重大なものまで様々です。

偶発的な脅威はある程度想定できたり被害を抑えられたりしますが、意図的な脅威は無限に考えられる上に発生頻度や被害の範囲を予測することが困難です。

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人的脅威の例題

実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。

問題

不正が発生する際には”不正のトライアングル”の3要素全てが存在すると考えられている。”不正のトライアングル”の構成要素の説明のうち,適切なものはどれか。(H.27秋/問9)

ア:”機会”とは,情報システムなどの技術や物理的な環境及び組織のルールなど,内部者による不正行為の実行を可能,又は容易にする環境の存在である。
イ:”情報と伝達”とは,必要な情報が識別,把握及び処理され,組織内外及び関係者相互に正しく伝えられるようにすることである。
ウ:”正当化”とは,ノルマによるプレッシャーなどのことである。
エ:”動機”とは,良心のかしゃくを乗り越える都合の良い解釈や他人への責任転嫁など,内部者が不正行為を自ら納得させるための自分勝手な理由付けである。

(ログイン後回答すると、ここに前回の正誤情報が表示されます)

問の正解を表示

問の解説を表示

不正のトライアングルとは、不正行動は動機・機会・正当化の3要素つが揃った場合に発生すると理論で、米国の組織犯罪研究者、ドナルド・R・クレッシーにより提唱されました。

不正発生の要因となる3要素を改めて確認しましょう。

不正のトライアングル
  • 動機:自己の欲求の達成や問題を解決するためには不正を行うという考えに至る心情。例えば、「過大なノルマ」や「金銭的問題」が該当。
  • 機会:不正をいつでもできる環境。例えば、「悪用可能なシステムが存在する」「確認できる人がいない」「ログや証跡を取っていない」など。
  • 正当化:自分に都合の良い理由をこじつけて、不正を行う時に感じる「良心の呵責(かしゃく)」を乗り越えてしまうこと。

ア:”機会”とは,情報システムなどの技術や物理的な環境及び組織のルールなど,内部者による不正行為の実行を可能,又は容易にする環境の存在である。
→正しい。

イ:”情報と伝達”とは,必要な情報が識別,把握及び処理され,組織内外及び関係者相互に正しく伝えられるようにすることである。
→誤り。”情報と伝達”は内部統制の基本的要素の1つで、不正のトライアングルとは無関係です。

ウ:”正当化”とは,ノルマによるプレッシャーなどのことである。
→誤り。”正当化”とは、内部者が不正行為を自ら納得させるための自分勝手な理由付けです。

エ:”動機”とは,良心のかしゃくを乗り越える都合の良い解釈や他人への責任転嫁など,内部者が不正行為を自ら納得させるための自分勝手な理由付けである。
→”動機”とは、ノルマによるプレッシャーなどのことです。

したがって「ア」が正解です。

人的脅威・まとめ

人の脅威は、偶発的なものと意図的なものに分けられます。

さらに外部からの脅威と内部要因があり、外部からの脅威は直接対策が難しいため、予防・防止の機能を持つセキュリティ対策を施して脆弱性を対処するだけでなく、検知・追跡の機能を充実させることが重要です。

内部に関しては直接的な対策が可能なので、教育や監査などで抑止・抑制機能を高めつつ、業務プロセスやルールを徹底することで「動機」「機会」「正当化」を成立させないようにすることが重要です。

ラク
ラク
ミスだけでなく恨みを買わないようにする仕組みや取り組みも大事なんだな!
キュー
キュー
いくら機密情報が高く売れるからって、売ったらあかんで?

次回はセキュリティを共有する仕組みについて学習します。


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