技術者の活動に関係する法律で罰則規定のないもの|情報セキュリティマネジメント 令和元年 秋期午前試験 問32

出典:令和元年秋期 午前 問32 分野:法務 / その他の法律・ ガイドライン・ 技術者倫理
技術者の活動に関係する法律のうち,罰則規定のないものはどれか。

※法改正により全て罰則規定が設けられました。
  • ア:公益通報者保護法
  • イ:個人情報保護法
  • ウ:特許法
  • エ:不正競争防止法
解説

この問題は、出題当時はアの公益通報者保護法が正解でしたが、現在はいずれの法律にも罰則に関する規定が存在するため、そのままでは正解を一つに決められません。公益通報者保護法については、2022年6月1日に施行された改正法によって、公益通報対応業務従事者に守秘義務が課され、その違反に対する刑事罰が導入されました。

それぞれの法律は、保護する対象や規制する行為が異なります。

法律主な内容罰則の例
公益通報者保護法労働者などが組織の法令違反を公益通報したことを理由に、解雇などの不利益な取扱いを受けないよう保護する法律公益通報対応業務従事者が、通報者を特定させる情報を正当な理由なく漏らした場合などに罰則がある
個人情報保護法個人情報の適正な取扱いについて定め、個人の権利利益を保護する法律個人情報保護委員会の命令への違反や、個人情報データベース等の不正提供などに罰則がある
特許法発明を保護・活用するために特許制度を定め、特許権者に一定期間の独占的な権利を認める法律特許権や専用実施権の侵害、詐欺による特許取得、虚偽表示などに罰則がある
不正競争防止法営業秘密の不正取得・使用などの不正競争を防止し、事業者間の公正な競争を確保する法律営業秘密の侵害や外国公務員への贈賄など、一定の行為に刑事罰がある

公益通報者保護法は、内部告発などを行った公益通報者を保護するための法律です。現在は、公益通報対応業務従事者が通報者を特定させる情報を漏らした場合、罰金の対象となる規定があります。したがって、現在の制度を前提に「罰則規定がない」とすることはできません。

個人情報保護法は、個人情報を適正に取り扱うためのルールを定める法律です。個人情報保護委員会の命令への違反や、個人情報データベース等を不正な利益を図る目的で提供・盗用する行為などについて罰則が設けられています。2020年改正では、一部の法定刑も引き上げられました。

特許法は、発明を保護する特許制度について定めた法律です。他人の特許権を侵害する行為などには刑事罰があり、特許権又は専用実施権の侵害のほか、詐欺による特許取得や虚偽表示などについても罰則が定められています。

不正競争防止法は、営業秘密の不正取得・使用、商品表示の不正使用などを規制し、公正な競争を確保するための法律です。すべての不正競争行為に刑事罰があるわけではありませんが、営業秘密の侵害など一定の行為には刑事罰が設けられています。

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まず押さえたいこと

法律に関する問題では、出題当時の制度と現在の制度を区別することが重要です。公益通報者保護法は、出題当時は罰則規定がありませんでしたが、2022年6月施行の改正法によって、公益通報対応業務従事者の守秘義務違反などに対する罰則が設けられました。

迷ったときの判断軸

法律を比較するときは、何を保護する法律なのか、どのような行為を規制しているのかを整理しましょう。公益通報者保護法は通報者の保護、個人情報保護法は個人情報の適正な取扱い、特許法は発明の保護、不正競争防止法は公正な競争の確保などを目的としています。法律の目的と規制対象を対応付けることが判断の基本です。

学習の優先度

この問題は法改正によって正答の前提が変わっているため、古い正解だけを暗記する必要はありません。出題当時の正答を確認した上で、現在は公益通報者保護法にも罰則規定が存在することを理解しましょう。試験対策では、各法律の目的と代表的な義務・禁止行為を優先して学習することが大切です。