環境分析|中小企業診断士 令和7年第1次試験 企業経営理論 問34
出典:令和7年度 第1次試験問題 企業経営理論 第32問(設問2)
分野:企業経営理論 / マーケティング計画とマーケティング戦略
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
文中の下線部②に関する記述として、最も適切なものはどれか。
文中の下線部②に関する記述として、最も適切なものはどれか。- ア:3C分析は、市場分析、競合他社分析、自社分析で構成される。このうち、自社分析では、自社の顧客のトレンドや潜在性といった動向を分析することが目的であるため、個別顧客のニーズや行動までは分析対象にならない。
- イ:KFS(Key Factor for Success)は、自社の将来的な目標と現状との間のギャップの明確化や自社の成長において獲得すべき経営資源の明確化において指針となる概念である。
- ウ:マーケティング・マイオピアを回避するためには、市場や顧客ニーズの変化を的確に捉えることよりも、自社の製品や技術の優位性を経営資源の観点から的確に捉えることが重要である。
- エ:リソース・ベースト・ビューでは、企業はまず市場でのポジションを決め、それに必要な企業内の資源を構築するという順序で事業戦略を策定する。
TSUNAGARU-ADVICE
まず押さえたいこと
内部環境分析では、自社が持つ経営資源や能力を把握し、競争優位につながる要因を見極めることが重要です。KFSは、事業で成功するために特に重要となる要因を指し、自社の現状と目標とのギャップを把握したり、今後獲得すべき経営資源を考えたりするときの指針になります。
迷ったときの判断軸
3C分析は、顧客、競合、自社の3つを分析する枠組みです。自社分析で顧客動向を分析する、というように分析対象が入れ替わっている記述には注意しましょう。マーケティング・マイオピアは、自社の製品や技術にこだわりすぎて顧客ニーズの変化を見失うことが問題です。また、リソース・ベースト・ビューは、自社の経営資源や能力を起点に競争優位を考える立場として整理します。
2次試験につなげるために
この論点は企業経営理論であり、2次試験の事例Ⅰ・Ⅱに関係します。答案では、外部環境の機会だけでなく、自社の強み、弱み、保有資源、ノウハウ、顧客基盤、ブランドなどを踏まえ、「成功するために何が重要か」と「自社には何が足りないか」を結び付けて考えると、戦略提案の根拠を示しやすくなります。
この問題では、内部環境分析に関連する3C分析、KFS、マーケティング・マイオピア、リソース・ベースト・ビューの考え方を区別して判断することが問われています。
KFS(Key Factor for Success)は、事業で成功するために重要となる要因を指します。業界や市場で成果を上げるために、どのような能力や経営資源が必要かを考える際の手掛かりになります。
そのため、自社の目標と現状とのギャップを把握したり、今後獲得・強化すべき経営資源を明確にしたりするうえで、KFSは重要な指針になります。
したがって、イが適切です。
❌他選択肢が誤りの理由ア 3C分析は、市場分析、競合他社分析、自社分析で構成される。このうち、自社分析では、自社の顧客のトレンドや潜在性といった動向を分析することが目的であるため、個別顧客のニーズや行動までは分析対象にならない。
⇒3C分析は、顧客・競合・自社の3つの視点で分析します。顧客のトレンドや潜在性は顧客分析の対象であり、自社分析の中心ではありません。また、個別顧客のニーズや行動も分析対象になり得ます。
ウ マーケティング・マイオピアを回避するためには、市場や顧客ニーズの変化を的確に捉えることよりも、自社の製品や技術の優位性を経営資源の観点から的確に捉えることが重要である。
⇒マーケティング・マイオピアは、自社製品や技術に目を奪われ、顧客ニーズや市場変化を見失う近視眼的な考え方です。回避するには、自社の技術優位性だけでなく、市場や顧客ニーズの変化を的確に捉えることが重要です。
エ リソース・ベースト・ビューでは、企業はまず市場でのポジションを決め、それに必要な企業内の資源を構築するという順序で事業戦略を策定する。
⇒リソース・ベースト・ビューは、企業内部の経営資源や能力に競争優位の源泉を求める考え方です。まず市場でのポジションを決めるという説明は、ポジショニング・アプローチに近い内容です。