資源依存|中小企業診断士 令和7年第1次試験 企業経営理論 問21
出典:令和7年度 第1次試験問題 企業経営理論 第21問
分野:企業経営理論 / 組織間関係
組み立てメーカーA社は、製品Xのみを開発・製造・販売している。
A社は、製品Xの製造に不可欠な部品Yを自社では製造できず、部品サプライヤーB社からしか調達できない。
一方、B社は部品YをA社以外の複数のメーカーにも供給している。
このとき、資源依存パースペクティブの考え方に従った記述として、最も適切なものはどれか。
A社は、製品Xの製造に不可欠な部品Yを自社では製造できず、部品サプライヤーB社からしか調達できない。
一方、B社は部品YをA社以外の複数のメーカーにも供給している。
このとき、資源依存パースペクティブの考え方に従った記述として、最も適切なものはどれか。
- ア:A社が製品Xの品質を向上させれば、B社からの供給リスクを低減できる。
- イ:A社はB社に対する資源依存度が高いため、A社のB社に対する相対的なパワーは強い。
- ウ:A社は部品Yの在庫を増やすことで、B社への依存を解消できる。
- エ:A社は部品Yを使用しない新製品を開発することで、B社への依存度を低減できる。
- オ:B社が部品Yの供給先を増やすと、A社のB社への依存度は低減する。
TSUNAGARU-ADVICE
まず押さえたいこと
資源依存パースペクティブでは、企業は重要な資源を外部に依存しており、その依存関係が組織間のパワー関係を左右すると考えます。A社は製品Xに不可欠な部品YをB社からしか調達できないため、B社への依存度が高い状態です。一方、B社はA社以外にも供給先があるため、A社への依存度は相対的に低いといえます。
迷ったときの判断軸
依存度を下げるには、「代替調達先を持つ」「自社で内製する」「その資源を使わない製品・事業に移る」といった方向で考えます。品質向上や在庫増加は一時的な対応にはなっても、B社に依存する構造そのものを解消するとはいえません。部品Yを使用しない新製品を開発すれば、B社からの部品Yに依存しない収益源を作れるため、依存度を低減できます。
2次試験につなげるために
この論点は企業経営理論であり、2次試験の事例Ⅰ・Ⅱ・Ⅲに関係します。答案では、特定顧客・特定仕入先・特定技術への依存が高い場合に、複数購買、内製化、代替技術開発、新製品開発、取引先分散などを通じて交渉力や安定性を高める、という形で説明できると実務的な提案になりやすくなります。
この問題では、資源依存パースペクティブにおいて、企業が重要な外部資源への依存をどのように低減できるかが問われています。
A社は、製品Xの製造に不可欠な部品YをB社からしか調達できません。そのため、A社はB社に強く依存しており、B社に対する交渉力は弱くなりやすいです。
この依存を低減するには、B社以外から調達できるようにする、部品Yを内製化する、または部品Yを使わない新製品を開発するなど、必要資源への依存関係そのものを変える必要があります。
したがって、エが適切です。
❌他選択肢が誤りの理由ア A社が製品Xの品質を向上させれば、B社からの供給リスクを低減できる。
⇒製品Xの品質向上は顧客への価値向上にはつながりますが、部品YをB社からしか調達できないという依存関係を直接低減するものではありません。
イ A社はB社に対する資源依存度が高いため、A社のB社に対する相対的なパワーは強い。
⇒資源依存度が高い側は、相手に対する交渉力が弱くなりやすいです。A社はB社に依存しているため、A社のB社に対する相対的なパワーは弱いと考えられます。
ウ A社は部品Yの在庫を増やすことで、B社への依存を解消できる。
⇒在庫を増やせば短期的な供給停止リスクを緩和できる可能性はありますが、部品YをB社からしか調達できない構造は変わりません。依存を解消するとはいえません。
オ B社が部品Yの供給先を増やすと、A社のB社への依存度は低減する。
⇒B社が供給先を増やすと、B社にとってA社の重要性は相対的に低下します。むしろA社の交渉力は弱まりやすく、A社のB社への依存度が低減するとはいえません。