コーポレートガバナンス・コード|中小企業診断士 令和7年第1次試験 企業経営理論 問13
出典:令和7年度 第1次試験問題 企業経営理論 第13問
分野:企業経営理論 / 企業の社会的責任
日本のコーポレートガバナンス・コードは、2015年から東京証券取引所の上場企業を対象に適用されている。このコーポレートガバナンス・コードに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア:コーポレートガバナンス・コードは、企業価値よりも社会価値を優先し、社会の持続可能性を実現していくことを企業に求めている。
- イ:コーポレートガバナンス・コードは、上場企業に投資家としてのあるべき姿を示し遵守させるガイドラインのことである。
- ウ:コーポレートガバナンス・コードは、上場企業が備える企業の規律の在り方に関するガイドラインであり、法的拘束力はない。
- エ:コーポレートガバナンス・コードは、ステークホルダーの中で投資家の利益を最優先することを企業に求めている。
TSUNAGARU-ADVICE
まず押さえたいこと
コーポレートガバナンス・コードは、上場企業が持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現するために、企業統治の在り方を示したガイドラインです。法律そのものではなく、法的拘束力のないソフトローとして位置付けられます。
迷ったときの判断軸
この論点では、「誰に向けたコードか」と「何を求めているか」を分けて整理しましょう。投資家向けの行動原則はスチュワードシップ・コードであり、コーポレートガバナンス・コードは上場企業向けです。また、投資家の利益だけを最優先するのではなく、株主を含むステークホルダーとの適切な協働を通じて、中長期的な企業価値向上を目指す点がポイントです。
2次試験につなげるために
この論点は企業経営理論であり、2次試験の事例Ⅰに関係します。答案では、統治体制や意思決定の透明性を述べるときに、単なる法令遵守ではなく、取締役会の監督機能、株主やステークホルダーとの関係、中長期的な企業価値向上という視点を持つと、組織面の説明に厚みが出ます。
この問題では、コーポレートガバナンス・コードの対象と性格を理解しているかが問われています。
コーポレートガバナンス・コードは、東京証券取引所が上場会社に対して定めている、実効的なコーポレートガバナンスの実現に資する主要な原則です。企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指すための考え方を示したものです。
法律のように直接の法的拘束力をもつものではなく、原則を実施するか、実施しない場合には理由を説明する「コンプライ・オア・エクスプレイン」の考え方に基づいて運用されます。
したがって、ウが適切です。
❌他選択肢が誤りの理由ア コーポレートガバナンス・コードは、企業価値よりも社会価値を優先し、社会の持続可能性を実現していくことを企業に求めている。
⇒コーポレートガバナンス・コードは、社会価値を企業価値より常に優先させるものではありません。基本的には、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指すための原則です。
イ コーポレートガバナンス・コードは、上場企業に投資家としてのあるべき姿を示し遵守させるガイドラインのことである。
⇒コーポレートガバナンス・コードは、投資家ではなく、主に上場会社側の企業統治の在り方を示すものです。投資家の行動原則に近いものは、スチュワードシップ・コードです。
エ コーポレートガバナンス・コードは、ステークホルダーの中で投資家の利益を最優先することを企業に求めている。
⇒コーポレートガバナンス・コードは、株主だけでなく、従業員、顧客、取引先、地域社会など幅広いステークホルダーとの適切な協働も重視します。投資家の利益のみを最優先するという説明は不適切です。