リーン・スタートアップ|中小企業診断士 令和7年第1次試験 企業経営理論 問11
出典:令和7年度 第1次試験問題 企業経営理論 第11問
分野:企業経営理論 / 技術経営(MOT)
E. リースが提唱したリーン・スタートアップに関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- ア:リーン・スタートアップでは、アーリー・アダプターと呼ばれる流行に敏感かつ自ら情報収集をするような顧客層を巻き込むことが推奨される。
- イ:リーン・スタートアップでは、戦略転換(ピボット)をする最適なタイミングを特定化する手法が提示され、それを使用することが推奨される。
- ウ:リーン・スタートアップでは、想定された顧客が必要とする新規製品・サービスについて仮説を立て、それをもとにコストをかけずに作った実用最小限の製品・サービスを顧客に使ってもらい、顧客の反応を計測することが推奨される。
- エ:リーン・スタートアップは、新規性が非常に高く、顧客が存在するのかどうかも分からないような製品・サービスに適しており、幅広い産業に応用できる。
- オ:リーン・スタートアップは、トヨタ生産方式から影響を受けた考え方である。
TSUNAGARU-ADVICE
まず押さえたいこと
リーン・スタートアップは、不確実性の高い新規事業で、最初から完成品を作り込むのではなく、仮説を立て、実用最小限の製品・サービスを顧客に試してもらい、反応を計測して学習する考え方です。ポイントは、構築・計測・学習のサイクルを素早く回し、必要に応じて方向転換することです。
迷ったときの判断軸
リーン・スタートアップでは、アーリー・アダプターを巻き込みながら、顧客が本当に価値を感じるかを小さく検証します。ただし、ピボットは学習結果に基づいて行うものであり、「最適なタイミングを一意に特定する手法」があると考えるのは行き過ぎです。仮説検証を通じて、続けるのか、方向転換するのかを判断する考え方として整理しましょう。
2次試験につなげるために
この論点は企業経営理論であり、2次試験の事例Ⅱに関係します。新商品開発や新サービス展開を提案する際には、いきなり大規模投資を行うのではなく、試作品、限定販売、テストマーケティングなどで顧客反応を確認し、改善を重ねる流れを書くと、実現可能性の高い施策として説明しやすくなります。
この問題では、リーン・スタートアップの考え方について、仮説検証、MVP、ピボット、顧客からの学習という流れを理解しているかが問われています。
リーン・スタートアップでは、最初から完成度の高い製品を作り込むのではなく、実用最小限の製品・サービスを用いて顧客の反応を測定し、学習しながら改善していきます。
ただし、ピボットを行うかどうかは、顧客の反応や検証結果をもとに判断するものであり、最適なタイミングを機械的に特定する手法が提示されているわけではありません。
したがって、イが不適切です。
❌他選択肢が誤りでない理由ア リーン・スタートアップでは、アーリー・アダプターと呼ばれる流行に敏感かつ自ら情報収集をするような顧客層を巻き込むことが推奨される。
⇒リーン・スタートアップでは、初期段階で新しい製品・サービスに関心をもち、フィードバックを得やすい顧客層を巻き込むことが重要です。アーリー・アダプターを重視する説明として適切です。
ウ リーン・スタートアップでは、想定された顧客が必要とする新規製品・サービスについて仮説を立て、それをもとにコストをかけずに作った実用最小限の製品・サービスを顧客に使ってもらい、顧客の反応を計測することが推奨される。
⇒仮説を立て、MVPを用いて顧客の反応を計測し、学習する流れは、リーン・スタートアップの中心的な考え方です。
エ リーン・スタートアップは、新規性が非常に高く、顧客が存在するのかどうかも分からないような製品・サービスに適しており、幅広い産業に応用できる。
⇒不確実性の高い新規事業では、早期に仮説検証を行うリーン・スタートアップの考え方が適しています。また、ソフトウェア企業に限らず、幅広い産業に応用可能です。
オ リーン・スタートアップは、トヨタ生産方式から影響を受けた考え方である。
⇒リーン・スタートアップは、ムダを減らし、学習を重視する考え方であり、リーン生産方式やトヨタ生産方式の影響を受けています。