コア技術戦略|中小企業診断士 令和7年第1次試験 企業経営理論 問9

出典:令和7年度 第1次試験問題 企業経営理論 第9問 分野:企業経営理論 / 技術経営(MOT)
特定の技術分野に集中し、その技術をベースとした製品を次々と開発・導入する戦略として「コア技術戦略」がある。コア技術戦略の特徴に関する記述として、最も
適切なものはどれか。
  • ア:コア技術戦略では、コア技術が陳腐化したり、競合企業に模倣されたりしても、コア技術の入れ替えは考えず、既存のコア技術にこだわった技術開発や製品開発を追求する。
  • イ:コア技術戦略では、コア技術の活用に注力し、既存市場でのシェア拡大を最優先の目標とする。
  • ウ:コア技術戦略では、コア技術を活用して顧客ニーズに合致した製品を開発することが望ましいが、開発の初期段階ではコア技術よりも既存顧客の要求を優先する。
  • エ:コア技術戦略では、コア技術を基盤に、多様な製品を開発し、その学習成果をコア技術の強化や発展につなげる。
  • オ:コア技術戦略では、特定の技術に経営資源を集中させるため、事業の多角化が難しく、コア技術に依存するリスクを分散しにくい。
解説

この問題では、コア技術戦略が、特定の技術を軸に複数の製品展開を行い、その経験をさらに技術の強化へ結び付ける考え方であることを理解しているかが問われています。

コア技術戦略ダウンロード

コア技術戦略では、企業が強みをもつ中核的な技術を基盤として、多様な製品を開発・導入します。単に1つの製品や既存市場に集中するのではなく、コア技術を複数の用途や製品に展開していく点が特徴です。

また、製品開発を通じて得た知識や経験は、コア技術そのものの改良・強化にもつながります。このように、技術を活用して製品を展開し、その学習成果を再び技術基盤に還元する循環が重要です。

したがって、エが適切です。

❌他選択肢が誤りの理由
ア コア技術戦略では、コア技術が陳腐化したり、競合企業に模倣されたりしても、コア技術の入れ替えは考えず、既存のコア技術にこだわった技術開発や製品開発を追求する。
⇒コア技術戦略では中核技術を重視しますが、技術の陳腐化や模倣に対応せず、既存技術にこだわり続けることを意味するわけではありません。必要に応じて技術の強化や発展が求められます。
イ コア技術戦略では、コア技術の活用に注力し、既存市場でのシェア拡大を最優先の目標とする。
⇒既存市場でのシェア拡大は市場浸透戦略に近い説明です。コア技術戦略では、コア技術を基盤に多様な製品や用途へ展開していく点が重要です。
ウ コア技術戦略では、コア技術を活用して顧客ニーズに合致した製品を開発することが望ましいが、開発の初期段階ではコア技術よりも既存顧客の要求を優先する。
⇒顧客ニーズを踏まえることは重要ですが、コア技術戦略の中心は、コア技術を基盤として製品展開を行うことです。既存顧客の要求をコア技術より優先するという説明は、コア技術戦略の特徴としては不適切です。
オ コア技術戦略では、特定の技術に経営資源を集中させるため、事業の多角化が難しく、コア技術に依存するリスクを分散しにくい。
⇒コア技術戦略では、特定の技術を軸にしながらも、その技術を多様な製品や事業に展開できます。そのため、必ずしも事業の多角化が難しいとはいえません。
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まず押さえたいこと

コア技術戦略は、特定の技術を中核に据え、その技術を応用して複数の製品を展開していく戦略です。単に既存市場でシェアを広げるだけでなく、コア技術を使って新しい製品や用途を生み出し、その経験を通じてコア技術そのものを強化・発展させる点が特徴です。

迷ったときの判断軸

選択肢では、「コア技術に固執するだけの話」なのか、「コア技術を基盤に製品展開と学習を繰り返す話」なのかを見分けましょう。コア技術が陳腐化した場合には見直しも必要であり、既存技術にこだわり続けることが目的ではありません。また、顧客ニーズは重要ですが、コア技術戦略では自社の技術的強みを起点に、どの市場・製品へ展開するかを考える点がポイントです。

2次試験につなげるために

この論点は企業経営理論であり、2次試験の事例Ⅰ・Ⅱに関係します。答案では、単に「技術力を活かす」と書くだけでなく、その技術をどの製品・顧客・用途へ横展開し、開発経験を再び技術力やノウハウの強化につなげるかまで示すと、成長戦略として説得力が高まります。