VRIO|中小企業診断士 令和7年第1次試験 企業経営理論 問3
出典:令和7年度 第1次試験問題 企業経営理論 第3問
分野:企業経営理論 / 戦略の考え方
VRIOフレームワークに基づけば、自社の経営資源の模倣困難性は企業の持続的な競争優位性を左右する。
競合企業が経営資源を模倣する際のコスト上の不利をもたらし、自社の経営資源の模倣困難性を高める要因として、最も適切なものはどれか。
競合企業が経営資源を模倣する際のコスト上の不利をもたらし、自社の経営資源の模倣困難性を高める要因として、最も適切なものはどれか。
- ア:競合企業には他に将来性が高く注力するべき経営資源があること。
- イ:自社が歴史的な経緯で長い時間をかけて、独自の経営資源を獲得してきたこと。
- ウ:自社の経営資源がどのように競争優位性につながっているのかが既に明確になっており、業界に知れ渡っていること。
- エ:自社の経営資源の価値が特定の市場だけに限定されており、他市場では活用できないこと。
- オ:自社の経営資源を代替できる別の経営資源が外部の企業から調達可能であること。
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まず押さえたいこと
VRIOフレームワークでは、経営資源が価値を持ち、希少で、模倣困難で、組織的に活用されているかを見ます。模倣困難性を高める要因としては、歴史的経路依存性、因果関係の不明確性、社会的複雑性などがあります。特に、長い時間をかけて形成された経営資源は、競合が短期間で同じように獲得しにくい点が重要です。
迷ったときの判断軸
「競合がまねしようとしても、なぜ高コストになるのか」を考えると判断しやすくなります。歴史的な経緯で蓄積されたノウハウ・ブランド・信頼関係・組織文化は、資金を投じればすぐ買えるものではありません。一方、競争優位の理由が業界に知れ渡っていたり、代替資源を外部から調達できたりする場合は、模倣困難性は弱まりやすくなります。
2次試験につなげるために
この論点は企業経営理論であり、2次試験の事例Ⅰ・Ⅱに強くつながります。答案では、単に「強みがある」と書くのではなく、その強みが長年の経験・地域密着・顧客との信頼関係・職人技能などに支えられ、競合が容易に模倣できないことまで示すと、競争優位の説明に厚みが出ます。
この問題では、VRIOフレームワークにおける模倣困難性の要因を理解しているかが問われています。
VRIOフレームワークでは、経営資源が価値をもち、希少であり、模倣困難で、組織的に活用されている場合、持続的な競争優位につながりやすいと考えます。
模倣困難性を高める要因には、独自の歴史的経緯、因果関係の不明確性、社会的複雑性などがあります。自社が長い時間をかけて独自の経営資源を獲得してきた場合、競合企業が短期間で同じ資源を再現することは難しく、模倣コストが高くなります。
したがって、イが適切です。
❌他選択肢が誤りの理由ア 競合企業には他に将来性が高く注力するべき経営資源があること。
⇒競合企業の注力対象に関する説明であり、自社の経営資源そのものの模倣困難性を高める要因ではありません。
ウ 自社の経営資源がどのように競争優位性につながっているのかが既に明確になっており、業界に知れ渡っていること。
⇒競争優位の原因が明確で業界に知られている場合、競合企業は模倣しやすくなります。模倣困難性を高めるのは、むしろ競争優位との因果関係が分かりにくい場合です。
エ 自社の経営資源の価値が特定の市場だけに限定されており、他市場では活用できないこと。
⇒経営資源の活用範囲に関する説明であり、競合企業が模倣する際のコスト上の不利を直接もたらす要因ではありません。
オ 自社の経営資源を代替できる別の経営資源が外部の企業から調達可能であること。
⇒代替可能な資源が外部から調達できる場合、競合企業は模倣や代替がしやすくなります。そのため、持続的な競争優位性は弱まりやすくなります。