先渡取引と先物取引|中小企業診断士 令和7年第1次試験 財務・会計 問24
出典:令和7年度 第1次試験問題 財務・会計 第23問
分野:財務・会計 / デリバティブとリスク管理
先渡取引(フォワード)と先物取引(フューチャー)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア:先物取引では、最終取引日までの間に決済不能となるリスクが存在するため、証拠金が必要とされる。
- イ:先物取引では、諸条件は取引当事者間で任意に決定される。
- ウ:先渡取引では、取引開始日が含まれる月を限月という。
- エ:先渡取引では、取引所取引なので価格以外の諸条件は決定済みである。
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まず押さえたいこと
先渡取引と先物取引は、どちらも将来の売買価格をあらかじめ決めておく取引ですが、取引の場と仕組みが異なります。先渡取引は当事者間で条件を決める相対取引、先物取引は取引所で行われる標準化された取引です。まずは先渡=個別契約、先物=取引所取引と押さえましょう。
迷ったときの判断軸
先物取引では、取引所が定めた限月、取引単位、受渡条件などに従って取引されるため、価格以外の条件は標準化されています。また、決済不能リスクに備えるため証拠金制度が設けられています。一方、先渡取引は取引当事者間で満期日や数量などを任意に決めるため、取引所取引ではありません。「限月」や「証拠金」は先物取引に結び付けると判断しやすくなります。
2次試験につなげるために
この論点は財務・会計のデリバティブに関する知識であり、2次試験の事例Ⅳに間接的につながります。為替予約や先物を使う場面では、価格変動リスクをどうヘッジするかが重要です。細かな制度の暗記に偏りすぎず、「個別条件で柔軟にヘッジするのが先渡」「標準化された市場で取引するのが先物」と整理しておくと、リスク管理の説明にもつなげやすくなります。
この問題では、先渡取引と先物取引の違いを、取引所取引か相対取引かという観点から判断することが問われています。
先物取引は、取引所で行われる標準化された取引です。将来の決済に備えて、取引相手が決済不能になるリスクを抑えるため、証拠金の差し入れが求められます。
一方、先渡取引は、取引当事者間で条件を個別に決める相対取引です。取引所で条件が標準化されている先物取引とは異なります。
したがって、アが適切です。
❌他選択肢が誤りの理由イ 先物取引では、諸条件は取引当事者間で任意に決定される。
⇒諸条件を取引当事者間で任意に決定するのは、先渡取引の特徴です。先物取引では、取引所で取引単位や決済日などの条件が標準化されています。
ウ 先渡取引では、取引開始日が含まれる月を限月という。
⇒限月は、先物取引において決済期限となる月を指します。取引開始日が含まれる月ではなく、また先渡取引の説明としても不適切です。
エ 先渡取引では、取引所取引なので価格以外の諸条件は決定済みである。
⇒取引所取引で、価格以外の諸条件が標準化されているのは先物取引です。先渡取引は相対取引であり、条件は当事者間で個別に決めます。