スワップ|中小企業診断士 令和7年第1次試験 財務・会計 問25
出典:令和7年度 第1次試験問題 財務・会計 第24問
分野:財務・会計 / デリバティブとリスク管理
スワップに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア:金利スワップおよび通貨スワップでは、変動金利同士を交換する取引は行われない。
- イ:通貨スワップでは、金利だけを交換する取引は行われない。
- ウ:通常の金利スワップ取引では、取引開始日と取引終了日に元本が交換される。
- エ:通常の通貨スワップ取引では、異なる通貨の元本および金利が交換される。
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まず押さえたいこと
スワップは、将来にわたって発生するキャッシュフローを交換する取引です。金利スワップでは、通常、同じ通貨のもとで固定金利と変動金利などを交換し、元本そのものは交換しません。一方、通貨スワップでは、異なる通貨間で元本と金利を交換するのが基本です。
迷ったときの判断軸
金利スワップと通貨スワップを区別するときは、「通貨が同じか異なるか」「元本を交換するか」に注目しましょう。金利スワップは同一通貨の金利条件の交換なので、元本は計算上の基準として使われるだけです。通貨スワップは異なる通貨を交換するため、通常は取引開始時と終了時に元本を交換し、期間中は金利も交換します。
2次試験につなげるために
この論点は財務・会計のデリバティブに関する知識であり、2次試験の事例Ⅳに間接的につながります。事例企業の資金調達や為替リスク管理を考える際には、「金利変動リスクを抑えるのか」「為替リスクも含めて管理するのか」を切り分ける視点が大切です。細かな取引条件の暗記に偏りすぎず、リスクをどのキャッシュフローで交換・調整しているのかを意識しましょう。
この問題では、金利スワップと通貨スワップの違いを、元本の交換があるかどうかという観点から判断することが問われています。
スワップとは、将来の一定期間にわたって、金利や通貨などに基づくキャッシュフローを交換する取引です。金利スワップでは、通常、同じ通貨建ての固定金利と変動金利などを交換しますが、元本そのものは交換しません。
一方、通貨スワップでは、異なる通貨間で元本と金利を交換するのが通常です。たとえば、円建ての元本・金利とドル建ての元本・金利を交換するような取引です。
したがって、エが適切です。
❌他選択肢が誤りの理由ア 金利スワップおよび通貨スワップでは、変動金利同士を交換する取引は行われない。
⇒変動金利同士を交換する取引もあります。金利スワップや通貨スワップは、固定金利と変動金利の交換だけに限定されません。
イ 通貨スワップでは、金利だけを交換する取引は行われない。
⇒通貨スワップでは通常、元本と金利を交換しますが、取引形態によっては金利部分の交換が中心となるものもあります。「金利だけを交換する取引は行われない」と断定する点が不適切です。
ウ 通常の金利スワップ取引では、取引開始日と取引終了日に元本が交換される。
⇒通常の金利スワップでは、同じ通貨建ての想定元本を基準に金利差額を交換します。元本そのものは交換しません。元本を交換するのは、通常の通貨スワップの特徴です。