ポートフォリオ理論|中小企業診断士 令和7年第1次試験 財務・会計 問21
出典:令和7年度 第1次試験問題 財務・会計 第20問(設問2)
分野:財務・会計 / 証券投資
以下の図は、縦軸に投資の期待収益率、横軸に当該投資収益率のリスクをとった平面上に、ポートフォリオ理論の下での、危険資産と安全資産の投資機会集合を示したものである。
これに関して、下記の設問に答えよ。なお、点Cは、点Eと点Gを結ぶ直線と、点Aと点Dを結ぶ曲線の接点である。
安全資産が存在する場合の記述として、最も適切なものはどれか。
安全資産が存在する場合の記述として、最も適切なものはどれか。- ア:安全資産による資金の貸借ができるならば、効率的フロンティアは点Eと点Gを結ぶ直線である。
- イ:点Cは安全資産と複数の危険資産で作られるポートフォリオである。
- ウ:点Eと点Gを結ぶ直線を証券市場線という。
- エ:リスク回避的な投資家の保有するポートフォリオのリスクプレミアムは、市場ポートフォリオのそれよりも小さい。
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まず押さえたいこと
安全資産がある場合は、危険資産だけで作る効率的フロンティアに、安全資産を組み合わせた直線が加わります。このとき、安全資産と接点ポートフォリオを結ぶ線が資本市場線であり、投資家はこの線上でリスクと期待収益率の組み合わせを選びます。
迷ったときの判断軸
点Eは安全資産、点Cは危険資産だけで構成される接点ポートフォリオ、点Gは安全資産で借入れをして危険資産への投資を増やしたポートフォリオと整理します。点Eと点Gを結ぶ直線は証券市場線ではなく資本市場線です。また、リスク回避的な投資家でも、借入れをして点Cより右上のポートフォリオを選ぶ場合には、市場ポートフォリオより大きなリスクプレミアムを得ることもあるため、一律に小さいとはいえません。
2次試験につなげるために
この論点は財務・会計の証券投資論であり、2次試験の事例Ⅳに間接的につながります。事例Ⅳでは細かな図の名称よりも、「安全資産を組み合わせるとリスク調整後の投資機会が広がる」「借入れを使うとリスクも期待収益率も高まる」という関係を説明できるようにしておくと、資本コストや投資判断の理解につながります。
この問題では、安全資産が存在する場合に、危険資産だけの効率的フロンティアではなく、安全資産と接点ポートフォリオを結ぶ直線が重要になる点が問われています。
安全資産が存在し、さらに安全資産による資金の貸借ができる場合、投資家は安全資産と接点ポートフォリオを組み合わせることができます。図では、点Eが安全資産、点Cが危険資産の接点ポートフォリオであり、点Eと点Gを結ぶ直線が効率的フロンティアになります。
この直線は、一般に資本市場線と呼ばれます。投資家は自身のリスク回避度に応じて、この直線上の点を選択します。
したがって、アが適切です。
❌他選択肢が誤りの理由イ 点Cは安全資産と複数の危険資産で作られるポートフォリオである。
⇒点Cは、安全資産と組み合わせる対象となる接点ポートフォリオであり、複数の危険資産で構成されるポートフォリオです。安全資産を含むポートフォリオではありません。
ウ 点Eと点Gを結ぶ直線を証券市場線という。
⇒点Eと点Gを結ぶ直線は、リスクと期待収益率の関係を示す資本市場線です。証券市場線は、横軸にベータをとって個別証券やポートフォリオの期待収益率を示す線です。
エ リスク回避的な投資家の保有するポートフォリオのリスクプレミアムは、市場ポートフォリオのそれよりも小さい。
⇒リスク回避的な投資家でも、リスク回避度の低い投資家は安全資産を借り入れて接点ポートフォリオへの投資を増やすことがあります。その場合、リスクプレミアムは市場ポートフォリオより大きくなるため、一律に小さいとはいえません。