営業レバレッジ|中小企業診断士 令和7年第1次試験 財務・会計 問13
出典:令和7年度 第1次試験問題 財務・会計 第13問
分野:財務・会計 / 経営分析
営業レバレッジ(オペレーティング・レバレッジ)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア:営業レバレッジが低い企業は、営業レバレッジが高い企業に比べて、売上高が減少しても利益が減少しにくい状態であるといえる。
- イ:営業レバレッジの状況は、営業利益と当期純利益から把握できる。
- ウ:営業レバレッジは、一般的に、製造業の企業よりも小売業の企業の方が高くなる傾向にある。
- エ:営業レバレッジは、固定費を削減して変動費を増やすことによって高めることができる。
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まず押さえたいこと
営業レバレッジは、売上高の変化に対して営業利益がどれだけ大きく変動するかを表します。固定費の割合が高い企業ほど、売上が増えたときに利益が大きく伸びやすい一方、売上が減ったときには利益も大きく落ち込みやすくなります。つまり、営業レバレッジが高いほど、売上変動に対する利益変動のリスクが大きいと考えます。
迷ったときの判断軸
営業レバレッジは、固定費と変動費の構造から判断します。固定費が大きいほど営業レバレッジは高く、固定費を削減して変動費化すると営業レバレッジは低くなります。また、営業レバレッジは営業利益の変動に注目するため、当期純利益ではなく、売上高・変動費・固定費・営業利益の関係で把握する点に注意しましょう。
2次試験につなげるために
この論点は財務・会計の知識であり、2次試験の事例Ⅳに強くつながります。事例企業の収益構造を説明するときは、「固定費が重いので売上減少時に利益が悪化しやすい」「変動費化により損益分岐点を下げられる」といった形で、費用構造と利益リスクを結び付けて考えると、答案の説得力が高まります。
この問題では、営業レバレッジが何を表し、売上高の変動に対して利益がどれだけ大きく変動するかを理解しているかが問われています。
営業レバレッジとは、固定費の存在によって、売上高の変化に対して営業利益がどの程度大きく変化するかを示す考え方です。固定費の割合が高い企業ほど、売上高が増えたときには利益が大きく増えますが、売上高が減ったときには利益も大きく減りやすくなります。
そのため、営業レバレッジが低い企業は、営業レバレッジが高い企業に比べて、売上高が減少しても利益が減少しにくい状態であるといえます。
したがって、アが適切です。
❌他選択肢が誤りの理由イ 営業レバレッジの状況は、営業利益と当期純利益から把握できる。
⇒営業レバレッジは、本業の収益構造における固定費と変動費の関係から把握します。当期純利益には営業外損益や特別損益、税金なども影響するため、営業レバレッジの把握には適しません。
ウ 営業レバレッジは、一般的に、製造業の企業よりも小売業の企業の方が高くなる傾向にある。
⇒製造業は設備投資や工場などの固定費が大きくなりやすいため、一般に小売業より営業レバレッジが高くなる傾向があります。
エ 営業レバレッジは、固定費を削減して変動費を増やすことによって高めることができる。
⇒固定費を削減し、変動費の割合を高めると、売上高の変動に対する利益の振れ幅は小さくなります。そのため、営業レバレッジは高まるのではなく低下します。