固定資産|中小企業診断士 令和7年第1次試験 財務・会計 問5

出典:令和7年度 第1次試験問題 財務・会計 第5問 分野:財務・会計 / 企業会計の基礎
固定資産に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • ア:資産計上したソフトウェアは、減損処理の対象とはならない。
  • イ:ソフトウェアは、CD-ROMで購入する場合であっても、無形固定資産に属する。
  • ウ:無形固定資産の償却方法は一律に定率法であるが、有形固定資産の減価償却方法には、定額法なども認められている。
  • エ:有形固定資産・無形固定資産ともに、貸借対照表において、取得原価から減価償却累計額を控除する形式で表示することができる。
解説

この問題では、ソフトウェアの資産区分と、固定資産の償却・表示方法について問われています。

ソフトウェアの資産区分ダウンロード

ソフトウェアは、CD-ROMなどの物理的な媒体で購入した場合でも、本質的にはプログラムを利用する権利や機能を取得するものです。そのため、一定期間にわたって利用する目的で取得したソフトウェアは、無形固定資産に属します。

したがって、イが適切です。

❌他選択肢が誤りの理由
ア 資産計上したソフトウェアは、減損処理の対象とはならない。
⇒資産計上したソフトウェアも、収益性の低下などにより投資額の回収が見込めない場合には、減損処理の対象となります。
ウ 無形固定資産の償却方法は一律に定率法であるが、有形固定資産の減価償却方法には、定額法なども認められている。
⇒無形固定資産は、一般に定額法などにより償却します。一律に定率法であるという点が誤りです。
エ 有形固定資産・無形固定資産ともに、貸借対照表において、取得原価から減価償却累計額を控除する形式で表示することができる。
⇒有形固定資産では、取得原価から減価償却累計額を控除する形式で表示できます。一方、無形固定資産は、原則として償却後の未償却残高で表示するため、「ともに」とする点が不適切です。
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まず押さえたいこと

固定資産の問題では、有形固定資産と無形固定資産の共通点・相違点を整理することが大切です。ソフトウェアは、媒体がCD-ROMなどであっても、実質的にはプログラムを利用する権利や機能に価値があるため、無形固定資産として扱います。また、資産計上されたソフトウェアも、収益性が著しく低下すれば減損処理の対象になります。

迷ったときの判断軸

ひっかけになりやすいのは、「形がある媒体で購入したから有形固定資産」と考えてしまう点です。CD-ROMという物理的な形ではなく、取得した資産の本質がソフトウェアであることに注目しましょう。また、無形固定資産の償却方法が一律に定率法という整理は誤りで、通常は定額法などにより償却します。表示方法についても、有形固定資産と無形固定資産で、減価償却累計額の表示形式を同じように考えすぎないよう注意が必要です。

2次試験につなげるために

この論点は財務・会計の会計処理であり、2次試験の事例Ⅳにも間接的につながります。ソフトウェア投資や設備投資は、貸借対照表の資産額、減価償却費、営業利益に影響します。事例企業のIT投資や設備更新を読むときも、「支出をすぐ費用にするのか、資産計上して期間配分するのか」という視点を持つと、財務面の影響を整理しやすくなります。