所得税|中小企業診断士 令和7年第1次試験 経済学・経済政策 問24
出典:令和7年度 第1次試験問題 経済学・経済政策 第19問
分野:経済学・経済政策 / 経済指標の見方や読み方
下図は、所得税において一定の所得水準までは課税しない基礎控除の効果を考えるため、縦軸に税額、横軸に所得をはかり、線形の課税線OABを描いている。
このうちABの部分は、
T = t(Y- A)
で定義され、Yは所得金額、Tは税額、tは比例税率、A(図の線分OA)は基礎控除額を表している。
この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a 所得Y1を得る者と所得Y2を得る者では、追加的な同額の所得に対して課せられる税額が等しい。
b 所得全体に占める税額の割合は、所得Y1を得る者の方が所得Y2を得る者よりも大きい。
c 税率を一定にしたまま基礎控除額をY0まで引き上げることによる減税額は、所得Y2を得る者の方が所得Y1を得る者よりも大きい。
このうちABの部分は、
T = t(Y- A)
で定義され、Yは所得金額、Tは税額、tは比例税率、A(図の線分OA)は基礎控除額を表している。
この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a 所得Y1を得る者と所得Y2を得る者では、追加的な同額の所得に対して課せられる税額が等しい。
b 所得全体に占める税額の割合は、所得Y1を得る者の方が所得Y2を得る者よりも大きい。
c 税率を一定にしたまま基礎控除額をY0まで引き上げることによる減税額は、所得Y2を得る者の方が所得Y1を得る者よりも大きい。
- ア:a:正 b:正 c:正
- イ:a:正 b:正 c:誤
- ウ:a:正 b:誤 c:誤
- エ:a:誤 b:正 c:誤
- オ:a:誤 b:誤 c:正
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まず押さえたいこと
基礎控除がある比例税では、課税対象は所得全体ではなく、所得から基礎控除額を差し引いた部分です。税額はT=t(Y-A)で表されるため、税率tが一定であれば、追加的な所得にかかる税額、つまり限界税率は所得水準にかかわらず同じになります。
迷ったときの判断軸
この問題では、限界税率と平均税率を分けて考えることが重要です。限界税率は直線ABの傾きなので、所得Y1でもY2でも同じです。一方、所得全体に占める税額の割合である平均税率は、基礎控除の影響により、所得が高いほど大きくなります。また、基礎控除額を同じだけ引き上げた場合、税率が一定なら減税額は所得水準にかかわらず同じです。
2次試験につなげるために
この論点は経済学・経済政策の税制に関する知識であり、2次試験に無理につなげるより、1次試験対策として整理することが重要です。「追加分にかかる税率」と「所得全体に対する税負担率」を混同しないようにすると、比例税・累進税・控除の問題を安定して判断できます。
この問題では、基礎控除がある比例税のもとで、限界税率、平均税率、基礎控除引上げによる減税額を区別できるかが問われています。
aについて、課税線ABの傾きは比例税率tを表しています。所得Y1を得る者も所得Y2を得る者も、追加的な同額の所得に対しては同じ税率tが課されるため、追加的に課せられる税額は等しくなります。したがって、aは正しい記述です。
bについて、所得全体に占める税額の割合は平均税率を表します。基礎控除があるため、所得が高いほど、控除部分の影響が相対的に小さくなり、平均税率は高くなります。したがって、所得Y1を得る者の方が所得Y2を得る者よりも大きい、という記述は誤りです。
cについて、税率を一定にしたまま基礎控除額をY0まで引き上げると、Y1を得る者もY2を得る者も、課税所得が同じだけ減少します。そのため、減税額はどちらも同じであり、所得Y2を得る者の方が大きいとはいえません。したがって、cは誤りです。
したがって、ウが適切です。
--- ❌他選択肢が誤りの理由ア a:正 b:正 c:正
⇒bとcの判断が誤りです。平均税率は所得が高いほど大きくなりやすく、基礎控除額の引上げによる減税額はY1を得る者とY2を得る者で同じです。
イ a:正 b:正 c:誤
⇒bの判断が誤りです。基礎控除がある場合、所得が高いほど控除の影響が小さくなるため、平均税率はY1を得る者よりY2を得る者の方が大きくなります。
エ a:誤 b:正 c:誤
⇒aとbの判断が誤りです。課税線ABの傾きは一定なので、追加的な同額の所得に対する税額は等しく、平均税率は所得Y2を得る者の方が大きくなります。
オ a:誤 b:誤 c:正
⇒aとcの判断が誤りです。追加的な同額の所得に対する税額は等しく、基礎控除額をY0まで引き上げた場合の減税額は、Y1を得る者とY2を得る者で同じです。