フィッシャー方程式|中小企業診断士 令和7年第1次試験 経済学・経済政策 問10

出典:令和7年度 第1次試験問題 経済学・経済政策 第9問 分野:経済学・経済政策 / 経済指標の見方や読み方
物価上昇率と利子率の関係に関する考え方にフィッシャー方程式がある。フィッシャー方程式に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

a 名目利子率は、実質利子率から期待物価上昇率を控除したものである。
b 名目利子率が上昇しても、これと同じだけ物価上昇率が高くなると、実質利子率は変化しない。
c 名目利子率が一定で将来の物価上昇が見込まれるとき、実質利子率は低下する。
  • ア:a:正  b:正  c:正
  • イ:a:正  b:正  c:誤
  • ウ:a:正  b:誤  c:正
  • エ:a:誤  b:正  c:正
  • オ:a:誤  b:正  c:誤
解説
🧠解説(読点+ですます調)

この問題では、フィッシャー方程式における名目利子率、実質利子率、期待物価上昇率の関係が問われています。

フィッシャー方程式は、簡略化すると「名目利子率=実質利子率+期待物価上昇率」と表されます。つまり、実質利子率は「名目利子率-期待物価上昇率」で考えます。

aについて、名目利子率は、実質利子率から期待物価上昇率を控除したものではなく、実質利子率に期待物価上昇率を加えたものです。したがって、aは誤りです。

bについて、名目利子率が上昇しても、期待物価上昇率も同じだけ上昇すれば、差し引き後の実質利子率は変化しません。したがって、bは正しい記述です。

cについて、名目利子率が一定のまま将来の物価上昇が見込まれると、期待物価上昇率が高まるため、実質利子率は低下します。したがって、cは正しい記述です。

したがって、が適切です。

--- ❌他選択肢が誤りの理由
ア a:正  b:正  c:正
⇒aが誤りです。名目利子率は、実質利子率に期待物価上昇率を加えたものです。
イ a:正  b:正  c:誤
⇒aとcの判断が誤りです。aは誤りで、名目利子率が一定のまま期待物価上昇率が高まると、実質利子率は低下します。
ウ a:正  b:誤  c:正
⇒aとbの判断が誤りです。aは誤りで、名目利子率と期待物価上昇率が同じだけ上昇すれば、実質利子率は変化しません。
オ a:誤  b:正  c:誤
⇒cの判断が誤りです。名目利子率が一定で将来の物価上昇が見込まれると、実質利子率は低下します。
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まず押さえたいこと

フィッシャー方程式は、名目利子率・実質利子率・期待物価上昇率の関係を整理する考え方です。基本は、名目利子率=実質利子率+期待物価上昇率です。したがって、実質利子率を考えるときは、名目利子率から期待物価上昇率を差し引いて考えます。

迷ったときの判断軸

ひっかけになりやすいのは、「足すのか、引くのか」です。名目利子率は、見た目の利子率なので、そこには物価上昇分も含まれています。実質利子率を知りたいときは、名目利子率から物価上昇率を控除します。名目利子率と物価上昇率が同じだけ上がれば実質利子率は変わらず、名目利子率が一定のまま物価上昇が見込まれれば実質利子率は低下します。

2次試験につなげるために

この論点は経済学・経済政策の知識であり、2次試験に無理につなげるより、1次試験対策として整理することが重要です。「名目は見た目、実質は物価上昇分を差し引いたもの」と押さえると、利子率だけでなく、賃金やGDPなどの名目・実質の違いにも応用しやすくなります。