加速度原理|中小企業診断士 令和7年第1次試験 経済学・経済政策 問9
出典:令和7年度 第1次試験問題 経済学・経済政策 第8問
分野:経済学・経済政策 / 経済指標の見方や読み方
加速度原理の考え方による投資の決定に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a:生産量の増加が前期に比べて大きくなるとき、投資は増加していく。
b:生産量の増加が前期と同じとき、投資の増加率はゼロになる。
c:生産量の増加が前期に比べて小さくなると、投資はゼロになる。
a:生産量の増加が前期に比べて大きくなるとき、投資は増加していく。
b:生産量の増加が前期と同じとき、投資の増加率はゼロになる。
c:生産量の増加が前期に比べて小さくなると、投資はゼロになる。
- ア:a:正 b:正 c:誤
- イ:a:正 b:誤 c:正
- ウ:a:正 b:誤 c:誤
- エ:a:誤 b:正 c:誤
- オ:a:誤 b:誤 c:正
TSUNAGARU-ADVICE
まず押さえたいこと
加速度原理では、投資は生産量そのものではなく、生産量の増加分の変化に反応すると考えます。つまり、売上や生産が増えているだけでは不十分で、「増え方が前より大きくなっているか、小さくなっているか」が投資判断のポイントになります。
迷ったときの判断軸
「生産量が増加しているか」ではなく、「生産量の増加幅が拡大しているか」を見ましょう。増加幅が前期より大きくなれば投資は増加します。増加幅が前期と同じなら、必要な資本ストックの増え方も同じなので、投資額は同水準となり、投資の増加率はゼロと考えられます。一方、増加幅が小さくなっても、生産量が増えている限り投資が直ちにゼロになるとは限りません。
2次試験につなげるために
この論点は経済学・経済政策の理論であり、2次試験に無理につなげるより、1次試験対策として割り切って整理することが重要です。「水準」ではなく「変化率の変化」に注目する考え方として押さえると、加速度原理のひっかけを避けやすくなります。
この問題では、加速度原理において、投資が「生産量の水準」ではなく「生産量の増加分」によって決まる点を理解しているかが問われています。
加速度原理では、企業が生産量を増やすためには、それに応じた設備が必要になるため、生産量の増加分が大きいほど投資も大きくなると考えます。
aについて、生産量の増加が前期に比べて大きくなる場合、必要な設備もさらに増えるため、投資は増加していきます。したがって、aは正しい記述です。
bについて、生産量の増加が前期と同じ場合、必要な追加設備の規模も同じになるため、投資額は前期と同じになります。つまり、投資の増加率はゼロになります。したがって、bは正しい記述です。
cについて、生産量の増加が前期に比べて小さくなっても、生産量自体が増加している限り、投資はゼロになるとは限りません。投資は減少しますが、なお正の値をとることがあります。したがって、cは誤りです。
したがって、アが適切です。
--- ❌他選択肢が誤りの理由イ a:正 b:誤 c:正
⇒bとcの判断が誤りです。生産量の増加が前期と同じなら投資の増加率はゼロであり、生産量の増加が小さくなっても投資が必ずゼロになるわけではありません。
ウ a:正 b:誤 c:誤
⇒bの判断が誤りです。生産量の増加が前期と同じであれば、投資は前期と同じ水準になり、投資の増加率はゼロです。
エ a:誤 b:正 c:誤
⇒aの判断が誤りです。加速度原理では、生産量の増加分が前期より大きくなると、必要な設備投資も増えると考えます。
オ a:誤 b:誤 c:正
⇒a、b、cの判断がいずれも誤りです。aとbは正しく、cは誤りです。