国民経済計算|中小企業診断士試験 令和7年第1次試験 問4
出典:令和7年度 第1次試験問題 経済学・経済政策 第4問
分野:経済学・経済政策 / マクロ経済理論と経済政策
国民経済計算の考え方に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ア:GDP は、フローとストックの混合概念である。
- イ:GDP は、持ち家の帰属家賃を含み、住宅建築を含まない。
- ウ:株式の配当や預金の利子は、GDP に含まれない。
- エ:消防、警察などの行政サービスは無料なので、GDP に含まれない。
- オ:輸入の減少は、GDP を増加させる。
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まず押さえたいこと
GDPは、一定期間に国内で新たに生み出された付加価値を表すフローの概念です。土地や住宅の残高のようなストックではなく、「1年間にどれだけ生産されたか」を見る指標だと押さえましょう。また、市場で取引されない一部のサービスも、経済活動として評価される点に注意が必要です。
迷ったときの判断軸
GDPの問題では、「お金の受け渡しがないから含まれない」と短絡しないことが大切です。持ち家の帰属家賃や行政サービスは、実際の支払いがなくてもGDPに含まれます。一方、輸入は国内で生み出された付加価値ではないため、GDPを計算するときは差し引きます。そのため、他の条件が同じなら、輸入の減少はGDPを押し上げる方向に働きます。
2次試験につなげるために
この論点は経済学・経済政策の知識であり、2次試験に無理につなげるより、1次試験対策として整理することが重要です。特に、GDPは「国内で」「一定期間に」「新たに生み出された付加価値」という3点で判断すると、ひっかけ選択肢を避けやすくなります。
この問題では、GDPに「何が含まれるか」を理解しているかが問われています。
GDPは、一定期間内に国内で新たに生産された付加価値の合計です。そのため、財・サービスの生産に直接対応しない所得の受け取りは、GDPには含まれません。
株式の配当や預金の利子は、財・サービスの生産そのものではなく、資産の保有にともなって得られる所得です。そのため、GDPには含まれません。
したがって、ウが適切です。
❌他選択肢が誤りの理由ア:GDP は、フローとストックの混合概念である。
⇒GDPは、一定期間に生み出された付加価値を表すため、フローの概念です。ストックは、ある時点での資産残高などを表します。
イ:GDP は、持ち家の帰属家賃を含み、住宅建築を含まない。
⇒持ち家の帰属家賃はGDPに含まれますが、住宅建築も投資としてGDPに含まれます。「住宅建築を含まない」という点が誤りです。
エ:消防、警察などの行政サービスは無料なので、GDP に含まれない。
⇒消防や警察などの行政サービスは、市場価格がなくても、政府サービスとしてGDPに含まれます。一般に、費用をもとに評価されます。
オ:輸入の減少は、GDP を増加させる。
⇒輸入はGDPの計算上控除されますが、輸入の減少だけでGDPが増加するとはいえません。GDPは国内で生産された付加価値を表すため、輸入減少が国内生産の増加を意味するとは限らないからです。