ROC曲線で用いられる偽陽性率の説明|科目A-1 令和7年 秋期午前試験 問3
出典:令和7年秋期 午前 問3
分野:基礎理論(中分類) / 情報に関する理論
AIにおける機械学習において,2クラス分類モデルの評価方法の一つであるROC曲線で用いられる偽陽性率の説明として,最も適切なものはどれか。ここで,分類されるデータには正しいものと間違っているものが含まれるものとする。
- ア:"間違い"と予測したデータのうち,実際は"正しい"データの割合
- イ:実際に"間違い"であるデータに対し,誤って"正しい"と予測したデータの割合
- ウ:実際に"間違い"であるデータに対し,正しく"間違い"と予測したデータの割合
- エ:全データのうち,実際に正しく予測できなかったデータの割合
TSUNAGARU-ADVICE
まず押さえたいこと
ROC曲線で使う偽陽性率は、実際には陰性であるデータを、誤って陽性と判定した割合です。この問題では「正しい」を陽性、「間違い」を陰性と見ると、実際に間違いであるものを正しいと予測した割合が偽陽性率になります。
迷ったときの判断軸
「偽陽性」は、予測結果だけでなく、実際の分類とのズレで判断します。先に「実際には陰性のデータ」を母数にし、その中で「陽性と予測してしまったもの」を探すと、適合率や正解率との混同を避けやすくなります。
科目Bにつなげるために
特にプロフェッショナルデジタルスキル(データ・AI)試験合格を目指す方は、モデル評価で単に正解率を見るだけでなく、偽陽性と偽陰性のどちらを減らすべきかを業務リスクに合わせて判断する視点が重要です。例えば不正検知や品質判定では、誤判定の影響まで考えてしきい値を調整する問題につながります。
2値分類モデルでは、AIの予測結果を「実際の正解」と比べて、4つに分けて整理します。
たとえば、「陽性か陰性か」を判定するモデルでは、AIが陽性と予測したか、陰性と予測したか、そして実際は陽性だったか、陰性だったかを組み合わせて考えます。
この4つの値を使うと、モデルの性能をいろいろな観点から評価できます。
正解率は全体としてどれだけ当たったかを見る指標です。ただし、陽性と陰性の数に大きな偏りがある場合は、正解率だけではモデルの良し悪しを判断しにくいことがあります。
適合率は、「陽性と判定したものがどれだけ本当に陽性だったか」を見る指標です。誤って陽性と判定することを減らしたい場合に重要です。
再現率は、「本当に陽性のものをどれだけ見逃さずに見つけられたか」を見る指標です。病気の検査や不正検知のように、見逃しを減らしたい場合に重要です。
つまり、2値分類では、TP・FP・FN・TNの4つを整理したうえで、目的に応じて正解率、適合率、再現率、特異度などを使い分けることが大切です。
したがって、イが適切です。
❌他選択肢が誤りの理由ア:"間違い"と予測したデータのうち,実際は"正しい"データの割合
⇒これは、"間違い"と予測したものの中に、実際は"正しい"データがどれだけ含まれるかを表しています。偽陽性率は、実際に"間違い"であるデータを母数にするため、母数の考え方が異なります。
ウ:実際に"間違い"であるデータに対し,正しく"間違い"と予測したデータの割合
⇒これは、実際に陰性であるデータを正しく陰性と予測した割合であり、真陰性率に当たります。偽陽性率は、実際に"間違い"であるデータを誤って"正しい"と予測した割合です。
エ:全データのうち,実際に正しく予測できなかったデータの割合
⇒これは、分類全体の誤りの割合であり、誤分類率に当たります。偽陽性率は、全データではなく、実際に陰性であるデータを母数として計算します。