エラープルーフ化の例|情報セキュリティマネジメント 令和4年 サンプル問題 問38

出典:令和4年度 サンプル問題 科目A 問38 分野:サービスマネジメント(中分類) / サービスの運用
ヒューマンエラーに起因する障害を発生しにくくする方法に,エラープルーフ化がある。運用作業におけるエラープルーフ化の例として,最も適切なものはどれか。
  • ア:画面上の複数のウィンドウを同時に使用する作業では,ウィンドウを間違えないようにウィンドウの背景色をそれぞれ異なる色にする。
  • イ:長時間に及ぶシステム監視作業では,疲労が蓄積しないように,2時間おきに交代で休憩を取得する体制にする。
  • ウ:ミスが発生しやすい作業について,過去に発生したヒヤリハット情報を共有して同じミスを起こさないようにする。
  • エ:臨時の作業を行う際にも落ち着いて作業ができるように,臨時の作業の教育や訓練を定期的に行う。
解説

エラープルーフ化は、人が誤った操作をしようとしても、ミスが起こりにくいように作業環境や仕組みそのものを工夫することです。注意力や経験だけに頼らず、誤操作を防ぎやすい設計にすることがポイントです。

基本要素としては下記の5つが挙げられます。

  1. 排除:エラーが起きやすい作業そのものをなくすことです。たとえば、手入力がミスの原因になるなら、手入力を不要にする仕組みにします。
  2. 代替化:人が行っていた記憶・判断・動作を、システムに代わりに行わせることです。たとえば、計算を人が行うのではなく、システムで自動計算するようにします。
  3. 容易化:人が行う作業を簡単にして、エラーを起こしにくくすることです。たとえば、入力候補をプルダウンで選べるようにし、入力ミスを減らします。
  4. 異常検出:エラーが起きたときに、すぐ気付けるようにすることです。たとえば、入力値が範囲外の場合に警告を表示します。
  5. 影響緩和:エラーが起きても、被害や影響を小さくすることです。たとえば、削除操作の前に確認画面を出したり、バックアップから復元できるようにしたりします。

本問では、「ウィンドウを間違えないように」「背景色をそれぞれ異なる色にする」という部分が判断のポイントです。作業対象を視覚的に区別しやすくすることで、操作対象の取り違えを防止できるため、が最も適切です。

❌他選択肢が誤りの理由
イ:長時間に及ぶシステム監視作業では,疲労が蓄積しないように,2時間おきに交代で休憩を取得する体制にする。
⇒疲労によるミスを減らすための人的・運用上の対策です。作業そのものを誤りにくい仕組みに変えるエラープルーフ化とは異なります。
ウ:ミスが発生しやすい作業について,過去に発生したヒヤリハット情報を共有して同じミスを起こさないようにする。
⇒注意喚起や情報共有によって再発防止を図る対策です。人の注意に依存しており、誤操作を起こしにくくする仕組みそのものではありません。
エ:臨時の作業を行う際にも落ち着いて作業ができるように,臨時の作業の教育や訓練を定期的に行う。
⇒教育や訓練によって作業者の習熟度を高める対策です。これも人の能力向上を目的としたものであり、エラープルーフ化そのものではありません。
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まず押さえたいこと

エラープルーフ化は、人が間違えにくいように作業方法や仕組みそのものを工夫することです。例えば、操作対象ごとに画面の色を変えることで、別のウィンドウを誤って操作するミスを起こしにくくできます。

迷ったときの判断軸

エラープルーフ化では、「注意する」「教育する」だけでなく、間違えようとしても間違えにくい仕組みになっているかを見ます。休憩、ヒヤリハット共有、教育・訓練も有効な対策ですが、作業環境そのものを工夫して誤操作を防ぐ対策とは区別しましょう。

科目Bにつなげるために

科目Bでは、設定変更や運用作業のミスを防ぐ対策として、確認画面、入力制限、色分け、自動チェックなどが登場します。利用者の注意力だけに頼らず、仕組みでミスを起こしにくくするという視点を持つと、人的ミスへの対策を判断しやすくなります。