ポスト量子暗号(PQC)|情報処理安全確保支援士 シラバス準拠予想問題2 問3

出典:3.8:情報セキュリティに関する技術 分野:セキュリティ / 情報セキュリティ
ポスト量子暗号(PQC)の説明として,最も適切なものはどれか。
  • ア:量子力学の性質を利用して暗号鍵を配送し,盗聴が行われた場合にその痕跡を検出できるようにする技術である。
  • イ:暗号化と復号に同じ鍵を用いる方式であり,公開鍵暗号方式よりも高速に大量のデータを暗号化できる方式である。
  • ウ:計算能力の向上や解読技術の進展によって,従来は安全とされた暗号方式の安全性が低下する状態である。
  • エ:量子コンピュータによる解読にも耐えられるよう,数学的な困難性に基づいて設計された暗号アルゴリズムである。
解説

ポスト量子暗号(PQC:Post-Quantum Cryptography)は、量子コンピュータによる解読にも耐えられるように設計された暗号アルゴリズムです。

現在広く使われているRSA暗号や楕円曲線暗号などの公開鍵暗号は、将来的に高性能な量子コンピュータによって解読されるリスクがあります。PQCは、量子コンピュータでも効率的に解くことが難しいと考えられる数学的問題に基づいて、安全性を確保しようとする暗号方式です。

したがって、が適切です。

❌他選択肢が誤りの理由
ア:量子力学の性質を利用して暗号鍵を配送し,盗聴が行われた場合にその痕跡を検出できるようにする技術である。
⇒量子鍵配送(QKD)の説明です。量子力学の性質を利用して鍵配送の安全性を高める技術であり、数学的な困難性に基づいて設計されるポスト量子暗号とは異なります。
イ:暗号化と復号に同じ鍵を用いる方式であり,公開鍵暗号方式よりも高速に大量のデータを暗号化できる方式である。
⇒共通鍵暗号方式の説明です。共通鍵暗号は高速な暗号化に向いていますが、PQCは量子コンピュータによる解読にも耐えられるよう設計された暗号アルゴリズムを指します。
ウ:計算能力の向上や解読技術の進展によって,従来は安全とされた暗号方式の安全性が低下する状態である。
⇒暗号の危殆化の説明です。暗号方式の安全性が低下する状態を指しており、量子コンピュータ時代にも安全性を保つために設計されるポスト量子暗号そのものの説明ではありません。
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まず押さえたいこと

ポスト量子暗号(PQC)は、量子コンピュータによる解読にも耐えられるように設計された暗号アルゴリズムです。量子の性質を使って通信する技術ではなく、量子コンピュータ時代にも安全性を保つことを目指す暗号方式である点が重要です。

迷ったときの判断軸

量子力学の性質を利用して鍵を配送するものは量子鍵配送です。同じ鍵で暗号化と復号を行うものは共通鍵暗号、従来安全だった暗号の安全性が低下する状態は暗号の危殆化に近い説明です。PQCは、量子コンピュータによる攻撃に備えた新しい公開鍵暗号・署名方式と判断しましょう。

科目Bにつなげるために

科目Bでは、将来の暗号移行や、長期間保護すべき情報を今からどう守るかが問われることがあります。PQCは、現在の暗号方式をすぐ全て置き換える話ではなく、移行計画・互換性・鍵管理・暗号スイートの選定とあわせて整理しておきましょう。