経営戦略|中小企業診断士 令和7年第1次試験 企業経営理論 問1

出典:令和7年度 第1次試験問題 企業経営理論 第1問 分野:企業経営理論 / 戦略の考え方
C. ホッファーとD.シェンデルは、戦略概念を整理し、戦略には階層があり、それぞれの戦略の検討事項は異なることを指摘している。
彼らの分類に基づいた戦略に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • ア:機能分野別戦略では、事業領域の選択が最も重要な戦略上の検討事項である。
  • イ:コングロマリット企業の全社戦略では、事業間の資源シナジーの創出が最も重要な戦略上の検討事項である。
  • ウ:事業戦略では、事業ポートフォリオ内の事業間での経営資源の配分が最も重要な戦略上の検討事項である。
  • エ:事業戦略では、独自能力の構築と競争優位性の獲得が最も重要な戦略上の検討事項である。
  • オ:全社戦略では、特定の製品や市場セグメントでの競争に焦点を当て、その事業の成長や利益を増加させることが最も重要な戦略上の検討事項である。
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解説

この問題では、ホッファーとシェンデルによる戦略階層の考え方が問われています。

戦略は大きく、全社戦略、事業戦略、機能分野別戦略に分けて考えます。全社戦略では、どの事業分野に進出するか、事業間で経営資源をどう配分するかが中心になります。

一方、事業戦略では、特定の事業分野において、どのように競争優位を獲得するかが中心になります。そのため、独自能力の構築や競争優位性の獲得が重要な検討事項になります。

したがって、エが適切です。

❌他選択肢が誤りの理由
ア 機能分野別戦略では、事業領域の選択が最も重要な戦略上の検討事項である。
⇒事業領域の選択は、主に全社戦略の検討事項です。機能分野別戦略では、研究開発・生産・販売・財務・人事などの各機能をどう実行するかが中心になります。
イ コングロマリット企業の全社戦略では、事業間の資源シナジーの創出が最も重要な戦略上の検討事項である。
⇒全社戦略では事業領域の選択や事業間の資源配分が重要です。コングロマリット企業は多角化した事業間の関連性が弱い場合も多く、資源シナジーの創出を最も重要な検討事項とする説明は一般化しすぎです。
ウ 事業戦略では、事業ポートフォリオ内の事業間での経営資源の配分が最も重要な戦略上の検討事項である。
⇒事業間での経営資源の配分は、主に全社戦略の検討事項です。事業戦略では、個別事業における競争の仕方や競争優位の獲得が中心になります。
オ 全社戦略では、特定の製品や市場セグメントでの競争に焦点を当て、その事業の成長や利益を増加させることが最も重要な戦略上の検討事項である。
⇒特定の製品や市場セグメントでの競争に焦点を当てるのは、主に事業戦略の説明です。全社戦略では、企業全体としての事業領域や資源配分を検討します。
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まず押さえたいこと

ホッファーとシェンデルの戦略階層では、戦略を全社戦略・事業戦略・機能分野別戦略に分けて考えます。全社戦略は「どの事業を行うか」、事業戦略は「その事業でどう競争するか」、機能分野別戦略は「販売・生産・人事・財務など各機能をどう動かすか」を扱います。特に事業戦略では、競争優位性の獲得が中心テーマになります。

迷ったときの判断軸

選択肢を読むときは、「全社」「事業」「機能」のどの階層の話かを先に見極めましょう。事業領域の選択や事業間の資源配分は全社戦略、特定事業での競争優位の確立は事業戦略、各部門の具体的な活動方針は機能分野別戦略です。「事業ポートフォリオ」「どの事業に資源を配るか」が出てきたら全社戦略、「独自能力」「競争優位」が出てきたら事業戦略と整理すると判断しやすくなります。

2次試験につなげるために

この論点は企業経営理論であり、2次試験の事例Ⅰ・Ⅱに強くつながります。答案では、全社レベルの方向性と、事業レベルの競争優位、機能レベルの施策を混同しないことが重要です。たとえば「新市場へ進出する」は全社・事業領域の話、「差別化する」は事業戦略の話、「営業体制を強化する」は機能分野別戦略の話として整理すると、与件に沿った論理的な答案を書きやすくなります。

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