経常収支|中小企業診断士 令和7年第1次試験 経済学・経済政策 問13
出典:令和7年度 第1次試験問題 経済学・経済政策 第11問(設問1)
分野:経済学・経済政策 / 経済指標の見方や読み方
経常収支および貿易収支に関する下記の設問に答えよ。
日本の経常収支の黒字を拡大させる方向に作用することが想定される要因の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a 海外企業が提供するクラウドサービスに国内企業が支払う利用料の増加
b 国内大手自動車メーカーが所有する海外子会社の利益の増大
c 訪日外国人観光客の増加
d 原油や天然ガスなどの資源価格の上昇
日本の経常収支の黒字を拡大させる方向に作用することが想定される要因の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a 海外企業が提供するクラウドサービスに国内企業が支払う利用料の増加
b 国内大手自動車メーカーが所有する海外子会社の利益の増大
c 訪日外国人観光客の増加
d 原油や天然ガスなどの資源価格の上昇
- ア:aとb
- イ:aとc
- ウ:bとc
- エ:bとd
- オ:cとd
TSUNAGARU-ADVICE
まず押さえたいこと
経常収支は、貿易収支だけでなく、サービス収支や第一次所得収支なども含む広い概念です。黒字を拡大させる方向かどうかは、「日本から海外へお金が出ていく」のか、「海外から日本へお金が入ってくる」のかで考えると整理しやすくなります。
迷ったときの判断軸
海外企業のクラウドサービス利用料の増加は、日本から海外への支払いが増えるため、サービス収支を悪化させます。海外子会社の利益の増大は、日本企業が海外から受け取る所得が増えるため、第一次所得収支の黒字拡大につながります。訪日外国人観光客の増加は、海外から日本への支払いが増えるため、サービス収支を改善します。一方、資源価格の上昇は輸入額を増やし、貿易収支を悪化させやすいです。
2次試験につなげるために
この論点は経済学・経済政策の知識であり、2次試験に無理につなげるより、1次試験対策として割り切って整理することが重要です。経常収支では、海外から日本に入るお金はプラス、日本から海外に出るお金はマイナスという判断軸を持つと、サービス収支・第一次所得収支・貿易収支の問題でも迷いにくくなります。
この問題では、経常収支を構成する項目が、黒字を拡大させる方向に働くかどうかを判断する力が問われています。
経常収支は、主に貿易収支、サービス収支、第一次所得収支などから構成されます。黒字を拡大させるのは、日本から見て「受け取りが増える」または「支払いが減る」要因です。
aについて、海外企業が提供するクラウドサービスに国内企業が支払う利用料は、サービス収支における海外への支払いです。これは経常収支の黒字を縮小させる方向に作用します。
bについて、国内大手自動車メーカーが所有する海外子会社の利益が増えると、日本企業が海外から受け取る所得が増えるため、第一次所得収支の黒字拡大につながります。
cについて、訪日外国人観光客の増加は、日本国内で外国人が消費することを意味します。これはサービス収支の受け取り増加となり、経常収支の黒字を拡大させる方向に作用します。
dについて、原油や天然ガスなどの資源価格が上昇すると、資源を多く輸入する日本では輸入額が増えやすく、貿易収支を悪化させます。そのため、経常収支の黒字を縮小させる方向に作用します。
したがって、ウが適切です。
--- ❌他選択肢が誤りの理由ア aとb
⇒bは黒字を拡大させる要因ですが、aは海外へのサービス利用料の支払い増加であり、サービス収支を悪化させる方向に作用します。
イ aとc
⇒cは黒字を拡大させる要因ですが、aは海外企業への支払い増加であり、経常収支の黒字を縮小させる方向に作用します。
エ bとd
⇒bは黒字を拡大させる要因ですが、dは資源輸入額を増やし、貿易収支を悪化させる方向に作用します。
オ cとd
⇒cは黒字を拡大させる要因ですが、dは輸入額の増加を通じて、経常収支の黒字を縮小させる方向に作用します。