ユーザ受入テストに関する監査のチェックポイント|科目A-1(応用情報技術者) 令和7年 春期午前試験 問60
出典:令和7年春期 午前 問60
分野:システム監査(中分類) / システム監査(小分類)
システム管理基準(令和5年)における,ユーザ受入テストに関する監査のチェックポイントとして,適切なものはどれか。
- ア:構築された情報システムに,業務要件が適切に反映されていることを確認するために,利用者の立場からテストされていること
- イ:情報システムの稼働後に,IT戦略における目標を達成しているかどうかを確認するために,客観的な情報に基づいてテストされていること
- ウ:利用者からのシステム要件が適切に反映されていることを確認するために,情報システムの全ての構成要素について,中間成果物も含めてレビューされていること
- エ:利用者が情報システムを利用できるようにするために,情報システムの移行後に,移行結果について,本番環境が利用可能かどうかレビューされていること
TSUNAGARU-ADVICE
まず押さえたいこと
ユーザ受入テストは、構築された情報システムに業務要件が適切に反映されているかを、実際に利用する立場から確認するテストです。業務で必要な機能や処理が、利用者の期待どおりに動作するかを確かめます。
迷ったときの判断軸
「利用者の立場から」「業務要件の反映を確認する」という二つの表現に注目しましょう。稼働後の目標達成確認は事後評価、全構成要素や中間成果物の確認はレビュー、移行後の本番環境の確認は移行に関する検証です。
科目Bにつなげるために
特にプロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)試験合格を目指す方は、ユーザ受入テストを開発者ではなく利用者側が業務適合性を確認する工程として理解しましょう。システムテストや移行テストとの目的の違いを整理すると有効です。

ユーザ受入テストは、完成した情報システムが、実際の業務で使える状態になっているかを利用者の立場で確認するテストです。
開発者目線では「仕様どおりに動くか」を確認しますが、ユーザ受入テストでは「業務で本当に使えるか」「業務要件を満たしているか」を確認します。
ユーザ受入テストでは、まずテストの範囲や手順、対象となる関連システム、制約条件、スケジュールなどを明確にします。これがユーザ受入テスト計画です。
次に、テスト結果を確認し、システムが業務要件を満たしていることを示す証拠をレビューします。たとえば、業務シナリオどおりに処理できたか、必要な帳票が出力されたか、承認フローが正しく動いたかなどを確認します。
テスト結果は文書化し、関係者の承認を得ます。これにより、「利用者側として、このシステムを受け入れてよい」と判断した記録を残します。
また、テストで不具合が見つかった場合は、その内容と改善結果を記録し、修正が完了したかどうかをフォローアップします。
つまりユーザ受入テストは、「作ったシステムが、利用者の業務で本当に使えるかを最終確認するテスト」です。単にテストを実施するだけでなく、結果のレビュー、文書化、承認、不具合改善まで含めて管理することが重要です。
したがって、アが適切です。
❌他選択肢が誤りの理由イ:情報システムの稼働後に,IT戦略における目標を達成しているかどうかを確認するために,客観的な情報に基づいてテストされていること
⇒システム稼働後の効果測定や事後評価に関する説明です。ユーザ受入テストは、本番稼働前に業務要件への適合性を確認するために行います。
ウ:利用者からのシステム要件が適切に反映されていることを確認するために,情報システムの全ての構成要素について,中間成果物も含めてレビューされていること
⇒設計書やプログラムなどの中間成果物を対象としたレビューに関する説明です。利用者が完成したシステムを操作して受け入れ可否を確認するユーザ受入テストとは異なります。
エ:利用者が情報システムを利用できるようにするために,情報システムの移行後に,移行結果について,本番環境が利用可能かどうかレビューされていること
⇒システム移行後の移行結果や本番環境の稼働確認に関する説明です。業務要件が適切に反映されているかを利用者の立場で確認するユーザ受入テストではありません。