ウォークスルー法の説明|科目A-1(応用情報技術者) 令和7年 春期午前試験 問58

出典:令和7年春期 午前 問58 分野:システム監査(中分類) / システム監査(小分類)
システム監査におけるウォークスルー法の説明として,適切なものはどれか。
  • ア:機密データの保管状況に関する資料及び文書類を入手し,内容を点検する。
  • イ:システムの運用状況について,関係者に口頭で問い合わせ,回答を入手する。
  • ウ:データの生成から入力,処理,出力,利活用までのプロセス,及び組み込まれている一連のコントロールを確認する。
  • エ:テストデータを監査対象プログラムで処理し,期待した結果が出力されるかどうかを確かめる。
応用情報技術者
解説

ウォークスルー法は、業務やシステムの処理の流れを、実際のデータや書面を追いながら確認する監査手法です。

「データがどこで作られ、どのように入力され、どのように処理され、最後にどのように出力・利用されるのか」を順番にたどって確認します。

監査手法 内容
チェックリスト法 確認項目を一覧にして、漏れなく点検する
ドキュメントレビュー法 設計書、規程、手順書などの文書を確認する
インタビュー法 担当者に質問し、運用状況や問題点を確認する
ウォークスルー法 データの生成から入力、処理、出力、利用までの流れを追跡し、統制が機能しているか確認する
突合・照合法 複数の資料やデータを照らし合わせ、内容が一致しているか確認する
現地調査法 実際の現場に行き、設備や運用状況を確認する
コンピュータ支援監査技法 テストデータ法や監査モジュール法など、コンピュータを使って監査する

ウォークスルー法で特に重要なのは、単に処理の流れを見るだけでなく、その途中にあるコントロールも確認する点です。

コントロールとは、ミスや不正を防ぐための仕組みです。たとえば、入力内容のチェック、承認手続、アクセス権限、ログ記録、エラー処理などが該当します。

たとえば、受注データを例にすると、「注文を受ける」「システムに入力する」「在庫を確認する」「出荷処理をする」「請求書を発行する」といった流れを順番に追い、その各段階で適切な確認や承認が行われているかを見ます。

つまりウォークスルー法は、「データの流れを最初から最後までたどりながら、業務プロセスと統制が正しく動いているかを確認する方法」と考えると分かりやすいです。

したがって、が適切です。

❌他選択肢が誤りの理由
ア:機密データの保管状況に関する資料及び文書類を入手し,内容を点検する。
⇒文書査閲の説明です。規程、記録、報告書などの資料を入手し、その内容を確認する監査手続です。
イ:システムの運用状況について,関係者に口頭で問い合わせ,回答を入手する。
⇒インタビュー法の説明です。関係者への質問によって、業務やシステムの運用状況に関する情報を収集します。
エ:テストデータを監査対象プログラムで処理し,期待した結果が出力されるかどうかを確かめる。
⇒テストデータ法の説明です。監査人が用意したデータをプログラムで処理し、処理ロジックやコントロールが正しく機能するかを確認します。
TSUNAGARU-ADVICE

まず押さえたいこと

ウォークスルー法は、特定の取引やデータを一つ選び、生成から入力・処理・出力・利用までの流れをたどって、各段階に組み込まれたコントロールを確認する方法です。業務プロセスと内部統制が、実際にどのようにつながっているかを把握できます。

迷ったときの判断軸

「一連の処理を最初から最後まで追跡する」という表現が判断のポイントです。資料や文書の点検は査閲、関係者への口頭での質問は質問法、テストデータをプログラムで処理する方法はテストデータ法に当たります。

科目Bにつなげるために

特にプロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)試験合格を目指す方は、ウォークスルー法を業務の流れに沿ってコントロールの設計や実施状況を確認する監査技法として理解しましょう。質問・観察・文書確認などを組み合わせて証拠を得る点も重要です。