プロセッサの高速化技法|科目A-1 令和7年 秋期午前試験 問8
出典:令和7年秋期 午前 問8
分野:コンピュータ構成要素 / プロセッサ
プロセッサの高速化技法の一つとして,同時に実行可能な複数の動作を,コンパイルの段階でまとめて一つの複合命令とし,高速化を図る方式はどれか。
- ア:CISC
- イ:MIMD
- ウ:RISC
- エ:VLIW
TSUNAGARU-ADVICE
まず押さえたいこと
VLIWは、同時に実行できる複数の処理をコンパイラがあらかじめまとめ、1つの長い命令としてプロセッサに渡す方式です。実行時にプロセッサが複雑に判断するのではなく、コンパイル時に並列実行できる処理を決める点が特徴です。
迷ったときの判断軸
CISCは複雑な命令を持つ命令セット、RISCは単純な命令を高速に実行する考え方、MIMDは複数の命令列と複数のデータ列を並列に扱う分類です。「複数の動作をコンパイル段階でまとめる」というキーワードが出たら、VLIWを連想すると切り分けやすくなります。
科目Bにつなげるために
特にプロフェッショナルデジタルスキル(システム)試験合格を目指す方は、プロセッサの高速化を単なる用語ではなく、ハードウェア側で判断するのか、コンパイラ側で判断するのかという役割分担で理解しておくと有効です。性能設計やアーキテクチャの問題で、並列処理の考え方につながります。
VLIWは、Very Long Instruction Wordの略で、同時に実行できる複数の処理をコンパイラが解析し、1つの長い命令語にまとめて実行する方式です。
通常、プロセッサ内部で命令の並列実行を判断する方式もありますが、VLIWではコンパイルの段階で、どの命令を同時に実行できるかを決めておきます。これによって、プロセッサ側の制御を単純化しながら高速化を図れます。
問題文の「コンパイルの段階でまとめて一つの複合命令とする」という点が、VLIWの特徴です。
したがって、エが適切です。
❌他選択肢が誤りの理由ア:CISC
⇒CISCは、Complex Instruction Set Computerの略で、複雑で高機能な命令を多数備えるプロセッサ設計の考え方です。命令セットを豊富にすることで、1命令で複雑な処理を行えるようにする方式であり、コンパイル段階で複数の動作を1つの複合命令にまとめるVLIWとは異なります。
イ:MIMD
⇒MIMDは、Multiple Instruction Multiple Dataの略で、複数の命令列を複数のデータに対して並列に実行する並列処理方式です。複数のプロセッサやコアによる並列実行の分類であり、コンパイラが複数の動作を1つの長い命令語にまとめる方式ではありません。
ウ:RISC
⇒RISCは、Reduced Instruction Set Computerの略で、命令の種類を単純で少数にし、各命令を高速に実行する設計思想です。命令を単純化する考え方であり、複数の動作をコンパイル段階で1つの複合命令にまとめるVLIWとは異なります。