サーバ,ネットワーク機器に対する直流給電の利点|科目A-1(応用情報技術者) 令和6年 春期午前試験 問23
出典:令和6年春期 午前 問23
分野:ハードウェア(中分類) / ハードウェア(小分類)
データセンターなどで採用されているサーバ,ネットワーク機器に対する直流給電の利点として,適切なものはどれか。
- ア:交流から直流への変換,直流から交流への変換で生じる電力損失を低減できる。
- イ:受電設備からCPUなどのLSIまで,同じ電圧のまま給電できる。
- ウ:停電の危険がないので,電源バックアップ用のバッテリを不要にできる。
- エ:トランスを用いて容易に昇圧,降圧ができる。
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まず押さえたいこと
データセンターで直流給電を採用する大きな利点は、電力変換の回数を減らし、変換時に発生する電力損失を抑えられることです。サーバやネットワーク機器の内部では最終的に直流電力を利用するため、交流と直流の変換段階を減らすことで効率向上が期待できます。
迷ったときの判断軸
直流給電でも、受電設備からCPUなどのLSIまで常に同じ電圧を使うわけではありません。また、停電への備えが不要になるわけでもなく、バックアップ電源は必要です。トランスによる容易な昇圧・降圧は交流の特徴なので、直流給電の利点とは区別しましょう。
科目Bにつなげるために
特にプロフェッショナルデジタルスキル(システム)試験合格を目指す方は、直流給電をデータセンターの省電力化・電力変換効率・電源設計と結び付けて理解しましょう。電力損失をどこで抑えられるかを考える視点は、サーバ設備やインフラ設計の性能・省エネルギー評価にもつながります。
データセンターなどでは、商用電源として受け取った交流(AC)を直流(DC)へ変換し、サーバ内部で利用します。途中で交流と直流の変換を繰り返すと、そのたびに変換損失が生じます。
例えば、1回の電力変換効率を80%と仮定すると、2回変換した場合に利用できる電力は、
0.8 × 0.8 = 0.64
となり、元の電力の64%になります。直流給電によって不要な変換回数を減らせば、このような電力損失を抑えることができます。
このため、サーバで最終的に直流を使用するのであれば、データセンター内で直流給電を採用して交流と直流の変換段数を減らすことで、省電力化につなげられます。
したがって、アが適切です。
交流と直流には、次のような特徴があります。
直流(DC):電流の向きが一定で、バッテリや電子回路などで利用されます。サーバ内部の電子部品も基本的には直流で動作します。
交流(AC):電流の向きや大きさが周期的に変化します。トランスによる電圧変換が容易で、送配電に広く利用されています。
❌他選択肢が誤りの理由イ:受電設備からCPUなどのLSIまで,同じ電圧のまま給電できる。
⇒直流給電であっても、受電設備から供給される電圧と、CPUやLSIが必要とする電圧は異なります。DC-DCコンバータなどを使って必要な電圧へ変換するため、最初から最後まで同じ電圧で給電するわけではありません。
ウ:停電の危険がないので,電源バックアップ用のバッテリを不要にできる。
⇒直流給電にしても、外部からの電力供給が停止する可能性はあります。停電対策としてUPSや蓄電池などのバックアップ電源は引き続き必要です。
エ:トランスを用いて容易に昇圧,降圧ができる。
⇒トランスによって容易に昇圧・降圧できるのは交流の特徴です。直流の電圧を変える場合は、DC-DCコンバータなどの電子回路を用います。