ベイズの定理|科目A-1(応用情報技術者) 令和6年 春期午前試験 問1

出典:令和6年春期 午前 問1 分野:基礎理論(中分類) / 応用数学
複数の袋からそれぞれ白と赤の玉を幾つかずつ取り出すとき,ベイズの定理を利用して事後確率を求める場合はどれか。
  • ア:ある袋から取り出した二つの玉の色が同じと推定することができる確率を求める場合
  • イ:異なる袋から取り出した玉が同じ色であると推定することができる確率を求める場合
  • ウ:玉を一つ取り出すために,ある袋が選ばれると推定することができる確率を求める場合
  • エ:取り出した玉の色から,どの袋から取り出されたのかを推定するための確率を求める場合
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解説

ベイズの定理は、ある結果が観測されたときに、その結果を生じさせた原因が起こっていた確率である「事後確率」を求めるために使います。

原因をB、観測された結果をAとすると、ベイズの定理は次のように表されます。

P(B|A) = P(A|B) × P(B) ÷ P(A)

P(B|A):結果Aが起きたという条件の下で、原因Bが起きていた確率:事後確率

P(A|B):原因Bが起きたという条件の下で、結果Aが起こる確率:尤度(ゆうど)

P(B):原因Bが起こる確率:事前確率

P(A):結果Aが起こる確率:周辺尤度

式の意味を言葉で表すと、「結果から原因をさかのぼって、その原因であった確率を求める」ということです。

P(原因|結果) = P(結果|原因) × P(原因) ÷ P(結果)

例えば、袋1には白玉4個と赤玉6個、袋2には白玉7個と赤玉3個が入っているとします。どちらの袋を選ぶ確率も1 ÷ 2であるとして、選んだ袋から玉を1個取り出したところ、赤玉だったとします。

このとき、袋1が選ばれていた確率をベイズの定理で求めます。

P(赤玉|袋1) = 6 ÷ 10 = 3 ÷ 5

P(袋1) = 1 ÷ 2

赤玉が取り出される確率は、袋1と袋2の両方の場合を合わせて、

P(赤玉) = 1 ÷ 2 × 6 ÷ 10 + 1 ÷ 2 × 3 ÷ 10 = 9 ÷ 20

したがって、赤玉が取り出されたという結果から、袋1が選ばれていた確率を求めると、

P(袋1|赤玉) = (6 ÷ 10 × 1 ÷ 2) ÷ (9 ÷ 20) = 2 ÷ 3

逆に、袋2が選ばれていた確率は、

1 - 2 ÷ 3 = 1 ÷ 3

このように、取り出された玉の色という「結果」から、どの袋が選ばれたのかという「原因」の確率を求めるのが、ベイズの定理を利用する典型的な場面です。ベイズの考え方は、機械学習や迷惑メール判定などにも利用されています。

したがって、エが適切です。

事後確率ダウンロード ❌他選択肢が誤りの理由
ア:ある袋から取り出した二つの玉の色が同じと推定することができる確率を求める場合
⇒同じ袋から取り出した2個の玉について、白白または赤赤となる確率を求める問題です。玉の構成から組合せや条件付き確率を使って計算でき、観測された結果から原因を推定するベイズの定理の典型的な利用場面ではありません。
イ:異なる袋から取り出した玉が同じ色であると推定することができる確率を求める場合
⇒それぞれの袋から白玉を引く確率や赤玉を引く確率を求め、「白白」と「赤赤」の確率を合計することで求められます。結果からどの袋が原因だったのかを逆方向に推定するものではありません。
ウ:玉を一つ取り出すために,ある袋が選ばれると推定することができる確率を求める場合
⇒玉の色を確認する前に、ある袋が選ばれる確率は「事前確率」に当たります。ベイズの定理で求める事後確率は、玉の色などの新しい結果を得た後に更新された確率です。
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まず押さえたいこと

ベイズの定理は、観測された結果を手掛かりに、その原因が何であったかを推定するときに使います。玉の問題では、取り出した玉の色という観測結果から、どの袋が選ばれていた可能性が高いかを求める場面が典型です。

迷ったときの判断軸

事前確率は「玉を見る前に、その袋が選ばれる確率」、事後確率は「玉の色を見た後に、その袋だった確率」です。原因から結果を求めるのではなく、結果から原因を逆に推定する場面かどうかを確認すると、ベイズの定理を使う問題だと判断しやすくなります。

科目Bにつなげるために

特にプロフェッショナルデジタルスキル(データ・AI)試験合格を目指す方は、ベイズの定理を観測データによって確率を更新する推論として理解しましょう。迷惑メール判定、故障原因の推定、医療診断、機械学習の分類などにもつながる重要な考え方です。

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